June 15, 2020 / 6:08 AM / 17 days ago

アジア投資 Research Memo(1):2020年3月期業績(ファンド基準)はメガソーラー売却により営業増益を実現


*15:01JST アジア投資 Research Memo(1):2020年3月期業績(ファンド基準)はメガソーラー売却により営業増益を実現
■要約

1. 会社概要
日本アジア投資8518は、日本とアジアにまたがる独立系の総合投資会社として、プライベートエクイティ投資(以下、PE投資)や再生可能エネルギー等のプロジェクト投資を手掛けている。1981年に(公社)経済同友会を母体として設立され、豊富な投資経験とブランド、ネットワーク、人材、事業パートナーなどの事業基盤に強みがある。革新的な技術やビジネスモデルを持ち、高い成長力を有するベンチャー企業及び中堅・中小企業等への投資や成長支援を通じて、日本とアジアの両地域における産業活性化や経済連携の拡大などに貢献をしてきた。同社グループが管理運用等を行っているファンド運用残高は17,390百万円(11ファンド)、同社グループの自己資金及び運用ファンドによる投資残高は15,101百万円となっている(2020年3月末現在)。PE投資については、VC業界を取り巻く環境が変化するなかで、新たなファンド設立に苦戦しており、投資残高も減少傾向にある。ただ、ここ数年はプロジェクト投資に積極的に取り組み、パートナー企業への戦略投資(PE投資)でも成果を上げている。

2. 中期経営計画
同社は、2019年3月期より3ヶ年の中期経営計画を推進しており2年目が終了した。環境変化への対応や課題解決に向けて、投資方針(本体投資分)の抜本的な見直しを行い、収益拡大に向けた足掛かりを築く内容となっている。特に、ファンドでの投資は、現状のファンドの投資方針を継続する一方、本体投資は、取り組むべき事業テーマを明確に持ち、そのテーマを軸に「企業への投資」(PE投資)と「事業への投資」(プロジェクト投資)を組み合わせる戦略的投資を推進する方針である。すなわち、事業テーマに基づくプロジェクト投資(再生可能エネルギー、スマートアグリ、ヘルスケア等)の積み上げにより、安定収益の確保と財務バランスの強化を図るとともに、PE投資(本体投資分)についても、事業テーマに関連するパートナー企業への戦略投資にシフトする方向性と言える。

3. 2020年3月期の業績
2020年3月期の業績(ファンド連結基準)※は、営業収益が前期比12.8%増の3,950百万円、営業利益が同143.6%増の716百万円となった。

※同社は2007年3月期より、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」を適用し、同社グループが管理運用する投資事業組合等を連結範囲に加えるファンド連結基準に移行している。ただ、ファンド連結基準は同社以外の外部出資者の持分が含まれていることやファンドごとの財務方針が反映されるところに注意する必要がある。同社では、投資家からの要望に応じて従来連結基準も同時に開示しているが、弊社でも、より実態を示しているとの判断から従来連結基準による分析を行っている。


従来連結基準でも、営業収益が前期比11.5%増の2,760百万円、営業利益が同49.6%増の265百万円と増収及び営業増益となった。ただ、「期初見込値」に対しては、売上高、利益ともに下回る着地となっている。プロジェクト投資資産の売却が増収増益に大きく寄与。一方、PE投資については、株式売却の先送りやIPOした銘柄の株価が想定を下回ったことなどにより計画を大きく下振れた。したがって、前期に引き続き、PE投資の下振れをプロジェクト投資資産の売却で補うことにより増収(及び営業増益)を確保したと言える。また、中期経営計画の進捗については、パートナー企業への戦略投資が順調に増加したほか、新たな「物流施設」などへのプロジェクト投資では成果を残したものの、メガソーラーの売却(計画外)により、プロジェクト投資資産の積み上げには遅れが生じている。今後は、短期売却目的のプロジェクト投資に軸足を移し、残高拡大を目指す方針である。

4. 2021年3月期の業績見通し
同社は、業績予想(ファンド連結基準)について、株式市場等の変動要因による影響が極めて大きく、合理的な業績予想が困難である事業特性であることから公表を行っていない。ただ、2021年3月期については、ある一定の前提を元に策定した「従来連結基準による見込値」を参考情報として開示している。

同社の「従来連結基準による見込値」によれば、営業収益を前期比17.7%増の3,250百万円、営業利益を同31.9%増の350百万円と増収及び営業増益を見込んでいる。国内IPOや中国での未上場株の売却が収益貢献する想定であるが、収益の大半は第4四半期に集中するため、上期及び第3四半期までは赤字となる見込みである。なお、コロナ禍の影響については、後述するリスクが想定されるものの、現段階で顕在化しているものは限定的であることから、「見込値」についてもその前提に立った水準となっている。

■Key Points
・2020 年3 月期の業績(ファンド連結基準)はメガソーラー売却により増収及び営業増益を実現
・戦略投資の積み上げや「物流施設」などへのプロジェクト投資では大きな成果を残す
・中期経営計画の進捗については、プロジェクト投資資産の積み上げなどに遅れが見られるが、短期売却目的のプロジェクト投資に軸足を移し、残高拡大を目指す方針
・2021年3月期の業績(従来連結基準の見込値)については、第4四半期での株式売却により増収及び営業増益を確保する見通し(コロナ禍の影響は限定的との前提)

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



《YM》

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