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日本株

ワコム Research Memo(8):コロナ禍の影響を踏まえ、レンジ形式での予想開示上限で増収増益を見込む


*15:08JST ワコム Research Memo(8):コロナ禍の影響を踏まえ、レンジ形式での予想開示上限で増収増益を見込む
■業績見通し

2021年3月期の連結業績予想についてワコム
6727は、コロナ禍の影響により、経済活動の回復度合いが極めて不透明であることを踏まえ、レンジ形式※1による通期業績予想のみ開示している。具体的には、売上高を89,000百万円(前期比0.5%増)~91,500百万円(同3.3%増)、営業利益を5,600百万円(前期比0.6%増)~6,500百万円(同16.8%増)、経常利益を5,600百万円(前期比7.8%増)~6,500百万円(同25.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益を4,000百万円(前期比2.1%増)~4,600百万円(同17.4%増)と上・下限ともに増収増益を見込んでいる※2。

※1 下限値をコロナ禍によるマイナス影響を織り込んだベースラインとし、上限値は現時点で見通せるコロナ禍によるマイナス影響の大方縮減と複数施策による収益機会の創出を前提としている。
※2 通期平均の想定為替相場は、1米ドル=108.0円、1ユーロ=121.0円、1中国元=15.5円を前提としている。


売上高は、「ブランド製品事業」及び「テクノロジーソリューション事業」ともに着実に伸びる見通しである。「ブランド製品事業」については、引き続き「ディスプレイ製品」のエントリーモデル(初心者向けを含む)を中心に拡販し、コミュニティへのアプローチ強化とともに将来の買替え需要(アップセル)を見据えた顧客基盤の拡大に努める方針である。また、「テクノロジーソリューション事業」についても、主要顧客との関係をさらに強化するとともに、新たな事業機会の獲得にも取り組む。

利益面でも、将来に向けた積極的な研究開発投資を予定しているものの、製品ミックスの改善(「ディスプレイ製品」の収益性向上)や継続的な販管費の最適化により営業増益を見込んでいる。

事業別の業績見通しは以下のとおりである。

(1) ブランド製品事業
売上高を42,500百万円(前期比0.2%減)~43,500(同2.1%増)、セグメント利益を2,800百万円(前期比64.1%)~3,200百万円(同87.5%増)と見込んでいる。売上高はコロナ禍による影響が想定されるものの、最低(下限)でもほぼ前期並みの水準を確保する。特に、クリエイティブビジネスにおいては、前期に引き続き、「ディスプレイ製品」のエントリーモデルを大きく伸ばす計画であり、2020年1月にリリースした13インチサイズの初心者向けモデルによる通年寄与が増収要因となるようだ。また、本製品については原価低減も実現していることから、製品ミックスの変化が大幅な増益にも貢献する見通しである。研究開発については、VR/MRデザインに対応した3Dデザイン機能等の開発のほか、ビジネスソリューションにおいては、企業向けプロジェクトパートナーに対して、デジタルインク・ワークフローの効率化とデジタルサイン利用の安全性を強化する技術の開発にも取り組む。

(2) テクノロジーソリューション事業
売上高を46,500百万円(前期比1.1%増)~48,000百万円(同4.4%増)、セグメント利益を7,000百万円(前期比8.5%減)~7,500百万円(同2.0%減)と上・下限ともに増収ながら減益を見込んでいる。こちらもコロナ禍による影響が想定されるものの、教育市場での事業機会の拡大を目指すほか、多くのパートナー企業との協業を通じてデジタル文具市場の拡大にも貢献していく。一方、利益面では、将来に向けた積極的な研究開発投資により減益を見込んでいる。

弊社でも、コロナ禍による影響には不確実性が残っているものの、「ディスプレイ製品」が新たな市場の開拓により伸びていることや、他社との連携にも具体的な動きが出てきたことから、少なくとも会社予想の下限値の達成は十分に可能であると見ている。したがって、需要が顕在化してきた教育向けなどの積み上げによりどこまで上限値に近づけるかがポイントとなるだろう。利益面では、「ブランド製品事業」の収益性改善に向けた道筋のほか、研究開発投資の中身(他社との技術連携や新たな価値創出の方向性など)やその成果にも注目していきたい。同社のパートナー戦略を中心とする取り組み状況の一端については、毎年秋に東京都内で開催するオープンイベント「コネクテッド・インク」において示される、各パートナーとの最新のデモンストレーションや講演を通じて窺い知ることができるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



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