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ダイナムジャパンHD Research Memo(6):非財務(ESG)情報を拡充し、長期投資家との対話ツールを充実
2017年6月29日 / 06:40 / 5ヶ月後

ダイナムジャパンHD Research Memo(6):非財務(ESG)情報を拡充し、長期投資家との対話ツールを充実


*15:36JST ダイナムジャパンHD Research Memo(6):非財務(ESG)情報を拡充し、長期投資家との対話ツールを充実
■統合報告書

1. 統合型アニュアルレポートの開示
(1) 香港証券取引所上場企業におけるESG情報の開示義務化に対応
ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>は5月29日に、2017年3月期の年次報告として、アニュアルレポート(「Annual Rerport 2017」)を開示した。今回のアニュアルレポートでは、ESGと呼ばれる環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)に関する記載が拡充されている点で、今までと大きく異なっている。香港証券取引所においては、2017年1月以降に決算開示を迎える企業にESG情報の開示を義務付けている。コーポレート・ガバナンス(G)については既に年次報告が義務付けられていたが、これに加えて環境(E)、社会(S)に関する取り組みについても開示が義務化されることとなり、非財務情報の開示を充実させる動きが活発化している。今回の同社のアニュアルレポートにおいても、環境(E)、社会(S)に関する考え方、取り組みについて20ページ以上にわたり開示している。

(2)統合思考に基づくコーポレートレポーティングへの進化
同社のアニュアルレポートは、ESG情報を単に羅列するだけに留まらず、ESGへの取り組みを通じた「社会的価値向上」と事業活動を通じた「経済的(財務的)価値向上」を両立させ、長期にわたりサステナブルな成長を目指すという内容を柱にまとめられている点で非常に興味深い。これは、マイケル・ポーターが提唱しているCSV(共有価値創造)の考え方に通じるものと筆者は理解している。同社が長期成長を考える際に、パチンコを巡る社会へのインパクトを抜きに語ることはできない。同社では「リスクと機会」に関する記載の中で、「依存問題」をはじめとする負のインパクトは、長期的な発展を脅かす事業リスクと捉えて適切にマネジメントし、これを最小化していくことをめざすとしている。また、地域社会の課題解決に向けたプラスの側面については、イノベーションを通じて長期成長を支える新たな事業機会につなげていきたいとしている。アニュアルレポート冒頭の編集方針にも記載されている通り、同社は「国際統合報告評議会」(IIRC)の定める国際統合報告フレームワークを意識した構成でまとめている。内容的には各テーマを更に掘り下げる余地があるように思われるが、パチンコホール業界のリーディングカンパニーとして、自社の生み出す価値を特定し積極的な開示を志向する取り組みは注目に値する。

2. 長期投資家との対話ツールを充実
同社の統合報告書の開示は、世界の長期投資家との対話姿勢を表すものとして評価したい。世界各国の機関投資家の国連PRIへの署名機関数は増加傾向にあり、署名機関の運用資産額の合計は62兆米ドル超(2016年4月)に達している。またスチュワードシップコードの整備に見られるように、投資家と企業の一層の対話が望まれており、特にESGを含む長期的な視点を軸に企業価値の向上を目指すことが、長期投資家と企業双方の共通テーマとして認識されるようになってきている。同社のアニュアルレポートが、長期投資家との対話ツールとして今後活用されることを筆者は望んでいる。同社はまた、7月にCSRレポートを新たに開示する予定である。長期投資家との対話ツールが一層充実し、株式市場における適正な評価を受ける機会が広がることが期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)


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