*14:25JST ユーロ週間見通し:下げ渋りか、ECBは利上げ継続の可能性
■もみ合い、一部米銀破綻でユーロ売り縮小
今週のユーロ・ドルはもみ合い。オーストリア中央銀行総裁が「4会合連続で0.50ポイントの利上げを支持する」と述べたことを受けて、ユーロ買い・米ドル売りが先行した。その後、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が3月7日に開かれた米議会公聴会でピーク金利引上げや利上げペース加速の可能性に言及し、ユーロ買い・米ドル売りは縮小した。しかしながら、米シリコンバレー銀行の経営破たんを受けて米国債利回りは急低下し、10日の取引でリスク回避的なユーロ買い・米ドル売りが観測された。取引レンジ:1.0525ドル-1.0701ドル。
■底堅い値動きか、ECBは0.5ポイントの利上げ実施へ
来週のユーロ・ドルは底堅い値動きか。3月16日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会は0.50ポイントの追加利上げが予想され、一段の引き締めを期待したユーロ買いが先行しそうだ。域内経済は想定ほど悪化しないとの見方もユーロを支える。一部米銀の経営破たんを受けて米大幅利上げの可能性は低下しており、来週発表の米経済指標が市場予想と一致した場合、ユーロ売り・米ドル買いがただちに拡大する可能性低いとみられる。
予想レンジ:1.0550ドル-1.0750ドル
■弱含み、株安を嫌気してユーロ売り強まる
今週のユーロ・円は弱含み。オーストリア中央銀行総裁は連続利上げを支持し、金利差拡大観測によるユーロ買い・円売りが先行した。しかしながら、法人・超富裕層に対する米大規模増税案への懸念、さらに米シリコンバレー銀行の破綻を受けて、主要国の株式は週末前に下落し、リスク回避のユーロ売り・円買いが優勢となった。取引レンジ:143円35銭-145円44銭。
■下げ渋りか、ECBは利上げ継続の可能性
来週のユーロ・円は下げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)は3月16日開催の理事会で0.50ポイントの追加利上げを決定する公算で、さらに引き締めを進めるとの姿勢を打ち出せばユーロ買いは継続しよう。ただし、米シリコンバレー銀行の破綻を受けてリスク選好的な為替取引は縮小しており、新たなユーロ買い材料が提供されない場合、ユーロ・円は主に144円を挟んだ水準で推移する展開が予想される。
○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・16日:欧州中央銀行理事会(0.5ポイントの利上げ予想)
予想レンジ:143円00銭-146円00銭
《FA》
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