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三井化学 Research Memo(7):『2025長期経営計画』と業績見通しローリングにより経営の環境適合性を高める
2017年7月3日 / 06:37 / 5ヶ月後

三井化学 Research Memo(7):『2025長期経営計画』と業績見通しローリングにより経営の環境適合性を高める


*15:33JST 三井化学 Research Memo(7):『2025長期経営計画』と業績見通しローリングにより経営の環境適合性を高める
■2025長期経営計画と成長戦略

三井化学4183は2014年度(2015年3月期)から3ヶ年中期経営計画“2014中期経営計画”に取り組んできたが、2017年3月期に終了したのを機に、2018年3月期から“2025長期経営計画”への取り組みを開始した。“2025長期経営計画”は2025年度(2026年3月期)をゴールとするもので、その着実な実行を通じて長期にわたる持続的な成長の実現を目指している。すなわち、長期経営計画の具体的施策が成長戦略ということだ。

同社は2017年3月期まで、3ヶ年ごとに中期経営計画を策定し、その着実な実行を繰り返して“around 2020の長期方向性”でイメージした姿に向かって成長していくという経営スタイルを採用していた。しかしながら、経営の環境変化が速い現状に合わせて、中期経営計画よりも機敏に動ける経営スタイルへ移行する必要性を感じていた。その結果同社が採用したのが長期経営計画の策定と、毎年の3ヶ年業績計画のローリング(見直し)という組み合わせだ。長期の経営目標を従来よりも明確に定める一方、短中期の環境変化に対しては、3年間の業績見通しを毎年ローリングすることで、環境変化に即応した経営戦略を取れるようにした。

2025長期経営計画の計数目標は以下のとおり。売上高2兆円、営業利益2,000億円、売上高営業利益率10%というのが損益面での目標値となっている。一方財務面では、ROE10%、ネット・デット/エクイティ比率0.8倍以下の達成を目指している。

同社は2017年3月期に事業セグメントの再編を行い、モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージングのターゲット事業領域3セグメントと、基盤素材事業セグメントを合わせた4セグメント体制とした。2018年3月期から2025長期経営計画に本格的に取り組むに当たり、『次世代事業』を新たにターゲット領域に加え、5つの事業領域で取り組む体制へと変更した。次世代事業は既存の事業セグメントの周辺領域や外縁領域の研究や事業開発をスムーズに進めるための内部的な事業分類であって、情報開示上の事業セグメントとは異なる。

2025長期経営計画の実現に向けた基本戦略は、イノベーションの追求、海外市場への展開加速、既存事業の競争力強化の3点だ。同社は、これら基本戦略の効果、すなわち営業利益成長の方向性について、新製品の投入(イノベーション追求の成果)で250億円、グローバル化地域拡大(海外市場展開加速の成果)で200億円、既存事業の競争力強化で420億をそれぞれ計画している。ここに新事業・次世代事業からの営業利益250億円を加えて、2026年3月期において営業利益2,000億円の達成を計画している。

この経営目標を達成するために、経営資源の積極投入も打ち出している。2017年3月期から2026年3月期までの10年間に合計1兆円の成長投資を行うとしている。この1兆円には事業基盤を維持するための投資(いわゆるメンテナンス投資。これまでは年間約300億円規模)は含まれていない。1兆円という規模感は、過去10年間の設備投資額の約3倍であり、成長投資への並々ならぬ意欲が十分に伝わる金額と言える。

1兆円の投資先について同社は、94%をモビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージング及び次世代事業のターゲット事業領域に投資する方針だ。また、投資のあり方としては、1兆円のうち4,000億円(10年間の合計)を“戦略投資”に充てるとしている。戦略投資にはM&Aが含まれていると考えられるが、それ以外にも長期的視点ならではの施策が打ち出される可能性がある。

以上のような施策を通じて、2014中期経営計画は最終の2017年3月期における過去最高益更新というベスト・ケースで終了した。2018年3月期からは前述の3つの基本戦略の着実な遂行により、主として4つのターゲット事業領域での成長によって、2026年3月期に営業利益2,000億円の達成を目指す計画だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《MW》

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