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オンコリスバイ Research Memo(8):売上高はテロメスキャンのマイルストーン収入増で増収となった
2016年9月26日 / 06:46 / 1年後

オンコリスバイ Research Memo(8):売上高はテロメスキャンのマイルストーン収入増で増収となった


*15:42JST オンコリスバイ Research Memo(8):売上高はテロメスキャンのマイルストーン収入増で増収となった
■業績動向

(1) 2016年12月期第2四半期累計業績

オンコリスバイオファーマ4588の2016年12月期第2四半期累計業績は、売上高が前年同期比36百万円増加の44百万円、営業損失が410百万円(前年同期は505百万円の損失)、経常損失が416百万円(同405百万円の損失)、四半期純損失が417百万円(同406百万円の損失)となった。

売上高はテロメスキャンの北米、韓国でのライセンス契約によるマイルストーン収入並びに、米Deciphera社へのテロメスキャン及びテロメスキャンF35の販売収入が増加した。損益面では、人件費が増加したものの、増収効果や研究開発費の減少により、営業損失で前年同期比94百万円縮小した。また、営業外では前年同期に計上した助成金収入89百万円が無くなったことや円高の進行による為替差損11百万円を計上し、この結果、経常損失は前年同期比で11百万円拡大した。

(2) 2016年12月期業績見通し

2016年12月期の業績は、売上高が前期比55.5%増の188百万円、営業損失が1,273百万円、経常損失が1,273百万円、当期純損失が1,276百万円と期初計画を据え置いている。売上高は検査事業におけるライセンス収入及びウイルス販売等の増加に加えて、下期にテロメライシンの契約一時金収入を見込んでいる。2016年5月に中国のハンルイ社と中国における導出を前提とした基本合意書を締結しており、下期中に本契約を締結する見通しだ。

損益面では人件費や研究開発費の増加により、営業損失で前期比321百万円拡大する見込みとなっている。研究開発費については、国内外でテロメライシンの臨床試験開始を想定しており、前期比で240百万円増加の793百万円と見込んでいる。また、9月には米国におけるライセンス契約活動及び研究開発活動の加速を目的として子会社を設立する予定となっており、関連費用の増加を見込んでいる。

今下期以降の主要パイプラインの開発方針は以下のとおりとなる。

a)テロメライシン
テロメライシンについては国内と海外で臨床試験を実施する予定となっている。国内では現在、岡山大学で進めている食道がんを対象とした放射線併用治療に加えて、同社独自で第1相臨床試験を開始する。最大症例数は12例で忍容性、安全性、腫瘍免疫を評価する。治験デザインは岡山大学で進められているものと同じで、最初の3例は中用量の投与を行い、問題がなければ最大容量群での投与を実施する。治験施設は岡山大学のほか、国立がんセンター東病院で実施する予定で2017年上期中の終了を目指している。既にPMDAとの協議は終え、近々治験届を申請する見通しだ。

また、国立がんセンター東病院とは進行性または転移性固形がん患者を対象に、他の治療法との併用による医師主導治験契約も締結しており、2016年内に同病院にて治験届が提出される見込みとなっている。

一方、海外では米国でメラノーマを対象とした第2相臨床試験の治験届を近々提出し、2016年内に治験を開始する。症例数は最大で50例を予定している。まずはテロメライシン単剤の投与を15例ほど実施し、2017年上期中に中間解析を実施する。一定以上の効果が認められれば、免疫チェックポイント阻害剤との併用療法による第2相臨床試験に切り替え、同時にライセンス契約交渉を進めていく予定だ。中間解析の結果で明確な効果が確認できなければ、引き続き最大50例まで単剤投与による臨床試験を行うことになる。

同社ではテロメライシンと免疫チェックポイント阻害剤を併用することで、治療効果が最も高くなるとみている。免疫チェックポイント阻害剤については小野薬品工業4528のオプジーボやメルク社のペンブロリズマブに体表される抗PD-1抗体が有名で、対象疾患領域もメラノーマから今後さらに拡大することが見込まれている。2020年には5品目の抗PD-1抗体やPD-L1が上市される見込みで、市場規模も2015年の2,000億円弱から2020年には約2兆4,000億円規模に急成長すると予想されている。同社では免疫チェックポイント阻害剤との併用による薬効が示されれば、テロメライシンの売上ポテンシャルも500億円程度になると見ており、今後の開発動向が注目される。

なお、腫瘍溶解ウイルスで唯一上市しているAmgen社のT-VECについては、米国のユタ大学附属病院でメラノーマ患者に対する治療法の第一選択肢として採用されるにとどまっており、まだ普及が進んでいない状況にある。

その他、台湾の共同開発パートナーであるMedigen社と共同して韓国・台湾で進めていた肝細胞がんを対象とした第1/2相臨床試験については、最大投与量での投与を2016年上期中に完了し、安全性が確認されたほか一部の症例では投与部位のがん細胞の壊死が確認された。このため下期には、さらに投与量を3倍に引き上げた臨床試験を3例実施し、問題がなければ同じ投与量での反復試験(3回)を行う予定となっている。2017年中頃には終了し、結果が良好であれば、第2相臨床試験に移行し、POCを取得したい考えだ。肝細胞がんにおいても免疫チェックポイント阻害剤との併用試験の検討も開始している。

b) OBP-601
抗HIV治療薬のOBP-601については前述したとおり、米国にてLBR社と協業しながら2016年内に第3相臨床試験に向けた協議をFDAと進めていく考えだ。第3相臨床試験を行うことになれば開発費用は100億円以上かかる見通しだが、LBR社が中心となって米国での資金調達を行うことが想定される。2017年第1四半期頃には今後の開発方針が固まるものと見られる。

c)テロメスキャン
テロメスキャンに関して、国内で当初予定していた検査工程の自動化については規制等の問題もあって遅れているものの、米国、韓国では承認取得に向けた開発が順調に進んでいる。米国では今後3年内に510(k)での販売承認申請を目指している。テロメスキャンに関しては前述したように既存技術よりもCTC検出率が高いことから、まずは転移がん・再発がんの早期検出用としての市場を開拓していく。また、コンパニオン診断薬としての関心も米国では高まっているようで、複数社から問い合わせが同社にきている。このため、同社では国内で肺がんや乳がん患者等のCTCの遺伝子解析を医療機関の協力を得て実施していく予定で、これらデータの結果次第ではコンパニオン診断薬としての販売契約が進む可能性がある。また、同社ではPTC※検出への応用も今後視野に入れて開発を進めていく方針となっている。

※PTC(Peritoneal Tumor Cell)・・・腹腔洗浄液から検出されるがん細胞

その他、テロメスキャンでは欧州や中国でのライセンス契約活動も進めており、欧州については具体的な交渉が1社と進んでいるようで、今後の動向が注目される。

世界のバイオマーカー市場は2018年に検査サービス等も含めて総額408億ドル規模となり、そのうちCTC市場はがん患者の増加に伴って年率2ケタ伸長し、79億ドルが予想されている。CTC市場では現在、米Veridex社のCellSearchしか承認されていないが、同社ではテロメスキャンの性能の高さから、一定のシェアを獲得することは可能と見ており、2020年段階で検査キットの売上高だけで5~10億円を目指していく考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《HN》

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