April 23, 2020 / 6:42 AM / a month ago

アウトソシング Research Memo(6):2019年12月期決算は過去最高業績を更新(2)


*15:36JST アウトソシング Research Memo(6):2019年12月期決算は過去最高業績を更新(2)
■アウトソーシング2427の決算概要

2. 事業別の業績と主な活動実績
(1) 国内技術系アウトソーシング
売上収益は前期比26.1%増の91,367百万円、セグメント利益は同3.5%減の6,993百万円と増収ながら減益となった。社会構造的に各分野でエンジニア不足が拡大するなかで、KENスクールスキームや多様な技術領域へと進出しているアドバンテージによりエンジニアニーズを獲得するとともに、国内屈指の圧倒的な採用力を生かして新卒者や転職者を配属し、2019年12月末の外勤社員数は15,888名(前期末比3,125名増)と大きく拡大した。そのうち、2019年4月入社の新卒者は約1,600名(前年は約1,050名)と順調に増えている。ただ、利益面では、新卒者採用のルール変更に伴う経費※1の増加や、外国人技術者の国内導入に伴う費用※2が発生したことにより計画を下回り、減益となった。

※1 2020年4月の新卒者採用(2,000名を予定)の経費に加えて、就職協定の撤廃決定に伴う2021年4月の新卒者採用に向けた経費が発生した。
※2 外国人技術者の国内導入に伴う配属のマッチングに想定以上の時間がかかり、未配属期間が発生したもの。ただ、今後に向けてはすでに対策を講じており、改善される見通しである。


(2) 国内製造系アウトソーシング
売上収益は前期比13.2%増の70,530百万円、セグメント利益は同0.8%増の7,354百万円と増収増益となったが、売上収益、利益ともに計画を下回った。計画には想定外であった米中貿易摩擦による影響(国内メーカーの中国向け輸出減少に伴う減産)が発生したことにより、製造派遣・製造請負の2019年12月末の外勤社員数は13,457名(前期末比241名減)にとどまった。ただ、多くの製造系同業他社が減収減益に陥るなかで、増収増益を確保できたのは、同社の既存の契約がPEOスキームなど長期契約スキームであることが理由である。もっとも、同社では、この減産状況が一過性ではなく常態化するものと捉えていることや、「働き方改革」などの環境変化が進むなかで、これまで注力してきたPEOスキームにはリスクが高まっているものと認識しており、今後は慎重に進める方針へと転換している。一方、外国人労働者の管理業務受託については、外国人技能実習生を送り出す現地グループ各社との連携や、同社の管理レベルが評価され、外国人労働者の活用を拡大するメーカーのニーズを獲得。2019年12月末の委託管理人数は18,670名(前期末比7,445名増)と大きく拡大した。利益面では、増収により増益を確保したものの、利益率は低下している。今後の注力分野と位置付けている外国人労働力(管理受託等)に関連する各種事業の拡大に向けて、体制強化への先行投資によるものと見られる。

(3) 国内サービス系アウトソーシング
売上収益は前期比14.3%増の20,569百万円、セグメント利益は同57.2%増の2,156百万円と大幅な増収増益となった。米軍施設向け事業において、AECが入札時に必要とするボンド(履行保証保険)を同社の与信で700億円に拡充したことで大口案件への入札が可能となり、計画を上回る受注を獲得することができた。利益面でも、不採算事業(成長性の見込めないコンビニエンスストア向けサービス等)の整理に伴って一過性のコストが発生したものの、案件の大口化に伴って米軍施設向け事業の採算性が大幅に改善し、利益率の向上に寄与した。

(4) 海外技術系
売上収益は前期比20.0%増の43,866百万円、セグメント利益は同46.4%増の2,464百万円と好調に推移した。豪州や英国といった先進国でのIT系及び金融系システムに対応できるエンジニアニーズや、公務員を削減し公務を民間へ委託するニーズが拡大。特に、2018年9月に買収した豪州PROJECT MANAGEMENT PARTNERSが期初から寄与したことに加え、豪州でKENスクールと同様のスキームを開始し、採用アップにつながった。利益面でも、効率的な業務運営を実施できる体制と処理システムの構築により、事業拡大と生産性向上を実現し、利益率は大きく改善した。

(5) 海外製造系及びサービス系
売上収益は前期比10.4%増の134,208百万円、セグメント利益は同14.9%増の2,553百万円と増収増益となったが、売上収益・利益ともに計画を下回った。製造系がやや低調に推移した。ドイツにおいて米中貿易摩擦による減産と派遣法改正による混乱が重なり、売上収益が伸び悩んだほか、想定以上の人員調整に伴って一過性の費用が発生した。また、他の欧州・アジアのグループ各社においても、米中貿易摩擦による減産の影響を受けるとともに、アジアでの不採算事業からの撤退により一過性の費用が発生した。一方、サービス系については好調であった。特に、オランダを中心に物流系eコマース関連が順調に拡大。グローバルなネット対応の進展による流通量の拡大を背景として、国境を越えた流動化による人材活用が奏功した。また、景気の影響を受けにくい公共関連のアウトソーシング事業についても、順調な受注により拡大している。

3. 2019年12月期の総括
以上から、2019年12月期の業績を総括すると、米中貿易摩擦などの外部要因や一過性の要因(不採算事業の整理等)により計画を下回ったものの、製造系の同業他社が落ち込む中で、しっかりと増収増益を確保できたところは評価に値する。また、ポテンシャルの大きな外国人材に関わる事業やKENスクールスキームの海外展開など、高い成長性を継続していくための先行投資をしっかり行いながら高収益を確保しているところも、特筆すべきポイントと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)





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