June 15, 2020 / 6:28 AM / 17 days ago

Jトラスト Research Memo(2):アジアの総合金融グループとして着実な発展を目指す


*15:22JST Jトラスト Research Memo(2):アジアの総合金融グループとして着実な発展を目指す
■会社概要

1. 事業内容
Jトラスト8508は、国内外の金融事業、非金融事業などの事業会社を統括するホールディングカンパニーであり、東証2部に上場している。日本で培ったノウハウを海外展開し、同社は各国の利点を融合することで、アジアの総合金融グループとして成長を遂げてきた。同社グループでは、今後も日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業をベースに、東南アジア金融事業をけん引役として持続的な利益拡大を図りながら、既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指している。

同社の事業は金融事業から非金融事業までの多岐にわたるが、銀行・ノンバンク・サービサーの3つを「コア事業」とした金融事業が中心である。藤澤前社長による2008年のTOB以降、数々のM&Aによりグループの業容は急速に拡大し、資産合計は2008年3月期末の121億円から2019年12月期末には7,312億円に拡大し、従業員数も81人から4,322人にまで増えている。2019年3月期には、東南アジア金融事業での潜在的なリスクに備えて貸倒引当金を計上し、今後の追加損失リスクを最小限に抑制するとともに、2019年12月期末の親会社所有者帰属持分比率は13.7%と強固な財務基盤を確立している。韓国・シンガポール・インドネシア・モンゴルの4ヶ国の事業展開に加え、2019年8月には新たにカンボジアの優良銀行を傘下に収めた。また、各地域の経営体制を刷新し、ベストな布陣としている。

2020年12月期第1四半期のセグメント別営業収益の内訳を見ると、韓国及びモンゴル金融事業が最大の48.7%を占め、日本金融事業12.0%、東南アジア金融事業21.0%、投資事業1.4%、非金融事業(総合エンターテインメント事業と不動産事業の合算)13.9%となっている。一方、営業利益段階では日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業が利益を上げ、東南アジア金融事業、投資事業は現状では損失を計上している。潜在成長性の高い東南アジア金融事業の黒字転換が、同社グループの大きな課題である。

2. 沿革
同社の旧商号は株式会社イッコーで、中小企業及び個人事業主向け商業手形割引や手形貸付などの貸付業務を行っていた。1998年9月には大阪証券取引所市場第2部に上場した。2005年に全国保証7164が同社の親会社になったのち、2008年3月に前代表取締役社長(現取締役会長)の藤澤信義氏がTOBにより筆頭株主となり、2009年には商号を現在の社名であるJトラスト株式会社に変更した。藤澤氏のもと、債権回収会社やファイナンス会社などに対して機動的かつ効果的なM&Aを実施した。一方、リスク管理を基本とした事業運営を軸に、外部環境の変化に的確に対応するとともに、迅速な意思決定ができる経営体制を目指した結果、2010年には様々な金融事業のノウハウを有する持株会社制に移行した。

その後、2011年6月に大阪から東京港区に本社を移転し、さらにM&Aを加速した。国内において蓄積したファイナンスノウハウを生かし、2012年には韓国で貯蓄銀行業を開始した。さらに2013年には東南アジアの投資拠点をシンガポールに設立した。2014年3月期から2015年3月期にはライツ・オファリングで調達した976億円を活用し、韓国におけるファイナンス会社や貯蓄銀行、インドネシアの商業銀行などを取得した。

2018年10月には、新たにPT JTRUST OLYMPINDO MULTI FINANCE(以下、JTO)の株式60%の取得を完了し、韓国に続きインドネシアでも、銀行、債権回収会社、ファイナンス会社の三位一体体制を構築した。さらに、2019年8月には、カンボジアの優良銀行であるANZ Royal Bank(Cambodia)の株式55%を取得し、商号をJTRBに変更した。

2019年3月期には、東南アジア金融事業及び投資事業において大幅な営業損失を計上して不良債権の抜本的処理を断行し、業績回復への道筋をつけたことから、これまで同社グループの積極拡大路線をけん引してきた前社長の藤澤氏は2020年3月に会長に退き、代わって江口譲二氏が新社長に就任した。江口氏は、これまで7年半韓国事業に携わり、目前の課題に真摯に取り組むことで、グループ全体に利益貢献をしてきた。同社の業績改善の道筋が見えたことから、江口社長は、今後は安定志向で同社の着実な利益拡大に取り組む方針である。また、同社の筆頭株主でもある藤澤会長は、引き続き大所高所から同社の発展を支えることになるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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