March 17, 2020 / 6:07 AM / 14 days ago

ケネディクス Research Memo(4):2019年12月期も好業績。AUMの拡大により安定収益が順調に増加(1)


*15:04JST ケネディクス Research Memo(4):2019年12月期も好業績。AUMの拡大により安定収益が順調に増加(1)
■ケネディクス4321の業績動向

1. 業績を見るためのポイント
一般の事業会社の売上高に当たるものが営業収益であり、保有物件を運用するREIT・ファンドなどに売却することにより得られる売却収入が大部分を占めている。ただ、売却収入は売却するタイミングにより大きく増減する上、必ずしも利益の伸びと連動するものではないため、業績を見る指標としては適切とは言えない。本業(主に手数料収入で稼ぐ不動産ファンドビジネス)における業績指標としては、営業総利益に注目するのが妥当である。ただ、不動産投資事業における損益は、営業総利益として計上されるもののほかに、特別損益(有形固定資産の売却に伴う損益)として計上されるものがあるため、資金調達にかかる支払金利(営業外費用)も合わせて総合的に判断することが必要となる。したがって、総合的な収益力を示す親会社株主に帰属する当期純利益の動きも重要であることは言うまでもない。

なお、同社では、アセットマネジメント事業と不動産関連事業の営業総利益を足し合わせたものから、販管費を控除したものを「ベース利益」として重視しており、同社の安定的な収益力を示す指標となっている。また、不動産投資事業についても、関連する損益を合算した「不動産投資損益」を指標としている。したがって、大まかな捉え方をすれば、同社の親会社株主に帰属する当期純利益は、「ベース利益」と「不動産投資損益」によって構成されており、「ベース利益」はAUMに連動して着実に積み上がる一方、「不動産投資損益」は単体株主資本(約900億円程度)の10%を目標投資リターンとする運用の成果とみなすことができる。

2. 収益体系
(1) アセットマネジメント事業
アセットマネジメント事業は4つの手数料が収益源となっている。特に、AUMに対して毎期、安定的な収益が期待できるアセットマネジメントフィーが同社の収益基盤を支えている。

(2) 不動産関連事業
不動産関連事業は、不動産管理業務(プロパティマネジメント等)や不動産を利用した運営業務(サービスオフィス等)による手数料収入が収益源となっている。

(3) 不動産投資事業
自己勘定投資による賃貸事業損益や不動産売却損益のほか、匿名組合分配損益などが収益源となっている。特に、不動産売却損益は不動産市況の影響を直接受けやすいところに特徴がある。また、前述のとおり、不動産投資事業における損益は、営業総利益として計上されるもののほかに、特別損益として計上されるものがあるため、資金調達にかかる支払金利と合わせて総合的に判断する必要がある。

3. 2019年12月期業績の概要
2019年12月期の業績は、営業収益が前期比11.0%増の70,326百万円、営業利益が同9.7%増の15,931百万円、経常利益が同15.9%増の15,841百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同13.5%減の10,673百万円と、各段階利益で計画を上回る増益(親会社株主に帰属する当期純利益を除く)となり、安定収益を軸に好業績が続いている。なお、親会社株主に帰属する当期純利益が減益となったのは法人税等の増加によるものであるが、その点は想定内。また、2019年12月末のAUMについても前期末比14.0%増の2兆3,922億円と大きく拡大した。

営業総利益が増益となったのは、AUMの拡大に伴って、「アセットマネジメント事業」におけるアセットマネジメントフィーが伸びたことに加え、私募ファンドやREIT向けの物件取得が順調に進んだことからアクイジションフィーの増加も大きく寄与した。また、「不動産関連事業」についても、プロパティマネジメントフィーの伸び等により増益となっている。

損益状況の全体を俯瞰しても、重視する利益指標である「安定収益」は前期比18.0%増の9,584百万円、「ベース利益」は同41.4%増の6,102百万円と、それぞれが計画を上回る伸びを実現している。一方、「不動産投資損益」は、前期業績に大きく寄与した固定資産の売却益(特別利益)の反動減により減益となったが、計画に対してはこちらも上回る水準となっている。

AUMについても、前述のとおり、前期末比2,938億円増の2兆3,922億円(同14.0%増)と順調に拡大。そのうち、ベースAUMについても、物件取得競争が厳しいなかで、メインスポンサーREITや私募ファンドの伸びにより前期末比3,035億円増の1兆7,771億円(同20.6%増)に増加した。特に、私募ファンドの伸びが著しいのは、国内外の投資家からの旺盛な投資需要にけん引され、コアファンドの成長が加速してきたことが理由である。

財務面では、連結対象不動産の売却(コアファンドの組成に伴う物件供給等)が順調に進んだことにより、総資産は前期末比8.6%減の1,719億円に減少。一方、自己資本については内部留保の積み増し等により前期末比6.5%増の980億円に増加したことから、自己資本比率は57.0%(前期末は48.9%)に大きく改善している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



《YM》

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