January 19, 2018 / 6:42 AM / a month ago

ダイコク電 Research Memo(6):業界が大きな転換期を迎えるなかで、先行き不透明感から足元業績は低調に推移


*15:36JST ダイコク電 Research Memo(6):業界が大きな転換期を迎えるなかで、先行き不透明感から足元業績は低調に推移
■決算動向

2. 2018年3月期上期決算の概要
ダイコク電機6430の2018年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比10.9%減の17,996百万円、営業利益が同38.1%減の375百万円、経常利益が同30.1%減の493百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同10.1%減の296百万円と減収減益となった。ただ、期初予想に対しては、売上高が下回ったものの、利益面では大きく上回る進捗となっている。

先行き不透明感から厳しい市場環境が続くなかで、売上高は、情報システム事業及び制御システム事業がともに縮小した。情報システム事業は、パチンコホール新規出店数の減少や投資意欲の冷え込み等により計画を大きく下回った。一方、制御システム事業は、自社開発パチスロ遊技機が前年同期比で縮小したほか、表示ユニットで1機種が販売延期となったものの、計画に対しては若干上振れる進捗となった。

一方、利益面では、販管費が大きく減少した一方、減収による利益の押し下げや原価率の上昇により減益となり、営業利益率も2.1%(前年同期は3.0%)に低下した。ただ、研究開発費の減少を始め、販売手数料や広告宣伝費、貸倒引当金繰入額※の減少などにより、利益面では計画を上振れる進捗となっている。

※2015年4月に発生した取引先遊技機メーカーの破産手続きが、2017年7月で終結決定したことにより、貸倒引当金の戻し入れが生じた。


財務面では、株主資本が配当金支払いにより前期末比0.9%減の28,887百万円とわずかに減少した一方、総資産は「現金及び預金」の減少(配当金支払い等)や「たな卸資産」の減少(パチスロ遊技機の販売)、「固定資産」の減価償却などにより同7.1%減の43,500百万円に減少したことから、自己資本比率は66.4%(前期末は62.3%)に上昇した。

事業別の業績は以下のとおりである。

(1) 情報システム事業
売上高が前年同期比10.4%減の11,757百万円、セグメント利益が同38.3%減の872百万円と減収減益となり、計画を下回る進捗となった。先行き不透明感からパチンコホールにおける投資意欲の冷え込みが続くなか、ファン向け情報公開端末は安定した評価により新規採用顧客※1が増加した一方、パチンコホールの新規出店数の減少※2に伴い、CRユニットVEGASIAシリーズ及び景品顧客システムの販売台数が前年同期を下回った。

※1 大手チェーン店との新規取引を含む。
※2 同社の推定によれば新規出店比率は前期比20%ほど減少。


利益面でも、研究開発費の減少(一巡)のほか、販売促進費や広告宣伝費の削減を図ったものの、減収による利益の押し下げをカバーできず、利益率も7.4%(前年同期は10.8%)に低下した。

ただ、機器販売が全般的に苦戦を強いられるなかでも、サービス売上はほぼ横ばい(特に、注力するMGサービスの売上高は前年同期比4.6%増の2,138百万円)で推移しており、収益の下支えとなっているところは評価すべきポイントである。また、今後に向けた活動においても、2017年6月に新CRユニット「VEGASIAIII」※1をリリースしたことに続いて、より詳細な顧客データ分析を可能とする「Fan-SIS」(全国ファン動向データ公開サービス)※2も開始するなど一定の成果を残すことができた。

※1 顔認証カメラが標準装備され、ファン動向が把握できるところに最大の特徴がある。業績寄与は下期以降となるが、次世代CRユニットとして注目を集めている。
※2 「VEGASIAIII」によって、より詳細なデータ分析が可能となったことを生かしたデータ分析サービスである。1)全国データを集約することで、より精度が高く、信頼できるデータ分析が可能となること、2)自店と全国データとを比較することで、自店の強みや弱み、伸びしろを知ることができることに特徴がある。特に、自店の客層にあった最適な機種構成を実現することで、ホールの業績向上への貢献が期待される。


(2) 制御システム事業
売上高が前年同期比11.7%減の6,262百万円、セグメント利益が374百万円(前年同期は95百万円の利益)と減収ながら大幅な増益となり、計画に対しても売上高、利益ともに上回る進捗となった。

表示ユニットで1機種の販売が下期以降に延期となったことにより、販売台数が前年同期を下回ったが、パチンコ遊技機向けの部品販売が好調に推移したことなどから、計画に対しては上振れる進捗となっている。また、自社開発パチスロ遊技機※においても、前年同期比では縮小したものの、計画を若干上回る成果を残した。

※前年同期の販売台数(8,800台)には及ばなかったものの、「そらのおとしものフォルテ」、「結城友奈は勇者である」の2機種をリリースし、合計5,500台(計画5,400台)を販売した。


一方、利益面では、自社開発パチスロ遊技機にかかる販売手数料の減少のほか、研究開発費が大きく減少(想定以下の水準)したことや貸倒引当金の戻し入れなどにより計画を大きく上回る増益となった。

以上から、上期業績を総括すると、外部環境の影響を受けやすい売上高の下振れはマイナス材料となったものの、同社が重視する利益面では、一時的な特殊要因(貸倒引当金の戻し入れ)を除いても、順調に進捗しているものと評価できる。また、画期的な製品・サービスのリリースや大手チェーン店との取引開始についても、将来に向けて大きな方向性を示すことができたと言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)


《MH》

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