*16:02JST クレディ・スイスの経営不安から一時26600円台まで売られる【クロージング】
16日の日経平均は反落。218.87円安の27010.61円(出来高概算16億5000万株)で取引を終えた。スイスの金融大手クレディ・スイス(CS)の経営不振を背景に世界的な金融システム不安に対する懸念から、前日の欧米市場で売られた流れが日本株にも波及。日経平均は取引開始直後には26632.92円まで下げ幅を広げた。その後はCSがスイス中央銀行から最大500億スイスフラン(約7兆1000億円)を調達する用意があると発表したことで、押し目を拾う動きもみられ、下げ幅を縮めた。ただし、先行き警戒感は拭えていないうえ、来週に予定される米の金融政策決定会合を見極めたいとの思惑もあり、27000円を挟んでのもみ合い展開が続いた。
東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1500を超え、全体の9割近くを占めた。セクター別では、情報通信を除く32業種が下落し、鉄鋼、保険、鉱業、非鉄金属、銀行の下げが際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、東エレク8035、アドバンテス6857、第一三共4568、花王4452、キーエンス6861がしっかりだった半面、ファーストリテ9983、ソフトバンクG9984、ダイキン6367、ファナック6954が軟調だった。
CSの筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンクが「追加出資に応じることはできない」と述べたと伝わったことで、欧州発の金融システム不安の再燃によりリスク回避の動きが波及した。米銀の破綻に続き、CSの経営不振が世界の金融システムの不安定化につながり、世界景気にも悪影響を及ぼすことへの懸念も加わり、金融セクター、景気敏感株など幅広い銘柄に売りが優勢となった。
CSの経営問題については、中銀による流動性供給策を受けいったんは落ち着いた形になったが、根本的な解決にはつながっていないほか、米大手格付け機関S&Pが、米中堅銀行ファースト・リパブリックの債務履行能力を示す長期発行体格付けをジャンク級に格下げするなど、依然として欧米の金融システムへの不安感は拭えていない。さらに、来週には米で金融政策決定会合が開催される予定で、難しい金融政策運営をしなければならず、不安心理が増幅する金融システムについてどのような見解を示すのかも見極めたいと考える投資家が多い。
《CS》
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