*07:24JST NY株式:米国株式市場はまちまち、銀行への不安拭えず
ダウ平均は90.50ドル安の31,819.14ドル、ナスダックは49.96ポイント高の11,188.84で取引を終了した。
シリコンバレー銀やシグネチャー銀の破綻を受け、連鎖的な金融危機への警戒感がくすぶり寄り付き後、下落。当局が連鎖的な破綻リスクを軽減するため週末に全預金者を保護する救済策を発表したことに続き、バイデン大統領が国民に向けた演説でシステムや預金の安全性を強調したため、警戒感が後退すると買戻しが優勢となった。また、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを停止するとの思惑も浮上して長期金利が大幅に低下したこともハイテク株の買戻しに拍車をかけ、主要株価指数はプラス圏を一時回復。しかし、終盤にかけ銀行への不安が拭えず、ダウ平均は再び下落に転じまちまちで終了した。セクター別では不動産、公益事業が上昇、銀行が下落した。
製薬会社のファイザー(PFE)はがん治療などに使用される医薬品開発のバイオ、シージェン(SGEN)買収を発表して上昇。シージェン(SGEN)も大幅高となった。バイオのモデルナ(MRNA)はアナリストが同社開発RSVワクチンを巡り市場を先導していくと、同社の投資判断を引き上げたため上昇。また、製薬会社のイーライ・リリー(LLY)はアナリストが同社株が売られ過ぎとの見方から投資判断を引き上げ、買われた。データ分析のクアルトリクス・インターナショナル(XM)は、投資会社シルバーレイクが同社買収を報告したことを受け上昇。医療機器メーカーのインシュレット(PODD)はSVBフィナンシャルグループにかわりS&P500種指数に採用されるとの報道で買われた。遺伝的機能・変異の解析ツール開発を手掛けるバイオ、イルミナ(ILMN)は著名投資家で物言う投資家のアイカーン氏が経営陣の方針に異議を唱えるプロキシーファイトを開始したとの報道で買われた。
地銀のファーストリパブリック銀行(FRC)、ウェスタン・アライアンス・バンコープ(WAL)、キーコープ(KEY)は、中堅行2行の破綻連鎖を警戒した売りが続いた。金融サービスのチャールズ・シュワッブ(SCHW)も大幅安となった。
投資家の恐怖心理をあらわすVIX指数は一時30.81まで上昇し、昨年10月来の高水準となった。
《YN》
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