July 18, 2018 / 10:11 AM / 3 months ago

エネクス Research Memo(3):LPガス事業について大阪ガスとの間で大型再編を実施し、最終利益では前期比増益


*19:05JST エネクス Research Memo(3):LPガス事業について大阪ガスとの間で大型再編を実施し、最終利益では前期比増益
■伊藤忠エネクス8133の事業部門別動向

1. ホームライフ部門
ホームライフ部門の2018年3月期は、売上高104,941百万円(前期比15.6%増)、売上収益93,592百万円(同8.2%増)、営業活動に係る利益3,278百万円(同32.1%減)、当社株主に帰属する当期純利益3,958百万円(同40.2%増)と、増収増益で着地した。

2018年3月期におけるホームライフ部門での大きなイベントとして、大阪ガスとのLPガス事業の再編が挙げられる。関東・関西・中部の3地域については、両社は共同出資で(株)エネアークを設立し、2017年10月1日からエネアークに両社の販売子会社を移管した。また、それ以外の地域については、同社が大阪ガスグループの販売会社3社(北海道と四国2県)の全株式を取得し傘下に収めた。

この事業再編の結果、関東・関西・中部の3地域におけるLPガス事業の収益はエネアークに移って連結から外れ、同社決算には持分法投資損益として取り込まれることになった。一方、北海道と四国2県の販社を子会社化したことにより、同社の直販のLPガス顧客軒数は、再編直前(17年9月末)の約344,000件から2018年3月末には約546,000軒に増加した。

なお、今回の事業再編に際しては、本来的な事業収益以外にも、一時的な損失や利益が発生している。大まかに言えば、第2四半期決算において損失が先に発生し、持分法損失としてPL(連結損益計算書)に表れた。その後第3四半期において関東・関西・中部の3販社の支配喪失の対価を事業再編等利益として計上した。これにより当社株主に帰属する当期純利益段階では、営業活動にかかる利益段階での前期比減益から一転し、前期比40.2%(1,135百万円)の増益となった。なお、その他の販管費や法人税の影響なども含めた損益影響額は最終的に1,101百万円となった。

LPガス事業の事業環境自体は全般に好調に推移した。販売数量については前述のように、前期比3.7%増となった。価格については、LPガス事業の損益に大きな影響を及ぼすCP(コントラクトプライス)が、期を通じて上昇基調をたどり、LPガスの販売価格を押し上げる方向に働いた。ただし、年度末にかけてはCPの調整が進み、最終的に2018年3月は480米ドル/トンと、1年前と同価格で着地した。この結果、同社が抱えるLPガス在庫にかかる利益影響額は、ごく限定的なものにとどまったとみられる。

ホームライフ部門では電力・ユーティリティ部門の販売会社として、LPガスと電気のセット販売を推進している。2018年3月期は期中に契約数を12,000軒積み増し、期末の契約顧客軒数は54,000軒に達した。ホームライフ部門における電気販売事業としては、2018年3月期の期中に黒字転換を果たしており、今後も顧客軒数の着実な増大に努める方針だ。

海外事業については、インドネシアでの産業ガス販売事業は、日系企業中心に顧客数を伸ばした。フィリピンにおけるLPガス販売事業は、同国内の消費が堅調に推移しており、収益が拡大した。


電力販売量、熱販売量とも順調に拡大。前期の設備売却益の反動減の影響が大きく減益で着地も、実態面は着実に進捗
2. 電力・ユーティリティ部門
電力・ユーティリティ部門の2018年3月期は、売上高78,560百万円(前期比19.7%増)、売上収益74,541百万円(同18.6%増)、営業活動に係る利益4,626百万円(同30.3%減)、当社株主に帰属する当期純利益2,210百万円(同35.1%減)と増収減益で着地した。

電力事業は前期に比べて増収減益となったと弊社ではみている。発電分野においては2017年10月に新設火力発電所の仙台パワーステーションが稼働を開始した。販売面では、バランシンググループ(BG)のメンバー拡大((株)ベイ・コミュニケーションズ、宮崎ケーブルテレビ(株))や電力小売りの代理店方式による販売を統括する(株)エネクスライフサービスの設立といった販売力強化を実施した。これらの結果、電力販売量は前期比36.2%増の4,432GWhと大きく伸長した。この電力販売量の増加により、電力事業の売上高は前期比増収になったと弊社では推測している。

一方利益面では、販売量増加による増益効果の一方で、減益要因として、1)石炭価格高止まりによるコスト上昇(発電分野)、2)厳冬による卸売電力市場の価格上昇(販売分野)、3)小売分野の特に高圧・大型顧客向けでの競争激化(販売分野)、及び4)風力発電設備売却に伴う売却益の反動減(発電分野)の4つの特筆すべき動きがあった。最終的に、4)の設備売却益の反動減の影響が増益要因で吸収しきれずに残る形となり、電力事業は前期比減益になったと推測される。

熱供給事業は、期初の2017年4月に大型商業施設「GINZA SIX」が開業し、そこに対する熱供給を開始したことで、熱供給事業の売上高は前期比増収となったとみられる。しかし利益面では、GINZA SIX向けの能力増強投資とその他の設備の更新投資に伴う償却負担の増加で利益が圧迫され、前期比では減益になったとみられる。

2018年3月期の進捗としては、前述の発電分野での仙台パワーステーション稼働や電力販売におけるバランシングメンバーの拡大・代理店販売機能の新設に加えて、熱供給分野での(株)リライアンスエナジー沖縄の設立(2017年12月)が挙げられる。これは同社グループと沖縄電力9511、大阪ガスの3社によるジョイントベンチャーで、同社グループからは子会社のTTS(東京都市サービス(株))が33.4%を出資している(マジョリティは51.6%を出資する沖縄電力が握る)。事業内容はエネルギーサービスプロバイダ(ESP)事業で、エネルギー設備の設計から運転までを一貫して担い、エネルギー利用の最適なソリューションを提案している。2018年3月期は利益面では前期比大幅減益となったものの、同セグメントの成長戦略は実体的に着実に進捗しつつあると言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)


《MH》

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