July 10, 2019 / 6:21 AM / 7 days ago

明豊ファシリ Research Memo(6):2020年3月期業績はサービス品質の維持向上を優先


*15:16JST 明豊ファシリ Research Memo(6):2020年3月期業績はサービス品質の維持向上を優先
■今後の見通し

1. 2020年3月期の業績見通し
明豊ファシリティワークス1717の2020年3月期の業績は、売上高が前期比23.6%減の4,280百万円、営業利益が同2.0%増の790百万円、経常利益が同1.2%増の790百万円、当期純利益が同2.4%減の548百万円となる見通し。売上高で減収を見込んでいるのは、前期と同様に既に契約形態が決まっている案件を除いて、ピュアCM契約をベースに計画を策定しているためだ。特に、今期は大阪府立大学の学舎整備プロジェクト(2019年3月期で約11億円)がなくなることが、減収要因の大半を占めることになる。

また、前期は夏以降に想定を上回る受注を獲得することができたが、今期は米中貿易摩擦による景気の先行き不透明感が強まっていることも考慮し、社内で管理する売上粗利益ベースでも前期比1〜2%の増収計画に抑えた格好となっている。当期純利益が減益となるのは、法人税の所得拡大促進税制に基づく特別控除の適用を想定していないためだが、賃金アップや設備投資額等の適用要件を満たせば、今期も特別控除を受けられる可能性はある。人員については今期も10名弱程度の増員を計画しているが、引き続き優秀な人材であれば積極的に採用を進めていく方針となっている。

なお、上期が減益見通しとなっているが、これは前上期の好採算案件が寄与するなどで利益水準が例年よりも高かった反動によるもの。2015年3月期から2018年3月期までの4年間における経常利益の上期/通期の平均進捗率は27.8%であり、2019年3月期はこれが37.0%であった。今期は31.5%の水準となる。

部門別では、オフィス事業は引き続き「働き方改革」をベースとしたオフィス構想・移転プロジェクトや新築ビルへの竣工同時入居プロジェクト等の引き合いが堅調に推移する見通し。CM事業では小中学校の空調設備導入支援事業が高水準で続くほか、地方自治体の庁舎や公共施設の立て替え、改修プロジェクトなどの受注を確実に取り込んでいく方針。また、CREM事業では今後の地方銀行の再編・統合と、所有不動産の収益化(本・支店等の賃貸化)に関する規制緩和が進む見通しのなかで、新たな事業機会の獲得につながるとみて準備を進めている。そのほか、老朽化が進む建物における電気・空調設備の更新需要も取り込んでいく方針だ。

なお、ここ数年の同社の業績推移を見ると、売上高は2014年3月期をピークに落ち込み、業績が伸びていないように見られがちだが、これはCMの契約方式が変化してきたことによるもので(アットリスクCM契約の比率が低下)、実際には2019年3月期まで5期連続で過去最高経常利益を更新するなど着実に成長を続けている。

こうした売上高の契約方式の違いについては、有価証券報告書で完成工事高、マネジメントサービス料収入、その他売上高に分けて記載されており、その推移を見ると解かりやすい。完成工事高がアットリスクCM契約、マネジメントサービス料収入がピュアCM契約に相当する。全体の売上に占める完成工事高の比率は2014年3月期の73.4%から2018年3月期は45.8%に低下、2019年3月期はまだ開示されていないものの30%程度まで低下したものと推計され、これが売上高の減収要因となっている。2020年3月期は大阪府立大学のプロジェクトがなくなることもあり、完成工事高はさらに減少する見込みだ。

ただ、売上総利益で見ると様相は一変する。完成工事高総利益の構成比は、2014年3月期の40.5%から2018年3月期は5.6%まで低下しており、全体に与える影響は既に軽微となっている。今後、アットリスクCM契約の案件が減ったとしても、ピュアCM契約の案件が増え続ける限り全体の利益は拡大し、また、利益率も上昇していくことになる。ちなみに、過去最高売上を記録した2014年3月期の経常利益率は4.7%であったが、ピュアCM契約が大半を占めることになる2020年3月期の経常利益率は18.5%となり見かけ上は収益性が大きく向上することになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



《YM》

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