April 24, 2018 / 6:35 AM / 5 months ago

窪田製薬HD Research Memo(2):眼科領域に特化して革新的な医薬品・医療デバイスの開発を目指す


*15:32JST 窪田製薬HD Research Memo(2):眼科領域に特化して革新的な医薬品・医療デバイスの開発を目指す
■窪田製薬ホールディングス4596の会社概要

1. 会社沿革
眼科領域に特化した医薬品の開発を行うことを目的に、研究者であり眼科医である窪田良(くぼたりょう)博士が2002年に米国シアトルにて旧アキュセラ・インクを設立。2014年2月に東証マザーズに上場した後に、2016年12月に三角合併方式により、日本法人を窪田製薬ホールディングス株式会社として持株会社化し(旧アキュセラ・インクは11月末で上場廃止)、東証マザーズ内国株式として再上場を果たしている。

創業来「眼疾患に革新的な治療薬・医療技術をもたらし、社会に貢献する」という企業理念を掲げ、事業活動を行っている。2006年に視覚サイクルモジュレーション技術を用いた治療薬「エミクススタト」の開発を開始、2008年には大塚製薬(株)(大塚ホールディングス4578グループ会社)と地図状萎縮を伴うドライ型加齢黄斑変性を治療対象とした「エミクススタト」の共同開発及び販売契約を締結したが、2016年5月に発表された臨床第2b/3相試験の結果を受けて、同契約は終了している。現在「エミクススタト」については、スターガルト病を対象とした臨床第3相試験の開始に向けた準備を進めている。その他の開発パイプラインとしては、白内障・老視(老眼)治療薬候補となる「ラノステロール類縁低分子化合物」、網膜色素変性を適応対象とした遺伝子治療技術「オプトジェネティクス」、糖尿病黄斑浮腫やウェット型加齢黄斑変性等を適応対象とした「生体内物質模倣低分子化合物」の非臨床での開発を進めている段階にある。また、医療デバイスとしては、ウェット型加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫等の網膜血管新生による眼疾患を対象に、自宅で網膜の状況を調べられる超小型モバイルOCT機器「PBOS」の開発を進めており、2018年に臨床試験を開始した。

2. 同社の特徴と強み
同社の特徴は、最先端のサイエンスを基に、眼科領域に特化した企業であることが挙げられる。また、以下の4点が同社の特徴であり、強みとなっている。

(1) 人材
同社の強みの1つとして、眼科領域で長く活躍してきた経験豊富な経営陣によって事業が進められていることが挙げられる。窪田製薬グループとして国内本社と研究開発拠点となる米アキュセラ・インクの連携体制を、眼科医であり研究者として同社のエミクススタトを発明した会長、社長兼最高経営責任者の窪田良氏を筆頭に構築している。

2018年には、日本でも眼科領域の製薬企業で長く研究開発に携わってきた人材を研究開発部長として採用しており、今後、日本での開発プロジェクトを進めていく格好だ。なお、連結従業員数は2017年12月期末で34名(うち、日本3名)となっている。

(2) 技術開発力
自社開発品だけでなく、技術導入により治療候補薬のパイプライン拡充を進めており、自社で開発プロジェクトを進めていくだけの技術開発力を有している点が強みとなる。また、医薬品から医療デバイスに至るまでの眼科領域におけるトータルソリューションの確立を目指して研究開発を行っていることが特徴となっている。

(3) 開発戦略
開発戦略においては、Quick Win-Fast Fail(短期間で成否を検証し判断する高効率の開発戦略)を基本としており、非臨床試験から臨床試験へと研究開発を進めてヒトでのPOC※を取得するまでの「トランスレーショナル研究」にフォーカスしていることが特徴となっている。この「トランスレーショナル研究」の領域は、前段階である「探索研究」、後段階である「大規模臨床試験」と比較して、研究開発にかかる投資金額を抑えやすく、同社のようなバイオベンチャーがフォーカスしていく領域として理にかなっていると言える。特に、眼科領域に特化したベンチャーは他の領域と比較しても少ないため、開発に成功すれば注目度も一気に高まることが予想される。同社では、ヒトでのPOCを取得した段階で、製薬企業と販売ライセンス契約を締結し、その後のマイルストーン収益や上市後の販売ロイヤリティーを獲得することで収益成長を目指していく戦略となる。

※POC(Proof of Concept)基礎的な研究で予想された薬の効果が、実際にヒトへの投与試験により証明されること。


(4) パートナーシップ
同社は欧米を中心に、最先端技術を有する大学や研究機関と幅広いネットワークを構築しており、その中から有望と思われる技術や治療薬候補の導入及び共同研究を推進している。また、国内外の大手製薬企業とのパートナーシップに向けた技術基盤の強化も進めている。

3. 眼疾患領域の市場動向
世界の眼科医薬品の市場規模は2014年の21.1億米ドルから2025年には36.5億米ドルと年率5.1%の成長が予測されている※。医薬品全体の成長率は3%程度と予測されており、眼科医薬品は業界の中でも成長性の高い領域と位置付けられている。世界人口が増加していることに加えて、高齢化の進展に伴い加齢黄斑変性や白内障、その他網膜疾患の患者数が増加の一途をたどっていることが背景にある。このうち、同社が開発を進める網膜疾患領域の治療薬と、白内障治療で用いられる眼内レンズの市場規模を合計した世界の市場規模は2017年の143億米ドルから2020年には174億米ドルと年率6.7%の成長が予測されている。

※Visiongain, Ophthalmic Drugs: World Market Prospects 2015-2025


同社の現在の開発ポートフォリオは、失明の主要原因となる疾患を対象としたものとなっている。従来から開発を進めている加齢黄斑変性や糖尿病網膜症に加えて、2016年からは白内障や網膜色素変性の治療薬候補についても新たな開発パイプラインに加わり、現状では失明原因とされる大半の疾病を対象とした開発を進めていることになる。これらの眼疾患に関してはいまだ革新的な治療法が確立されていない、あるいは、患者への身体的負担を軽減しながらもより効果の高い治療法が求められているのが現状であり、開発に成功すれば同社は眼科領域において世界でも有数の企業となる可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《MH》

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