December 15, 2017 / 6:06 AM / a month ago

カドカワ Research Memo(4):Webサービス事業と出版事業において先行投資費用が増加


*15:03JST カドカワ Research Memo(4):Webサービス事業と出版事業において先行投資費用が増加
■カドカワ9468の業績動向

2.事業セグメント別動向
(1)Webサービス事業
Webサービス事業の売上高は前年同期比4.2%減の15,406百万円、営業利益は同77.4%減の393百万円となった。売上高はライブ事業で増収となったものの、ポータル事業やモバイル事業で有料会員数の減少傾向が続いたことで減収となった。また、利益面ではポータル、モバイル事業の有料会員数減少による減収に加え、niconicoリニューアルや新バージョン(く)への投資費用が前年同期比で増加したことが減益要因となっている。前年同期比で13億円強の減益となったが、このうちポータル事業の減益が中心と見られ、ポータル事業については赤字となっている。

ポータル事業の2018年3月期第2四半期末の有料会員数を見ると、「プレミアム会員」については228万人(前年同期比28万人減)と減少傾向が続いているが、一方で「ニコニコチャンネル」の有料登録者数については64万人(前年同期比8万人増)と順調に拡大している。

ライブ事業はポータル事業の広告宣伝的な位置づけのため、基本的には収益化事業として見ていないが、2018年3月期第2四半期累計期間においては、人気のゲーム実況集団のグッズ販売収入やNHN PlayArt(株)との共同プロジェクトであるゲームアプリ「#コンパス~戦闘摂理解析システム~」がヒットするなど収益事業が好調に推移したことで、前年同期比で増収、赤字幅は縮小している。なお、2017年4月に開催した「ニコニコ超会議2017」では来場者数は約15.4万人と過去最高を記録したほか、8月に開催した世界最大級のアニソンライブ「Animelo Summer Live 2017 -THE CARD-」も3日間で8.1万人を集め、チケットが完売するなど好評を博しており、インターネットとリアルの融合によるエンタテインメントに対する需要は引き続き強いことが確認されている。

モバイル事業については、音楽配信サービスのドワンゴジェイピーの会員数減少が続いており、前年同期比で2ケタ減収減益が続いている。ただ、NTTドコモ9437が運営する「スゴ得コンテンツ®」で2017年6月より提供を開始した「ドワンゴジェイピー for スゴ得」についての売上は着実に増加している。

(2)出版事業
出版事業の売上高は前年同期比1.2%増の54,399百万円、営業利益は同38.2%減の2,400百万円となった。売上高については書籍・雑誌が減少したものの、電子書籍・電子雑誌の好調でカバーして増収となった。一方、営業利益は前年同期と比較して大型ヒット作品が少なかったことや、製造・物流工場をはじめとする出版事業における新規事業への投資費用が10億円強増加したことが減益要因となった。


書籍については大ヒット作に依存せずとも、ヒット作の量産で着実に利益を上げる仕組みが定着しつつある。具体的には、営業と編集がスムーズに連携する組織が定着し、書店での販売状況をリアルタイムで把握し、精度の高い需要予測での製造・出荷が可能となったことで、返品率の改善が進んでいる。電子書籍・電子雑誌については、NTTドコモが運営する雑誌読み放題サービス「dマガジン」からの収益が計画を上回ったほか、「BOOK☆WALKER」ではライトノベル、他社が運営する電子書籍ストアではコミックスなどの販売が好調に推移した。書籍・雑誌売上に占める電子書籍・雑誌の比率は3割弱程度まで上昇している。雑誌に関しては市場縮小が続くなかで、不採算雑誌の廃刊・休刊を進めると同時に、ウェブメディアへの移行等ビジネスモデルの転換のための投資を行なっている。

(3)映像・ゲーム事業
映像・ゲーム事業の売上高は前年同期比7.0%増の23,071百万円、営業利益は同44.1%増の1,889百万円となった。売上高はアプリゲームの好調に加えて、映像事業では「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」「劇場版 Fate/kaleid linerプリズマ☆イリヤ 雪下の誓い」の劇場公開、「ロクでなし魔術講師と禁忌経典」「メイドインアビス」の海外版権、「この素晴らしい世界に祝福を!」「劇場版 艦これ」「幼女戦記」のパッケージ販売等、複数のアニメ作品が業績をけん引し、また、映画の電子チケット販売も好調に推移した。

営業利益では映像事業の増収効果に加えて、アニメのメディアミックス作品が好調に推移したことが利益率の上昇に寄与したほか、前年同期に制作コスト高で悪化していたスタジオ事業の収益改善が進んだことも増益要因となり、同事業セグメントの増益分の大半を映像事業で占めた。一方、ゲーム事業もアプリゲームが好調に推移して増益となった。

(4)その他事業
その他事業の売上高は前年同期比2.2%増の10,140百万円、営業損失は212百万円(前年同期は587百万円の営業損失)となった。売上高はキャラクター商品やアイドルCDのeコマース、アニメやniconicoから生まれたコンテンツの販売や著作権利用料収入、クリエイティブ分野で活躍する人材を育成するスクール運営収入などが堅調に推移した。

利益面では今後の成長が期待されるインバウンド関連の事業開発費用や調査費用等を計上したものの、前年同期に一部のトレーディングカードゲームで発生した在庫評価損等の影響が無くなったことが、損失額の縮小要因となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《TN》

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