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ジェイテック Research Memo(3):技術者の地位向上と業界最高の収入を実現し、創造的個人経営集団を形成させる
2017年7月13日 / 06:06 / 4ヶ月後

ジェイテック Research Memo(3):技術者の地位向上と業界最高の収入を実現し、創造的個人経営集団を形成させる


*15:04JST ジェイテック Research Memo(3):技術者の地位向上と業界最高の収入を実現し、創造的個人経営集団を形成させる
■今後の展望・課題

1. 経営理念の施策
ジェイテック2479は2016年3月期に事業・収益構造の改革を本格的に行っていく方針を示したが、そこでは技術職知財リース事業の強化を維持しながら、新規事業である「グルくる(R)」と、派遣・請負事業のすそ野拡大において積極的な戦略を展開するとしており、「技術者の地位向上と業界最高の収入を実現し、創造的個人経営集団を形成させる」という経営理念に基づいて施策を打ち出している。

具体的には、「請負・受託開発体制の強化」、「自社開発及び販売の促進」、「グループ全体の人材採用・育成」、「新しい業務領域への継続挑戦」──の4点を進めていく。

最初に、 「請負・受託開発体制の強化」だが、重点技術項目として付加価値、今後の技術ニーズが高くなる領域を挙げている。分野としては、自動車製造ラインや産業用・介護用ロボットの設計などの機械、太陽光や再生可能エネルギー、自動運転等に関わる回路設計などの電気電子、急成長が見込まれるAI、IoTなどソフトウェアなどとなっており、2017年3月期より汎用FAロボット制御プログラムの取り組みを始め、付加価値のより高い技術ソリューションを提供する実例が出ている。今後も、汎用FA・ロボット開発分野の強化を図り人手不足の課題解決に貢献する一方、基幹系システム、インフラ構築、ソリューションの提供により、高単価かつ中長期利益確保の実現を目指す。

「自社開発及び販売促進」では、ストレスチェック制度に対応した「こころチェッカー」の開発・販売や、後述する「グルくる(R)」の拡大などを目指す。「グループ全体の人材採用・育成」においては、グループ人材開発本部による新卒・既卒の採用強化やテクノロジスト向けの継続的な社内教育に取り組む。また、「新しい業務領域への継続挑戦」に関しては、LIXILグループから買収した建築関連の技術者派遣の(株)ジェイテックアーキテクトを核にして、LIXILとの協業をさらに進めるほか、同グループ以外の顧客開拓を積極的に行う。さらに、一般建設業許可を取得したことで、自社設計施工案件の受注にも努める。また、エンジニア派遣及び一般派遣において、金融系システム開発、ECサイト構築、AI開発、クリエイティブ系、官公庁向けなど業務拡販に努めるほか、引き続き介護ビジネス拡大に注力していく方針だ。ちなみに、介護施設の取引先は2017年3月期に10施設増加した。この分野では、介護スクールと提携しているが、現在2校との提携を2018年3月期中に4校に増やし、これによって人材確保を強化する。

2. 技術職知財リース事業の展望
収益基盤で重きを成す技術職知財リース事業は、極めて高度な技術を持つテクノロジストに関して、もともと同社は景気が悪化した際に大量の優秀な技術系人材を採用して育成し、業績を伸ばしてきた。しかし、最近の決算動向でも明らかなように、大手メーカーが円安と原油安の効果により業績が回復している現状では優秀な人材確保は極めて困難な状況にある。リーマンショック直後には100人に及ぶ優秀な人材を確保した時期があったものの、現在は思うように人材が確保できない。実際、2017年4月の新卒採用は、単体で2人、連結で10人にとどまった。高いレベルを擁するため、好景気下では優秀な人材を採用するのは難しい。

同社は希望者には4月から10月までの半年間、オーストラリアで語学研修を行った後に入社させるという、他社にはない手厚い新人教育制度もあるが、現状の経済環境下では特に優れた人材の大量確保は困難と判断しており、テクノロジストの採用は計画どおりに行かない可能性がある。また、受注件数も付加価値の高い案件を優先した選別受注を続けるため、大きな拡大は見込めない状況だ。

ただ、同社内ではテクノロジストに次ぐ技術水準と位置付けられるエンジニアの採用は強化する。従来のようにテクノロジストの採用を積極的に行ってきた際には、新卒採用に関して、工学部を持つ上位校のみに求人票を出すだけだった。しかし、今は、専門工学系の学部のある大学すべてに求人票を送っている。このような採用方針の変更によってエンジニアの数は増加する計画となっている。また、同社の技術者は相対的に極めて高い技術水準を持つため、社内ではエンジニアに位置付けられていても、テクノロジストとして技術職知財リース事業の仕事を担っていくことも考えられる。

以上のような戦略を当面取ることによって、技術職知財リース事業は急拡大は見込めないものの、利益率は上昇すると見られる。テクノロジストの稼働率、稼働時間、契約単価の好転による増益要因に加え、環境が変化して新卒採用が好転した場合、更なる利益アップが見込めそうだ。もっとも、景気が著しく悪化し、技術者の大量確保が可能となった場合には、こうした方針が変わる可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)


《TN》

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