January 25, 2019 / 6:31 AM / a month ago

フェローテク Research Memo(7):主要製品の増産に向けて積極的な設備投資を行う計画


*15:27JST フェローテク Research Memo(7):主要製品の増産に向けて積極的な設備投資を行う計画
■中長期の成長戦略

1. 中期目標達成に向けての施策
フェローテックホールディングス6890では、今後の中期的成長を達成するために、旺盛な需要のある分野に対して集中的に設備投資を行う計画だ。主な重点分野は、以下の3つである。

(1) 半導体等装置関連事業への経営資源投入:8インチウェーハ、マテリアル品、洗浄事業。
(2) 自動車産業(EV車)へ応用製品投入:温調シート以外のアプリケーション。
(3) 電子デバイス事業の成長展開:通信、医療、家電各分野の強化。

さらにESGへの取り組み、働き方改革など非財務分野での改革も進める計画だ。

2. 半導体等装置関連事業の主な投資計画
半導体製造工程(前工程)のほとんどで同社製品(引上げ装置、受託加工、石英製品、セラミックス、CVD-SiC、装置洗浄、真空シール、シリコンパーツ)が使用されている。さらに世界の半導体製造装置市場は、今後も拡大が予想されていることから、同社でもこの分野へ経営資源を投入して拡大を図る計画だ。

(1) 石英:ライン増設による生産能力増強
米国・国内大手ユーザーからの需要が増加していることから設備の増強を図る。中国江蘇省、及び浙江省の工場が2018年10月に既に竣工済み、2020年3月期から本格的に売上寄与の予定である。

(2) セラミックス:国内外で生産能力を拡大
国内では2018年1月から石川開発センターが稼動を開始、今後は兵庫の関西工場も一本化して開発能力を強化する。海外では米国・国内大手からの需要が高まっていることから、中国杭州の江東(ジャンドン)工場に2号棟を新設する。2019年1月頃に竣工し、2020年3月期から売上寄与の予定である。

(3) 装置受託加工事業
半導体製造装置等のOEM生産体制を構築する。得意分野での受託生産を強化する。

(4) 8インチウェーハ:中国での結晶(インゴット)、ウェーハ工場の量産体制を強化
現在、中国のウェーハ生産(月産、以下同)は6インチは40万枚体制が整った。また8インチについては、現在は上海に10万枚の設備を有しているが、環境問題に関連して2017年12月から中国政府の要請により生産がストップしていたが、2018年7月から生産が再開した。今後、少しずつだが生産量を上げる予定である。さらに建設中の杭州での増産設備(35万枚)が2019年2〜3月頃には竣工予定で、その後設備機械の搬入、テスト生産などを経て2019年末までには量産を開始する計画だ。この結果、最終的には2020年中には、銀川インゴット(6インチと8インチ)に加えて上海6インチ40万枚、上海8インチ10万枚、杭州8インチ35万枚、合計85万枚体制が整う。

(5) 洗浄ビジネス
現在、同社が中国で約60%のシェアを誇る半導体製造装置の部品・部材の洗浄ビジネスを強化する。半導体の微細化・3D化等に伴い、主要顧客からの要望が増加しているためで、中国の安徽省に5ヶ所目の洗浄工場を新設予定。この工場は、2018年末から稼動を開始、2020年3月期から本格的に売上寄与する見込み。

以上のような設備投資計画から、今後数年間で同社の主要工場は以下のようになる。

3. 自動車分野の強化
同社では、自動車のEV化が進むにつれて各種の次世代技術が自動車に集約され、車載半導体の需要は増加すると予想している。さらにサーモモジュール、磁性流体、パワー半導体等の多くの同社製品が自動車に搭載されると考えており、中長期の戦略として自動車向け事業を強化する。その第1弾として、社内に「自動車Project」を発足させ、2018年1月から活動を開始している。

4. 電子デバイス事業
サーモモジュールの対応領域を通信、医療などの分野へ拡大する。さらに発電モジュールの開発にも注力する。また2030年まで30%の成長(4兆円市場)が期待される産業用パワー半導体市場の取り込みに注力する。顧客からも強い要望があり、パワー半導体基板工場を中国江蘇省に新設する。

以上のように2019年3月期から2020年3月期にかけて様々な増設や工場建設を行う計画だが、この間のロードマップは以下のようになっている。

5. 設備投資計画
当初、2019年3月期の設備投資は40,000百万円が計画されていた。内訳は、8インチウェーハ関連が24,000百万円、石英に8,000百万円、パワー半導体に3,000百万円、洗浄工場に4,000百万円、残り1,000百万円がその他となっていたが、環境の変化もあり一部の投資が後ずれしている。そのため、2019年3月期の設備投資は30,000百万円程度になる見込みだ。

一方で必要資金は、借入れ等で25,000百万円、リースで10,000百万円、中国での補助金等で5,000百万円で賄う計画だ。

売上高90,000百万円規模の同社が、40,000百万円規模の設備投資を行うことはかなり冒険であるとも言えるが、半導体及び同製造装置業界の伸びは現在は一服しているが、中長期的には今後も成長が続くことが予想され、同社としてはその波に乗り遅れることなく、ここ数年で一気に成長を図る計画で、今後の同社の動向からは目が離せないだろう。

6. 太陽電池事業の今後について
同社は、2020年3月期中に不振を極めている太陽電池事業から撤退すると宣言しており、これに伴う処理や発生する費用(損失)について、以下のように述べている。

「まずは非稼動設備をどのように処理するかを検討する。また採算の悪化している継続事業に対して、減損会計をどのように行うかがポイントになる。太陽電池事業における設備の簿価は約6,000~6,200百万円だが、このうち会計処理が必要となる可能性がある金額は現時点で2,400~3,200百万円と想定している。今後の市場動向を見極め、処理金額の見積もりに関して、適正な会計処理方法を検討する予定でいる。内容が固まり次第、開示していく予定だ。また即時に撤退しない理由としては、既存設備の売却交渉等に時間を要するためだ。さらに、この事業撤退においては、様々な関係者(ステークホルダー)と協議する必要があるため、撤退の時期が変更になる場合もある。」

7. 非財務面での体質改善
また同社では、以上のような財務的な成長だけでなく、定性的(非財務的)な活動であるESGや働き方改革なども積極的に進めている。以下のような具体的な活動を行っている。

(1) 「奨学金制度」
米国アナハイム大学、中国浙江大学への奨学金制度を実施。グローバルに若い人材を支援する社会貢献に取り組んでいる。

(2) 「地域社会貢献」
子会社アサヒ製作所 湘南工場周辺で清掃や自治会との交流を実施。地域住民との交流、環境改善に貢献している。

(3) 「人材育成」
毎月グループ若手社員と経営トップとの語らいを実施、経営理念の継承、長期的な人材育成を行っている。


■株主還元策

当面は積極的な設備投資優先
同社は株主還元策として配当を実施している。2019年3月期の年間配当は24円が予想されており、配当性向は16.8%にとどまるが、前述のように今後数年間は高水準の設備投資が続くため、内部留保(設備投資)を優先するものと思われる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


《RF》

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