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日本株

サン電子 Research Memo(1):上期業績は、一時的費用を除けば概ね計画どおり。DIへの積極投資により成長加速


*16:21JST サン電子 Research Memo(1):上期業績は、一時的費用を除けば概ね計画どおり。DIへの積極投資により成長加速
■要約

1. 会社概要
サン電子
6736は、情報通信関連事業とエンターテインメント関連事業を2本柱とするIT機器メーカーである。2007年に買収したイスラエルのCellebrite Mobile Synchronization Ltd.(以下、Cellebrite)が展開する携帯端末関連機器が、米国市場中心からグローバル展開へと大きく成長してきた。特に、世界中で需要が拡大している犯罪捜査機関(以下、DI※)向けが同社の成長をけん引している。一方、厳しい事業環境に置かれているエンターテインメント関連は減退傾向にあるものの、創業時から脈々と受け継がれるベンチャースピリッツと開発力を武器として、実証実験を含む導入事例が増えてきたM2MやAR関連(AR技術を生かした業務支援ソリューション)、O2Oソリューションなど、情報通信分野における新たな成長市場への参入により成長軌道に乗せる方針である。2019年6月には、Cellebriteが第三者割当増資により約122億円の資金調達を実施。成長分野であるDI事業において、確固たるリーディングポジションを確立するとともに、総合的なプラットフォーマーとして成長を加速する考えである。

※Digital Intelligenceの略。裁判等の証拠に用いられるデータ抽出やデータ分析等を展開している。


2. 2020年3月期上期の業績
2020年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比0.5%減の12,130百万円、営業損失が1,740百万円(前年同期は184百万円の損失)と微減収ながら大幅な営業損失を計上した。売上高は、DIが欧州等を中心に堅調に推移するとともに、エンターテインメント関連及び新規IT関連が伸長したものの、円高による影響やMLC売却※によるマイナス分をカバーしきれずに、わずかに減収となった。損益面では、Cellebriteによる第三者割当増資に関連する諸経費(約13億円)の計上が利益を大きく圧迫し、営業損失を計上した。ただし、一時的な費用を除くと、売上高には若干出遅れ感があるものの、概ね計画どおりの進捗と評価しても良いであろう。

※モバイルデータソリューション事業については、世界的に拡大しているDIへ経営資源を集中するため、MLC(携帯端末販売店)向けは2018年3月末に事業譲渡した。


3. 2020年3月期の業績予想
2020年3月期の業績予想(レンジ形式)について同社は、上期におけるCellebriteの増資関連費用(約13億円)を勘案し、損益予想を下方修正した(売上高予想は据え置き)。修正後の業績予想として、売上高を27,500百万円~28,800百万円(前期比8.9%~14.1%増)、営業損失を600百万円~1,100百万円(前期は200百万円の損失)と増収ながら大幅な損失幅の拡大を見込んでいる。売上高は、上期までの進捗に遅れがみられるものの、下期に需要期を迎えるDIを大きく伸ばす想定となっている。また、M2Mも上期からの期ずれ分を含め、下期での巻き返しを図る。一方、損益面では、上期における一時的な費用を反映し、大幅な下方修正となったものの、下期の損益予想の前提について大きな変更はない。利益率の高いDIの伸びが収益の押し上げに大きく貢献する見通しとなっている。

4. 成長戦略
同社の中期的な成長戦略は、これまでのDIやM2M等に加えて、需要拡大が予想されるAR関連、O2Oソリューションなどの新たな成長ドライバーの確立により、成長を加速するものである。弊社でも、既にリーディングカンパニーとして世界開拓を進めているDIはもちろん、圧倒的な技術力と業務用途ごとの共通プラットフォームの確立により産業分野でのデファクトスタンダートを目指すAR関連、同社ならではのソリューション提供により裾野拡大への対応を図るM2M関連が、市場の拡大とともに同社の成長をけん引する可能性が高いとみている。今後の成長加速に向けて、DIの更なる拡大はもちろん、M2MやAR関連がどのようなペースで業績貢献してくるのか、今後の動向に注目していきたい。

■Key Points
・2020年3月期上期は微減収ながら大幅な損失を計上。Cellebriteの増資関連費用が利益を圧迫。
・Cellebriteによる第三者割当増資により約122億円の資金調達を実現。M&Aの積極活用により、DI領域における総合的なプラットフォーマーとして必要となる事業や技術を獲得し、成長を加速する戦略。
・上期における一時的な費用を反映し、2020年3月期の損益予想のみ下方修正。
・成長分野であるDIの更なる拡大に加えて、M2MやAR関連の本格稼働などにより成長軌道に乗せる方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



《SF》

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