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天昇電 Research Memo(2):老舗のプラスチック成形品メーカー。前期は9年ぶりに復配で古豪復活か
2017年7月14日 / 06:09 / 4ヶ月前

天昇電 Research Memo(2):老舗のプラスチック成形品メーカー。前期は9年ぶりに復配で古豪復活か


*15:02JST 天昇電 Research Memo(2):老舗のプラスチック成形品メーカー。前期は9年ぶりに復配で古豪復活か
■会社概要

1. 会社概要
天昇電気工業6776は、1936年(昭和11年)に創業した歴史のある合成樹脂(プラスチック)成形品メーカーである。ラジオのキャビネットを木製からプラスチック化したのは同社であり、その後も長い歴史の中で、様々な合成樹脂の成形加工を手掛けてきた。その間に培われた技術力をベースに、その前段階の金型事業、さらに後工程の塗装などの加工工程へも事業領域を広げ、生産においても国内のみならず海外生産へも進出している。現在では、自動車部品、家電・OA機器や機構部品、さらに大型コンテナや感染性医療廃棄物容器など多分野へ展開している。

リーマンショック後に液晶テレビ向け製品の需要が急減したことから、業績は急速に悪化し、長い間無配を続けてきたが、業績の回復により2017年3月期から復配(年間配当3円)した。古豪復活の感があり、今後の業績動向は多いに注目される。

2. 沿革
同社の創業は1936年に遡るが、それ以降一貫してプラスチックの成型加工を事業として行ってきた。言い換えれば、プラスチック加工の老舗であり名門でもある。この間に、多くの技術を蓄積し顧客からの信頼度は厚い。現在の主要顧客は自動車業界であるが、それ以外にも家電やOA機器、搬送関連、医療関連、社会インフラ関連など幅広い業種で同社製品が使われている。

1961年に東証2部に上場している。現在までに幾多の主要株主の変遷があったが、現在ではプラスチックコンテナやパレットの大手メーカーである三甲(株)が筆頭株主(2017年3月期末現在34.5%保有)、三井物産8031が第2位(同13.8%)となっている。なお、現在の代表取締役社長である石川忠彦(いしかわただひこ)氏は三井物産の出身である。

3. 事業内容
(1) 主要製品と主な向け先
主力事業は、各種プラスチック製品や部品の製造・販売である。プラスチックの加工にはいくつかの方法があるが、同社は射出成形によって製品を製造している。また単に最終製品の製造だけでなく、開発当初から顧客と共同で製品設計、金型設計・製造、成形、塗装、印刷、検査、納品と一貫して行う場合もある。

決算短信に公表されているセグメントとしては、「日本成形関連事業」、「中国成形関連事業」、「不動産関連事業」に分けられており、売上高比率(2017年3月期)は、95.1%、2.1%、2.7%となっている。日本と中国は販売地域で分けられているだけで、製品内容で分けられているわけではない。不動産関連事業は、毎期安定した収益を挙げている。

また正式な数値ではないが、会社からのコメントによれば、主な向け先(概算値)は、自動車関連が約55%、オリジナル(自社)製品が約25%、家電・OA機器が約20%となっている。取引先は約200社に上るが、すべて直販で代理店経由はない。製品は国内5工場(福島、矢吹、群馬、埼玉、三重)、海外3工場(中国、ポーランド、メキシコ)で製造されている。

a) 自動車関連
各種内外装品、エンジンルーム用部品など様々な製品を製造・販売している。主要な大手自動車メーカーとはすべて取引があるが、特定のグループには属していない。また部品メーカーでもティア1、ティア2の多くの部品メーカーと取引がある。

顧客からの要望に応じて製品を作る場合もあるが、同社から企画・提案するケースも多々ある。自動車関連製品は、オリジナル製品等に比べて粗利率は低いが、初期段階から開発に参画することで製品供給のライフは長くなり、トータルとしては同社にとって重要な事業である。

b) オリジナル製品
同社が独自に開発した商品で、各種製品類の搬送用に使われるテンバコ(多目的通い箱)、テンタル(樽型容器)、ミッペール(医療廃棄物専用容器)、雨水貯留浸透槽、テンサートラック(導電性プリント基板収納ラック)などがある。オリジナル製品は利益率は高い。

c) 家電・OA
主に液晶テレビ、照明器具などの筐体や各種OA機器・精密機器・医療機器等の機構部品や機能部品を製造している。

(2) 特色と強み
a) 長い間に培われた技術力と顧客からの信頼
同社は創業当初からプラスチック製品の製造を手掛けており、この間に培われた技術力は高い。さらに単に最終製品を製造するための設備だけでなく、様々な設備を保有しており、これらのコンビネーションにより多くの顧客の様々な要求に応えることができる。これがまた顧客からの信頼につながり、新製品の企画段階から声がかかることも多い。

b) 最先端技術と様々な生産設備
同社は単に製品を製造する射出成形機だけでなく、様々な設備を持っている。例えば、金型制作/設計設備、フィルム加飾設備、試作設備、印刷/ホットスタンプ設備、塗装設備、組立設備、測定・試験設備等であり、これにコンピュータを駆使した最先端の技術と組み合わせることで、常に顧客へ最良の提案ができる体制を築いている。

c) 特殊技術
さらに同社は、以下のような特殊技術も有しており、顧客からの様々な要望に応えている。

1)ウエルドレス/光沢成形技術:特殊金型、成形技術を用いて塗装レスを実現し、漆器のような光沢を出す。
2)特殊印刷(炭素繊維品塗装):独自の技術を使って炭素繊維(カーボン)への特殊塗装を行う。
3)フィルム加飾:真空・圧空技術によって製品へフィルムを貼り付け転写する。手触り感も表現できる。

(3) 競合
射出成形製品の市場では、多くのメーカーが存在する。しかし、同社が手掛ける製品の多くは、価格が決め手となる汎用品ではなく、同社が企画段階から参画してそれぞれのユーザー向けに設計された製品が多い。したがって、同社と真正面から競合する企業は少ないが、経営陣は射出成形製品だけではなく、幅広い分野への参
入を視野に入れている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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