July 9, 2019 / 6:30 AM / in 14 days

Jオイル Research Memo(7):価格改定や高付加価値化で2ケタ増益予想


*15:27JST Jオイル Research Memo(7):価格改定や高付加価値化で2ケタ増益予想
■業績動向

2. 2020年3月期業績見通し
2020年3月期業績見通しについて、J-オイルミルズ2613は売上高190,000百万円(前期比1.7%増)、営業利益6,500百万円(同14.8%増)、経常利益6,900百万円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,400百万円(同13.7%増)を見込んでいる。引き続き第五期中期経営計画の基本方針における成長戦略と構造改革を推進する方針である。売上高や売上総利益率の面で、物流などインフラコストや油脂コストの上昇に併せた価格改定と高付加価値品の一層の拡大と、油脂加工品事業及び食品・ファイン事業の収益力向上を目指す。中期を見据えた高付加価値品や海外事業などへの積極投資、コストダウンなど継続的な構造改革を推進する方針である。2020年3月期においては具体的に、高付加価値品の販売強化、物流費やエネルギー費の増加及び油脂コストの上昇に対し販売価格の改定実施による汎用品の収益力強化、構造改革としてバリューチェーン全体の効率化・高度化並びに生産拠点最適化の推進、広告費の効率化などでカバーし、2ケタの営業増益を達成する計画になっている。

2020年3月期の各事業の重点施策は、油脂事業が高付加価値品の拡大、汎用品の収益力強化、構造改革、油脂加工品事業が製菓・製パン領域の強化、家庭用チルド付加価値品の拡充、粉末油脂の拡大、海外展開の検討、食品・ファイン事業がソリューション提案力の強化、SOYシートの拡大、ケミカルの強化——で、高付加価値品、ソリューション、海外展開、構造改革といった同社の基本方針(成長戦略と構造改革)に沿って展開する計画である。

(1) 成長戦略の高付加価値品を拡大
家庭用のオリーブオイル、業務用の「長調得徳®」、「J-OILPRO」など高付加価値品に関して、2019年3月期に実施したプロモーションの刈り取り期になる2020年3月期は、更なる売上・利益の獲得強化を図っている。オリーブオイルについては、健康志向や各社のマーケティング戦略により市場が拡大するなか、2019年2月にTVCMを投入したことで3月の世帯購入者数が前年同月比17%伸び、その後も効果が継続しているもようである。また、人気の同社ツイッター「#ちょい塩オリーブ」での顧客との相互コミュニケーションによって、スナップえんどうやアボガドなどへと用途も広げている。「少し値は張るが使ってみると高機能で経済的」と評判の「長調得徳®」や「J-OILPRO」シリーズは、様々な中食・外食企業や食品メーカーで新規の採用が続き、勢いが継続している。このため同社は、2020年3月期の高付加価値品の売上・利益について、一層高い伸びを見込んでいる。

(2) 展開加速のソリューション事業
ソリューション事業は展開のバリエーションが幅広くなり、売上・利益とも順調に伸長している。「長調得徳®」、「J-OILPRO」シリーズも商品自体ソリューションだが、同社はさらに突っ込んだソリューション提案と課題解決へ向けたPDCAを実行している。フライヤー周りのトータルソリューションの実現やクラウドを活用した新たな営業活動などによって、2019年3月期の高付加価値スターチの提案数が2017年3月期比で3.8倍になるなど、機能性の油脂やスターチ拡販に結びついた動きとなっている。そのような中、水も油も吸ってやわらかさやジューシーさを実現する「ネオトラスト」がハンバーグ弁当に、保水効果の高いスターチ「ハイトラスト」とコク味を向上させる油脂「美味得特」を合わせたロングライフ技術がからあげ弁当に採用されるなど、既存定番品への採用も多くなってきた。中食・外食企業や食品メーカーのソリューションに、独自の技術による機能性商品の利用は今後とも伸びそうである。

(3) アジアでの海外展開加速
アセアンでは、今後中間層の拡大による食の外部化や多様化、高品質化といった市場環境の変化が予想されており、これまで同社が日本で培ってきた強みやノウハウを生かすことのできる市場へと進化する可能が高いと予測されている。そこで同社は、油脂やスターチを使ったトータルソリューションにより、経営資源を集中するタイを中心にアセアン域内で、「おいしさ創造」の実現を目指している。畜肉関連商品の食感改良や冷凍食品のおいしさ・風味向上など、ソリューションの取組事例は既に多いが、2030年へ向けて投資による事業拡大も検討する考えである。さらにその先は、アセアンのみならずアジア全域での成長も視野に入ってくるだろう。

(4) 継続する構造改革
これまでの構造改革では、味の素とのコラボレーションによるバリューチェーンの効率化・高度化や、遊休資産の売却・新工場竣工などによる生産性向上、油脂加工品事業及び食品・ファイン事業の収益性改善、不採算事業・エリアの撤退、SKUの削減など、各事業や品目ごとに選択と集中による効率化を図ってきた。2030年度へ向けては、全社視点での業務の最適化、全社資産効率改善による生産性上昇、成長領域への投資集中などにより、外部環境の変動に左右されにくい事業構造構築に向けて、全社を俯瞰した構造改革をさらに進めていく考えである。

(5) 経営基盤の強化
経営基盤を盤石なものにするには、すべてのステークホルダーへの貢献を実現できる内部体制を確立する必要がある。これまでもESG、ガバナンス、財務戦略を強化してきたが、2020年3月期以降も社外の意見の有効利用や委員会・取締役会の実効性向上、基幹システム再構築など数多くのテーマに取り組んでいく方針である。こうした「経営基盤の強化」に加え、「あぶらと食の多様な価値を創造」「社会と地球への貢献」「個性を高め合い成長し合う組織づくり」の4つをマテリアリティ※に定め、コーポレートガバナンスや人財育成の面で進化を継続し、同社の成長とステークホルダーへの貢献を継続していく考えである。

※マテリアリティ:企業として重要と認識している課題。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



《YM》

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