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TOKAI Research Memo(8):2018年3月期以降は積極投資による成長戦略に軸足を移す
March 7, 2017 / 8:20 AM / 9 months ago

TOKAI Research Memo(8):2018年3月期以降は積極投資による成長戦略に軸足を移す


*17:18JST TOKAI Research Memo(8):2018年3月期以降は積極投資による成長戦略に軸足を移す
■TOKAIホールディングス3167の今後の見通し

3. 次期中期経営計画のポイント
次期中期経営計画については2021年3月期までの4ヶ年計画となる見通しで、詳細については2017年5月に発表する予定となっている。ポイントとしては、財務体質の改善が順調に進んだことから、2018年3月期以降は収益拡大のための成長投資に軸足を移していくことが挙げられる。従来は営業キャッシュ・フローの約4割を設備投資に、約2割を株主還元ほかに、残り約4割を有利子負債の削減に充当してきたが、有利子負債が適正水準まで削減できたことから、2018年3月期以降はこの約4割の部分を設備投資やM&Aなどの投資費用に充当していくことになる。年間の投資費用としては従来100億円規模だったものが、200億円規模へと倍増することになり、積極的な投資を行うことで収益成長を加速させていく考えだ。また、次期中期経営計画では、「中核事業の顧客基盤拡大とM&Aの推進」「総合力としてのTLCの推進」を重点方針として掲げていく。

(1) 中核事業の顧客基盤拡大とM&Aの推進
同社ではガス及び石油事業やCATV事業など中核事業の顧客基盤拡大を図るため、M&Aなども活用した営業エリアの拡大を進めていく計画となっている。

LPガス業界では中小事業者を中心に全国で約1.9万件の販売事業者が存在するが、事業者数は年々漸減傾向にあり、今後は大手事業者の寡占化が進むものと予想される。通信や電力など生活インフラサービスの販売自由化が進み、セット販売による顧客獲得競争が激化するなかで、こうした施策を行う体力のない中小事業者は自然と淘汰されていくと考えられるためだ。このため同社では今後も営業エリアを拡張し、顧客件数の拡大を進めていく戦略だ。2018年3月期以降は新たに三重県のほか、CATV事業の営業エリアである長野県や岡山県への進出も視野に入れている。M&Aを活用することでエリア展開をスムーズに進めていくことも、経営の選択肢として考えられる。

また、都市ガス業界においては2017年4月以降、小売の完全自由化がスタートする。都市ガス事業者は現在、全国で203事業者(うち公営26事業者)となっており、大手ガス会社を除けば資本力の小さい事業者が多いため、業界の再編が進む可能性がある。同社はガス事業だけでなく、情報及び通信サービスやCATVサービスなど複数の生活インフラサービスを提供する強みを生かし、シナジーが見込める案件があればM&Aによってグループ化を図り、顧客基盤の拡充を進めていく戦略だ。

こうした営業エリアの拡大戦略により、ガス事業の顧客件数は2016年3月末時点の634千件から大幅な増加を目指す計画となっている。

一方、CATV事業においても、今後は4Kや8Kといった超高精細放送の普及が見込まれるなかで光化投資が必要となってきており、投資余力のない中小規模事業者は大手事業者に吸収されていくことが予想されている。CATV業界では(株)ジュピターテレコム(ブランド名J:COM)が有料放送の視聴可能世帯シェアで47%(2015年12月時点)、サービス加入件数で524万件と圧倒的なポジションを確立しているが、同社グループも顧客件数では業界第6位のポジションを占めている。営業エリアは静岡県、神奈川県、千葉県、長野県、岡山県の5県で6局を展開しており、光化対応では長野のLCVが唯一、対応していないものの、その他の局では50~100%の間で光化が進んでいる。4Kや8Kなど高精細放送への対応も含めて、今後10年程度かけてすべての局で100%光化を進めていく計画となっている。既存局の光化投資に加えて、M&Aにより新たなCATV事業者をグループ化していくことも視野に入れており、顧客基盤の拡大を図っていく計画となっている。

なお、M&Aについてはこれら中核事業だけでなく、全方位的にグループでのシナジーが見込める案件であれば前向きに検討していく方針となっている。また、生活総合サービス企業として、ライフイベントに関わる新規事業の立ち上げも視野に入れており、必要であればM&Aなども検討していく考えだ。

(2) 総合力としてのTLCの推進
次期中期経営計画では、同社の課題となっている1顧客当たり複数サービスの契約率向上に注力していく方針となっている。現在、同社グループが提供するサービスの中で複数契約している顧客の比率(クロスセル率)は7%台の水準にとどまっており、「Total Life Concierge」(暮らしの総合サービス)構想を掲げている同社としては、その強みを十分に生かしきれていないのが現状だ。ただ、本社のある静岡県内でのクロスセル率は15.9%と他エリアと比較して高くなっている。サービス別の内訳を見ると、都市ガスユーザーのクロスセル率が36.7%と最も高く、次いでCATVが32.7%、LPガスが23.1%となっている。このため、これらサービスの営業エリアを静岡県以外でも展開していくことがクロスセル率の向上に有効と思われる。

またクロスセルの営業活動についても、従来はグループ各社間での顧客情報の共有だけにとどまっており、受け身的な営業姿勢であったが、2017年4月以降はこれを能動的な営業姿勢に変えられるよう社内での施策を検討している段階にある。同社ではこうした取り組みにより、将来的にはクロスセル率を30~40%まで高めていきたい考えだ。クロスセル率が上昇すれば1顧客当たりの獲得コストの比率も低減するため、収益性向上にも寄与することになる。TLC構想の推進により顧客基盤の拡充を進めていくことで、2018年3月期以降も持続的な収益成長が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《TN》

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