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メディシノバ Research Memo(5):タイペルカストは2つの適応領域においてP2治験を実施中
November 28, 2017 / 6:05 AM / 19 days ago

メディシノバ Research Memo(5):タイペルカストは2つの適応領域においてP2治験を実施中


*15:04JST メディシノバ Research Memo(5):タイペルカストは2つの適応領域においてP2治験を実施中
■メディシノバ4875の開発パイプラインの動向

2. タイペルカスト
タイペルカストは杏林製薬が経口タイプの喘息薬として開発したもので、抗線維化作用・抗炎症効果も持つ。2002年に独占的・全世界(日本、中国、韓国、台湾を除く)での再許諾可能な開発販売のライセンスを取得した(点眼薬を除く)。現在、2つの適応領域において開発を進めており、その動向は以下のとおり。

(1) 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)治療薬
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は近年、メタボリックシンドローム、肥満、糖尿病などの合併疾患として認識されるようになった肝臓疾患で、過度のアルコール摂取がないにもかかわらず、アルコール性肝障害と類似した病気の進行をたどり、肝硬変や肝細胞がんに至る病気である。非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の患者数は米国で3,000万人以上、このうち肝細胞にダメージ(炎症、線維化、結節など)がある脂肪肝をNASHと呼び、850万人以上の患者がいる(米国の成人有病率約12%)。NASH患者に肝臓の線維化が進むと通常は元に戻らず、肝硬変に進行する。NASH発症の機序はまだ解明されておらず、複数の製薬企業が開発を進めているがFDAによって認可された治療薬はまだ出ていない。

タイペルカストには抗線維化作用があることが分かっており、NASHから肝硬変への進行を抑制する効果が期待されるほか、動物実験では線維化を改善する効果を示したデータも報告されており、2015年4月にFDAよりNASH治療適応に対するファストトラックに指定されている。

現在の開発状況としては、2016年3月より高中性脂肪血症を伴うNASH及びNAFLD患者を対象としたP2治験(最大40名予定)を実施している段階にある。治験デザインは、オープンレーベル試験でスクリーニング期間(最長4ヶ月間)を経た被験者に対して最初の4週間は250mg/日を投与し、残り8週間で500mg/日まで投与量を増やしていくというもの。主要評価項目は、血清脂肪パネルやコレステロール流出能試験、MRIによる肝臓評価を行うというもの。治験終了のめどは今のところ2018年内になると見られている。

NASHに関しては、患者数も今後世界的に拡大していくことが予想されており、治療薬の市場規模としては米国で2020年に16億ドル、世界でピーク時に350~400億ドルと試算する調査機関もあり、医薬品業界の中では最も注目される大型治療薬の1つとなっている。米国ではバイオベンチャーのインターセプト・ファーマシューティカルズがP3治験を実施するなど複数の企業が開発にしのぎを削っている段階にある。タイペルカストも動物実験で良好なデータ結果を得ていることから、今後の治験進捗動向が注目される。

(2) 特発性肺線維症(IPF)治療薬
IPFとは、様々な原因により肺(肺胞・間質)が炎症を起こし線維化することで、肺が硬化・縮小し肺機能の働きが著しく低下する病気である。症状としては息切れや乾いた咳が出始め、症状が進行すると自発的呼吸が困難となり、酸素吸入器が必要となる。現在は根治療法がなく、症状の進行を抑制する薬が複数ある程度で、患者の3分の2は診断からの生存期間が5年以内となっている。米国での患者数は約13万人で、希少疾患である。

タイペルカストは抗線維化作用があることからIPFに対する治療効果が期待されており、FDAが2014年10月にオーファンドラッグに指定したのに続いて、2015年9月にはファストトラックにも指定している。2016年3月よりペンシルベニア州立大学にてP2治験を実施している。同治験では中等度から重度のIPF患者を対象としており、最長3ヶ月間のスクリーニング期間を設け、治療期間として12ヶ月間を予定している。プラセボとの二重盲検試験を最初の6ヶ月で行い(プラセボまたはタイペルカストを1,500mg/日投与)、残り6ヶ月をオープンレーベル試験(タイペルカスト1,500mg/日投与)で実施する。主要評価項目としては、治療前と治療後における呼吸機能検査(肺活量等)の変化となる。単一医療施設での治験となるため、治験終了予定時期については未定だが、症例数が15例と少ないため、遅くとも2018年内に終了するものと予想される。

市場規模としては米国で2025年までに30億ドルの規模に達するとの調査機関の予測もあり、今後の開発状況が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《TN》

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