December 22, 2017 / 7:22 AM / a year ago

ネットイヤー Research Memo(5):受注契約単価の見直しなどより、今下期から収益は回復トレンドに


*16:11JST ネットイヤー Research Memo(5):受注契約単価の見直しなどより、今下期から収益は回復トレンドに
■今後の見通し

1. 収益改善施策
ネットイヤーグループ3622は2016年3月期以降、業績の悪化が続いたことを受け、その要因分析と今後の改善施策を決算説明会にて発表している。IT業界全体の活況が続くなかで、同社の業績が悪化した要因としては、人材の採用が同社の計画どおりに進まなかったことが根底にある。こうしたなかで、2014年度から2015年度にかけて同社最大の大型プロジェクトの開発に参画し、人材を同プロジェクトに集中させたことにより、他のプロジェクトの開発体制や営業・提案体制が脆弱となってしまい、結果、プロジェクト品質の低下や新規受注活動のための提案力低下をきたした。同プロジェクトについては2015年度で大半が終了したため、2016年度からの売上確保を図るべく、営業現場では低採算案件や要件定義を細部まで固めないまま開発案件の受注を取っていった。こうした営業活動の影響で、比較的大型案件となるプロジェクトで開発遅延等のトラブルが発生し、その収束に当たるためスキルの高い人材を投入しなければならず、他のプロジェクトの生産性が落ちる、あるいは人的リソースが限られるなかで新規の受注活動ができないといった悪循環に陥り、収益が悪化したと分析している。

同社ではこうした悪循環を断ち切るべく、いくつかの収益改善施策に取り組み始めている。2017年8月に経営リソースを本業に集中することを目的に子会社のrakumoの株式をすべて売却し、獲得した資金で今下期以降の人材採用及び教育費などの人材投資、マーケティング関連への投資を行う予定にしている。また、一定水準以下の低採算案件については受注しない方針としたほか、既存の継続案件についても利益率が低い案件や不採算になっている案件に関しては値上げ交渉を進めており、下期からその効果が出てくる見通しだ。

さらには、不採算プロジェクトの発生を防止するための施策も打っている。8月に新たに品質管理を行うQA部門を設置し、開発プロジェクトに関しての社内チェックを2段階で行う体制とした。具体的には、顧客提案時前段階でのプロジェクト計画に対する審査を行うほか、「要件定義」に関しての品質チェックを綿密に行うことで、開発途中段階での急な仕様変更等によるプロジェクト遅延を防止する。

これら施策に取り組むことにより、悪循環に陥っていた営業・開発現場の流れを好循環に切り替え、収益力を回復していく考えだ。今後の課題としては、人材の採用が進むかどうかにかかっていると言える。ここ2年間、社内の悪循環が続くなかで開発人員が疲弊してしまい、従業員数が前期末から減少している。同社では社内教育プログラムや福利厚生制度の強化、多様な働き方施策等にも取り組むことで、人材の拡充を図っていく方針としている。

2. 2018年3月期業績見通し
2018年3月期の連結業績は売上高で前期比1.6%増の6,000百万円、営業利益で45百万円(前期は206百万円の損失)、経常利益で43百万円(同209百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益で444百万円(同297百万円の損失)となる見通し。前述した収益改善施策の効果によって今下期は黒字化し、通期でも2期ぶりの黒字転化、3期ぶりの増収増益を見込んでいる。

なお、期初会社計画から売上高で200百万円下方修正しているが、これはrakumoが第2四半期より連結対象から外れたことによる。ただ、rakumoの利益はほぼ均衡水準だったため、営業利益段階での影響はほとんどない。営業利益を期初計画の110百万円から45百万円に下方修正したが、これは専門性の高い人材の確保、育成、マーケティングなどに積極的に投資していくためで、採用費、教育研修費、マーケティング関連費用の増加が要因となっている。なお、親会社株主に帰属する当期純利益については子会社株式売却益413百万円の計上により、期初計画の97百万円から444百万円に増額修正している。

同社の四半期業績の推移を見ると、第2四半期と第4四半期に偏重する傾向にあるため、第3四半期についてはまだ営業利益段階で損失が出る可能性はあるものの、足許の受注状況は順調に回復が進んでいるようで、第4四半期には収益回復も鮮明化するものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《TN》

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