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日本株

シャノン Research Memo(4):中規模向け営業体制の強化で、サブスクリプション売上が前期比12%増


*15:24JST シャノン Research Memo(4):中規模向け営業体制の強化で、サブスクリプション売上が前期比12%増
■業績動向

1. 2018年10月期の業績概要
シャノン
3976の2018年10月期の連結業績は、売上高で前期比13.6%増の1,803百万円、営業損失で31百万円(前期は48百万円の損失)、経常損失で30百万円(同62百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失で31百万円(同326百万円の損失)となり、2期連続で損失計上となった。また、会社計画に対しても、主にMAサービスの大規模案件の納品が翌期にずれ込んだ影響等により、売上高、利益ともに下回った。

売上高はMAサービス部門のうちサブスクリプション売上が前期比12.6%増となったほか、EMサービス部門もイベントプロデュース関連の売上が拡大したことで同32.0%増と伸長したことが増収要因となった。売上総利益率は前期に減損損失240百万円を計上したことで減価償却費が30百万円減少したことを主因に前期比0.8ポイント上昇し、売上総利益は同15.3%増益となった。

経常損失は前期比31.9百万円縮小したが、その増減要因を見ると、業容拡大に向けた人材採用の強化による人件費の増加で90.3百万円、中規模向け営業組織に対する教育訓練費の増加で7.1百万円、採用活動遅延の穴埋めを目的とした外注費の増加で9.1百万円の減益要因となった一方で、増収に伴う売上総利益の増加で113.2百万円、株式上場関連費用の減少で8.7百万円、その他経費の減少で16.6百万円の増益要因となった。また、前期に計上した減損損失240百万円がなくなったことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は前期比で294.7百万円縮小した。部門別の売上概況は以下のとおり。

(1) MAサービス
MAサービスの売上高は前期比5.7%増の1,172百万円と増収基調が続いた。このうち、プロフェショナル売上は複数の大規模案件で納品が翌期にずれ込んだ影響もあり、前期比3.1%減の464百万円(計画比24.8%減)にとどまった。一方、サブスクリプション売上(月額定額+従量課金)については、採用活動が遅れた影響もあって期初計画には未達となったものの、前期から取り組み始めた中規模案件専門の営業組織体制の強化により新規契約アカウント件数が増加したこと、また、機能の拡充により平均契約単価も上昇したこと等により、同12.6%増の708百万円(計画比8.9%減)となった。

サブスクリプション契約の新規獲得件数は前期比23件増の95件、平均新規獲得契約単価は同33%超と上昇し、新獲得契約分のサブスクリプション売上だけで見ると同76.2%増と大幅増収となった。中規模案件専門の営業組織を強化し新規顧客の開拓に取り組んできた効果が顕在化してきた。また、当期よりサービスの利用規約を改訂し、課金開始時期を早期化したことも増収要因となっている。従来は、システムを導入し実際に稼働した月から課金を開始していたが、導入開始時から課金する業界の標準的と思われる課金方式に変更したことで、従来よりも1ヶ月超の早期化を実現した。同社では新規顧客の獲得によるサブスクリプション売上の積み上げによって収益を拡大していく戦略を打ち出していたが、ようやくその戦略が軌道に乗り始めてきたと言える。なお、新規獲得した顧客のうち2割程度は競合他社からのリプレースによるものと見られる。主に、機能面やサポート面での満足感が得られず、同社製品に乗り換えた案件が多かったようだ。

2018年10月期末の契約アカウント数は前期末比38件増の375件となっており、解約件数についても前期比21件増の57件となった。ただ、解約した顧客の大半は平均月額課金の低い顧客が大半を占めたため、売上げへの影響は軽微だった。

当期のMAサービス部門の取り組み施策として、中規模向けの新規受注獲得の強化、2017年11月より立ち上げたパートナーセールス専門部署の本格稼働、中途採用課題対応の3つを挙げていたが、このうち、中規模向けの新規受注獲得強化については、契約アカウント数が若干未達に終わったものの、定性的な部分ではおおむね当初の計画どおりの成果が得られたものと考えられる。また、パートナーセールス専門部署の本格稼働についても予定どおり立ち上がっており、セールスパートナー経由の受注案件もまだ数は少ないものの着実に増加してきている。中途採用の課題対応として、新卒の採用を3年前から強化したが、こちらも研修力の向上により戦力化までのスピードが向上している。

(2) EMサービス
EMサービスの売上高は前期比32.0%増の630百万円(計画比16.9%増)と会社計画を上回る増収となった。このうち主力のイベントサービス(システム支援、会期当日支援)については、リピート案件を中心に前期比11.8%増の482百万円と2ケタ増収となった。また、2017年10月期下期から開始したイベントプロデュース関連の売上も前期の47百万円から149百万円に増加した。


収益拡大が見込まれる2020年10月期以降、財務体質も改善方向に
2. 財務状況と経営指標
2018年10月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比15百万円増加の1,041百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現預金が49百万円減少し、固定資産では「シャノンマーケティングプラットフォーム」の機能強化に伴いソフトウェア及びソフトウェア仮勘定が62百万円増加した。

負債合計は前期末比42百万円増加の711百万円となった。主に、社債の発行等により有利子負債が57百万円増加した。また、純資産は前期末比26百万円減少の330百万円となった。親会社株主に帰属する当期純損失の計上で利益剰余金が31百万円減少したことによる。

経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率が前期末比3.1ポイント低下の31.7%となったほか、有利子負債比率は同26.6ポイント上昇の141.9%となるなど財務体質はやや悪化した格好となっている。当期末の現預金は184百万円と当面の運転資金は確保しているものの、開発投資資金等も含めた経営の余裕度を持たせるため、2019年10月期も有利子負債を若干増やす予定となっている。また、キャッシュ効率の改善に向けた取り組みとして、前期は利用規約を改訂し、MAサービスの月額課金の開始時期を見直したが、今後もグローバルスタンダードである年間一括前払い制の導入なども検討しているようである。2020年10月期以降、業績が軌道に乗って黒字体質が定着すれば、資金繰りにも余裕が生じ財務体質も改善に向かうと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《HN》

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