July 18, 2018 / 2:55 AM / a month ago

明豊ファシリ Research Memo(6):CM事業を中心に2019年3月期も堅実な成長を目指していく方針


*15:36JST 明豊ファシリ Research Memo(6):CM事業を中心に2019年3月期も堅実な成長を目指していく方針
■今後の見通し

1. 2019年3月期の業績見通し
明豊ファシリティワークス1717の2019年3月期の業績は、売上高が前期比18.3%減の4,960百万円、営業利益が同2.3%増の620百万円、経常利益が同1.5%増の620百万円、当期純利益が同0.1%増の432百万円となる見通し。建設業界において、発注者のニーズが多様化、複雑化する一方で、工期短縮や建設プロセスの透明性を求めるコンプライアンスを重視する社会的なニーズの高まりなどを受け、公共、民間問わず受注は引き続き拡大していくものと予想される。

売上高で減収を見込んでいるのは、前期と同様に既に契約形態が決まっている案件を除いて、ピュアCM契約をベースに計画を策定しているためだ。このため、アットリスクCM契約を選択する顧客が今後増えれば、売上高の増額要因となる。社内で管理する売上粗利益ベースでは前期比で1ケタ台の増収を見込んでいる。事業セグメント別では、オフィス事業やCREM事業については前期並みの水準となり、CM事業がけん引していく見通しだ。費用面では引き続き人員体制の強化を図るため人件費増や、オフィス増床に伴う賃借料の増加などを見込んでいる。直近の社員数は240名弱となっており、年間10名前後のペースで増員していく計画に変わりない。引き続きサービス品質の維持向上を最優先に、堅実な収益拡大を目指していく。なお、当期純利益については所得拡大促進税制の適用を前提としていないため、伸び率は微増にとどまる見通しとなっている。

国交省では地方自治体のCM普及を促進するため、従来の多様な入札契約方式の導入・活用支援だけでなく、発注方式の見直しや施工時期等の平準化など入札契約制度全般に対象を拡大し、「入札契約改善推進事業」として2018年度は募集を行っている(2018年4月19日~5月25日)。支援事業者についても同年7月下旬をめどに選定する予定で、2019年3月期も公共分野での受注獲得が期待される。入札は上期に実施されることが多いが、2018年も5月に千葉市の「学校教育審議会環境整備(空調設備)基礎資料調査業務」、東京都墨田区の「新保健施設等複合施設の整備にかかる要求水準書作成等発注者支援業務」の2件の受注を獲得している。


CMの普及が公共、民間分野で広がり、業績は2020年以降も安定成長が続く見通し
2. 中期見通し
同社は今後も、「顧客の側に立つプロフェッショナル」として「フェアネス」と「透明性」を貫き、サービス品質の維持向上を最優先に取り組みながら、安定した収益成長を続けていくことを目指している。同社がCM事業者の先駆者として、独立系でありながら多くの大企業を顧客として獲得し、また、公共分野でも受注を得るまでに成長してきた背景には、こうした経営理念を社員一人ひとりが実践してきた積み重ねであると言える。

2018年に入ってリニア中央新幹線の建設工事に関する入札談合事件が表面化するなど、建設業界のなかではいまだ入札等に関しての「透明性」が十分に保たれているとは言えない状況にある。こうしたなか、企業のコンプライアンス意識の高まりや、国交省による普及促進への取組み※などが契機となり、CM業務に対するニーズは高まっていくものと予想される。

※2018年2月22日付の日刊建設工業新聞の報道によると、国交省において2018年度にCM方式の普及拡大を図るための制度化に向けた検討を始め、発注者が利用しやすい仕組みの創設を目指していくとされている。具体的にはCMr.(コンストラクションマネージャー)の資格・実務要件や関係者間の役割分担を整理していくほか、業務報酬の基本的な考え方、CM契約標準約款なども論点としていく。


国内の建設投資は東京オリンピック・パラリンピックまで高水準が続き、その後に減少局面に入るとの見方も出ているが、CM業界だけで見れば普及率がまだ1〜2割程度と低く、今後は公共分野を含めて普及率の上昇が見込まれることから、2020年以降も成長が続くものと予想される。市場拡大が続くなかで、新規参入事業者の増加により競争が激化するリスクはあるものの、CM業務にとって最も重要となる「サービス品質」や「顧客からの信頼」は一朝一夕で構築できるものではなく、今後もサービス品質の維持向上が続く限り、同社の優位性は揺るがないものと弊社では見ている。

なお、同社の業績推移を見ると、売上高は2014年3月期をピークに下降曲線を辿っており、業績が伸びていないように見られがちだが、これはCMの契約方式が変化してきたことによるもので(アットリスクCM契約の比率が低下)、実際には4期連続で過去最高経常利益を更新するなど着実に成長を続けている。

こうした売上高の契約方式の違いについては、有価証券報告書で完成工事高、マネジメントサービス料収入、その他売上高に分けて記載されており、その推移を見ると解かりやすい。完成工事高がアットリスクCM契約、マネジメントサービス料収入がピュアCM契約に相当する。全体の売上に占める完成工事高の比率は2014年3月期の73.4%から2017年3月期は44.2%に低下しており、これが売上高の減収要因となっていることがわかる。全体に占める比率はまだ40%以上と高いため、今後もアットリスクCM契約の案件が減少することで、見かけ上の売上高が減収となる可能性はある。

ただ、売上総利益で見ると様相は一変する。完成工事高総利益の構成比は、2014年3月期の40.5%から2017年3月期は8.8%まで低下しており、全体に与える影響は既に軽微となっている。今後、アットリスクCM契約の案件が減ったとしても、ピュアCM契約の案件が増え続ける限り全体の利益は拡大し、また、利益率も上昇していくことになる。2017年3月期の売上高営業利益率は10.9%であったが、売上高が全てピュアCM契約であったとするならば、営業利益率は18%前後の水準だったと試算される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《MH》

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