January 23, 2019 / 6:28 AM / 6 months ago

エニグモ Research Memo(3):2019年1月期第3四半期(累計)は大幅増収増益。通期も進捗順調


*15:23JST エニグモ Research Memo(3):2019年1月期第3四半期(累計)は大幅増収増益。通期も進捗順調
■エニグモ3665の決算概要

1. 2019年1月期第3四半期(累計)決算の概要
2019年1月期第3四半期(累計)の業績は、総取扱高が前年同期比21.5%増の30,302百万円と順調に拡大した。また、損益の状況についても、2019年1月期より単独決算へと移行※したことから前年同期(連結決算)との単純な比較はできないが、売上高は前年同期(連結)比15.9%増の3,549百万円、営業利益は同48.3%増の1,479百万円、経常利益は同50.8%増の1,479百万円、四半期純利益は同363.8%増の1,025百万円と好調に推移し、通期計画に対しても順調に進捗(特に利益面)している。

※前述のとおり、子会社(ロケットベンチャー)の全株式を譲渡したことに伴い、2019年1月期から単独決算に移行した。なお、ロケットベンチャーによる前年同期の業績寄与は、売上高が169百万円、営業損失が84百万円であったことから、その分を考慮に入れた実質的な業績の伸びは、売上高が前年同期比22.7%増、営業利益が同36.8%増となる。


主力の「BUYMA」において、会員数及びアクティブ会員数の伸びが業績の底上げに寄与した。会員数は578万人超(前年同期比23.7%増)、アクティブ会員数も106万人超(同13.0%増)に拡大。また、ARPU(1人当たりの年間購入金額)※1についても、「1人当たりの平均購入件数」及び「1件当たりの平均単価」がともに伸びており、2017年10月により開始した新マーケティングミックスの継続実施※2や各種施策※3の複合的な効果によって、バランスの良い業績の伸びを実現していると言える。

※1 総取扱高は「アクティブ会員数」× 「ARPU(1人当たりの年間購入金額)」で構成される。さらに、ARPU は「1人当たりの平均購入件数」×「1件当たりの平均単価」に分解できるが、それらすべての項目が伸びたことが、総取扱高の拡大につながった。
※2 マスキャンペーン(TVCM)の実施(認知度向上、会員数の拡大)→刈取り広告の展開(アクティブ率の向上)→取扱件数向上施策(1人当たりの平均購入件数の向上)を比較的低予算かつショートスパンで繰り返しながら、業績の波をつくらずに持続的な成長に結び付けるマーケティング施策である。
※3 新規決済手段の拡充(楽天ペイ、dケータイ払いプラス、auかんたん決済、paidy、Amazon Pay等)のほか、出品機能向上(出品作業の効率化等)やアプリリニューアルなど、機能向上施策にも取り組んでいる。


特に、足元ではスマートフォン経由での新規会員獲得が好調に推移している上、会員のアクティブ化及びコンバージョン向上のための施策※1が奏功しているようだ。特筆すべきは、パーソナルショパー(出品者)との蜜な連携により豊富な品ぞろえを実現したことにより、レディースアイテム以外の各カテゴリ※2でも成長を加速しているところである。海外事業「GLOBAL BUYMA」においても、まだ小規模ながら、香港・米国を中心に好調(特に米国が伸びている)のようだ。また、活動面についても、今後の成長加速に向けて、新サービスの開始※3や新規事業「BUYMA TRAVEL」の立ち上げなどで大きな成果の残すことができた。

※1 ターゲット別のセールへの取り組み、オウンドメディアによる購買意欲の喚起、SNSを活用したアプリ訴求など。
※2 メンズカテゴリを始めとして、ベビーキッズ、ビューティ、ライフスタイル等。
※3 2018年7月25日に下取り即時割引サービス「ソク割」を開始した。本サービスは、ユーザーが「BUYMA」にて過去に購入した商品データをもとに、当該商品の下取り額を自動で算出し、その下取り額分を商品購入時に即時に割引することができるものである。「BUYMA」において新たな商品購入を促進する効果が期待できるとともに、「ALL-IN」(リセール事業)への申し込み件数の拡大(ひいては「BUYMA」ポイントの使用拡大)にもつながるものと考えられる。


利益面では、新マーケティングミックスの継続実施にかかる費用や、海外事業及び新サービスへの投資など、先行費用の増加があったものの、増収効果や不採算であった「メディア事業」からの撤退により大幅な増益を実現。営業利益率も41.7%(前年同期は32.6%)に大きく改善している。

財政状態については、「現金及び預金」の増加等により総資産が前期末比31.2%増の6,151百万円に拡大。一方、自己資本も内部留保の積み増しにより同25.9%増の5,003百万円に拡大したことから、自己資本比率は81.3%(前期末は84.8%)と高い水準で推移している。潤沢な手元資金や強固な財務基盤は成長に向けた原動力であると同時に、その有効活用は今後の課題として認識する必要がある。

2. 四半期業績の推移
2019年1月期第3四半期(8月1日−10月31日)だけの業績を見ても、売上高は1,259百万円(前年同期比25.4%増、前四半期比9.8%増)、営業利益は540百万円(前年同期比71.7%増、前四半期比17.8%増)と、前年同期(連結)比及び前四半期比ともに大きく伸びており、順調に拡大基調にあることが確認できた。したがって、新マーケティングミックスの継続実施が順調に機能していることに加え、デバイスの変化(アプリシェアの拡大)※1や会員属性の多様化(メンズや高年齢者層など)※2といった構造的な変化も、同社の成長性を引き上げる要因になっているところは評価すべきポイントと言える。

※1 手軽に閲覧や注文ができるスマートフォン(アプリシェア)の拡大が、「1人当たりの平均購入件数」の伸びに貢献するとともに、高年齢層のアプリ利用の浸透により「1件当たりの平均単価」の増加にもつながっているようだ。
※2 前述したアプリ利用の浸透のほか、ターゲット別のMDの強化(ラインアップの拡充)により、従来のF1層(20~30歳代女性)中心から会員属性が大きく変化していることも「1件当たりの平均単価」の増加に貢献している。


また、次世代の収益ドライバーの育成についても順調に進んでいる。特に、「GLOBAL BUYMA」については、まだ小規模ながら米国を中心に大きく伸びてきた。また、「ALL-IN」で展開しているリセール事業についても、新サービス「ソク割り」により、申し込み件数が着実に伸びているもようである。さらには、2018年7月31日にリリースした「BUYMA TRAVEL」については、来期(2020年1月期)からの本格スタートに向けて、まずは「BUYMA」上で「ハワイ特集」を開始※したほか、スタッフの増強や個別サイトの構築など、事業基盤の整備を進めている。

※2018年11月21日からハワイエリアにおいて、クラフトビール巡りやドローン撮影など、ほかにはないオリジナル体験商品の特集を開始。まだ、試行版な位置付けではあるものの、評判は上々であり、確かな手応えをつかんでいるようだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


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