April 23, 2020 / 6:42 AM / a month ago

アウトソシング Research Memo(9):2020年12月期も増収増益(過去最高業績)を見込む


*15:39JST アウトソシング Research Memo(9):2020年12月期も増収増益(過去最高業績)を見込む
■業績見通し

1. 2020年12月期の業績予想
新中期経営計画の初年度となる2020年12月期の業績予想(IFRS)についてアウトソーシング2427は、売上収益を前期比16.3%増の420,000百万円、営業利益を同35.5%増の21,000百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益を同33.8%増の11,150百万円と増収増益を見込んでいる(過去最高の売上収益・利益を更新)。

引き続き、すべての事業が伸長する見通しである。特に、堅調な外部環境(エンジニアニーズの拡大等)や内部施策(KENスクールの活用及び業界淘汰の獲得等)により「国内技術系アウトソーシング」が大きく拡大するとともに、「国内サービス系アウトソーシング」についても米軍施設向けが好調を維持。また、「海外製造系及びサービス系」については、グローバル規模での人材流動化スキームの進展やドイツの立ち直りなどが業績の伸びをけん引する想定となっている。

利益面でも、更なる成長に向けた先行費用を織り込んでいるものの、増収により吸収することで大幅な増益を実現し、営業利益率も5.0%(前期は4.3%)に改善する見通しである。

2. 各事業の業績見通しと活動方針
(1) 国内技術系アウトソーシング
売上収益を前期比29.8%増の118,600百万円、営業利益を同18.7%増の8,300百万円と引き続き大きく拡大する見通しである。様々な産業分野で新たな技術が次々と生まれ、エンジニアニーズの拡大が継続しているなかで、引き続き、新卒者の採用・育成・配属を強化するほか、KENスクールの活用、外国人エンジニアの積極採用、派遣法改正に伴う業界淘汰の獲得等に取り組む。2020年12月末の外勤社員数19,612名(前期末比3,724名増)を計画しているが、そのうち、2020年4月入社の新卒採用を2,000名(前年実績は1,600名)、中途採用を年間5,200名(前年実績は約4,700名)に増やす計画。また、新たな注力分野である「派遣2.0」については、ロボットやAI等を取り扱う先端技術者数として、まずは115名を見込んでいるようだ。なお、2020年2月には、「国内技術系アウトソーシング」セグメントを担う連結子会社アウトソーシングテクノロジーについて、東京証券取引所への株式上場に向けた準備を開始する旨が公表された。株式上場による信用力の向上(及び業績の拡大)に狙いがあると見られ、結果として同社グループ全体の企業価値向上に資する効果が期待できる。

(2) 国内製造系アウトソーシング
売上収益は前期比8.6%増の76,600百万円、営業利益を同14.2%増の8,400百万円と増収増益を見込んでいる。前述のとおり、PEOスキームによる拡大戦略からの転換を図り、外国人材の管理業務サポートサービス及び生活サポートサービス事業の拡大のほか、「働き方改革」に対応できない業者の取り込みなどにより成長を持続していく方針である。2020年12月末の外勤社員数は16,400名(前期末比2,943名増)、期末管理受託人数は35,000名(同16,330名増)を計画している。特に、期末管理受託人数の大幅な拡大に戦略転換の方向性がうかがえる。

(3) 国内サービス系アウトソーシング
売上収益は前期比23.0%増の25,300百万円、営業利益を同29.9%増の2,800百万円と増収増益を見込んでいる。引き続き、AECとのシナジー創出により米軍施設向けアウトソーシング事業の拡大を図る。特に、前期に進出したグアムへの展開等により、現在のボンド枠(700億円)の早期獲得を目指す。また、観光分野におけるサービス事業の強化にも取り組む。

(4) 海外技術系
売上収益は前期比10.6%増の48,500百万円、営業利益を同54.2%増の3,800百万円と増収増益を見込んでいる。引き続き市場が拡大しているうえ、景気の影響を受けない政府系BPO事業のほか、公共機関向けを中心としたICT系や金融技術者等のアウトソーシング事業を拡大する。また、日本のKENスクールと同様のスキームにより、より多くのエンジニアを確保・配属していく。なお、2020年1月1日より、英国とオセアニア地域においてホールディング体制をスタート。環境変化の激しい各地域において成長機会・リスク対応等の経営判断の迅速化が必要とされるなかで、経営リソースの集約によりグループとして高い成長率を実現することが目的である。

(5) 海外製造系及びサービス系
売上収益は前期比12.4%増の150,900百万円、営業利益を同95.8%増の5,000百万円と増収増益を見込んでいる。アジアからの技能実習生・特定技能の送り出しを拡大するとともに、アジアからドイツマーケットへの人材送り出しを開始。派遣法改正の影響などにより混乱したドイツの立て直しを図るとともに、オランダにおける流通系事業の更なる強化に取り組む。また、人材ビジネスが拡大するブラジルにおいて、人材派遣事業の立ち上げも行う計画である。

弊社では、人材ビジネスにおける国内外の環境変化を勘案すれば、今回の戦略見直しやビジネスモデルの抜本的な変革に取り組む方向性には合理性があると判断している。何よりも、これまでの成功体験に甘んじることのない、同社のリスク認識力や対応の早さ、先見性の高さを評価したい。特に、中長期目線で注目すべきは、これまでの人材ビジネスを抜本的に変えることになるWBBプラットフォームの構築にある。他社との連携を含め、いかに規模の拡大を図り、プラットフォームの優位性を高めていくのかが成功のカギを握るであろう。その点では、グローバルな人材流動化に対応する拠点を構え、就職という生活の重要な転機をおさえている同社には大きなアドバンテージがあると考えられる。また、プラットフォームがあることで広く人材を集めることができ、人材が集まることでプラットフォームの優位性も高まるという正の循環効果も期待できる。成功すれば、低リスクで収益性の高いビジネスを世界規模で展開することが可能となろう。もちろん、これから具体的な実績を示していくことが何よりも重要であり、各重点施策の進捗をしっかりとフォローしていきたい。なお、足元で世界的に感染が拡がっている新型コロナウイルスの影響については、どこまで続くかによるところが大きい。同社の場合、景気変動の影響を受けづらい事業構造やグローバル規模での分散効果が発揮されているものの、世界経済全体の先行きに不確実性が高まっていることは否定できず、今後の動向を注意深く見守る必要がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)





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