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ダイナムジャパンHD Research Memo(5):地域の顧客にフォーカスした営業に注力
2017年6月29日 / 06:35 / 5ヶ月後

ダイナムジャパンHD Research Memo(5):地域の顧客にフォーカスした営業に注力


*15:35JST ダイナムジャパンHD Research Memo(5):地域の顧客にフォーカスした営業に注力
■成長戦略

2. 同社の取り組み
(1) トップライングロースに向けた取り組み
ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>はこれまでも集客増、売上増に向けて店舗の大規模リニューアル(2015年3月期第4四半期から2016年3月期第1四半期)などを行ってきた。同社は2017年3月期から店舗売上高の拡大を目指し、新しい挑戦を始めた。地域の顧客にフォーカスした営業と、一部店舗における実験的施策の実施である。地域の顧客にフォーカスした営業というのは、地域ごとの顧客の特性を踏まえ、その顧客の視点に基づいた店づくりを行うということであり、全店舗で取り組んでいる。各種実験的施策というのは、2店舗を実験店に設定し、従来のパチンコホールのイメージを超えるような施策を行い、効果があるものは他店舗に展開していこうというものだ。

過去のてこ入れ策が店舗リニューアルなど施設や設備を対象に、全店舗一律的な内容であったのに対し、今回の施策は顧客という“人”を対象とし、顧客の心に訴えて固定ファンづくりを目指しているという点で大きく異なっている。施策の進め方も本部からのトップダウン型ではなく、個々の店舗の特性(立地・顧客層など)に応じた施策が求められている。その意味では各店舗の店長以下各スタッフの力量によって結果も大きく変わってくることになる。

弊社では、この取り組みの背景にある考え方は非常に説得力があり、効果も上がると注目していたが、2017年3月期の初年度において数十店舗を抜き出して効果を検証したところでは、その効果は明確に表れているもようだ。店舗によるばらつきがあるのも現実であり、同社は成功店舗の事例を他の店舗でも共有し、参考できる部分を取り入れて全体の底上げを図っていく方針だ。“地域の顧客にフォーカス”という施策の趣旨からして、本部が主導して画一的な施策を押し付けるのではなく、あくまで成功体験(ベストプラクティス)の共有というところがポイントだ。

同社がこうした新たな挑戦を通じて既存店売上高の回復に成功すれば、従来からの店舗数拡大と合わせて、2つの軸で成長戦略を構成することが可能になる。これまでは“市場の縮小⇒店舗売上高の減少”というマイナスの流れを、店舗数拡大で補って、全体売上高として成長を目指すというイメージが強かった。これに比べて、既存店売上高の成長を加えた2つの軸による成長戦略がはるかに骨太であることは明白だ。

(2) コスト削減に向けた取り組み
コスト削減に向けた取り組みにも余念がない。同社は新規出店に際しての標準モデルを作成しているが、今回その一部を改訂した。店舗のコンセプトや立地、基準となる面積などは変わっていないが、機械の設置について従来の480台から512台へと変更した。従来は20台を2列に並べて40台で1つの“島”を作り、12の島で店舗を構成していた。新モデルでは16台×2列の32台で1つの島とし、16の島で構成する体制とした。ポイントは2つだ。1つは、島のユニットを32台に縮小することで新台入れ替えの際の単位費用を抑制できるという点だ。もう1つは機械の台数を増やすことだ、設置台数ベースのシェアをアップさせ、バイイングパワーを強化することだ。

また、同社はパチンコ機にプライベートブランド機(PB機)の開発でも着実に進捗させている。かつてのPB機は表面のデザイン変更などにとどまっていたためコストメリットが限定的であったが、ここにきて基板から自社設計のものへと進化し、コストメリットが大きく拡大したものとなっている。パチンコホールの運営においては機械費の占める割合は人件費と並んで高いため、今後の利益貢献が期待される。

(3) 長期的な戦略
長期的な成長戦略についての考え方は従来から一貫している。厳しい事業環境が続くパチンコホール業界だが、この厳しさは同社にとっては成長のチャンスでもあるということだ。

パチンコホール業界の右肩下がりのトレンドはここ数年の話ではなく、遅くとも10年から15年ほど前には認識されていた。同社は業界としての縮小トレンドを早くから察知する一方、自社の収益力を強化する努力を続けた。その努力が、前述したチェーンストア理論にローコストオペレーションや業界トップの店舗数からのスケールメリット、上場企業としての資金調達力などの特長・強みとして今に生きている。どんな業界であれ、事業環境の厳しさは業界再編へとつながっていく。そのときに買い手側として再編に参加できるだけの体力を同社は維持していくことができると弊社で期待している。

また、同社の中長期成長戦略はパチンコ業界の枠内に限定されるわけではない。パチンコ以外の事業に進出するという選択肢は当然、検討されていると考えられる。その際にも威力を発揮するのは、パチンコ事業で培ってきた強固な財務基盤やローコストオペレーション、資金調達力、コンプライアンス経営といった、同社がベースとして有する有形・無形のアセットであるのは言うまでもない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)


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