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三和HD Research Memo(7):「グローバル・メジャー」としてのトップブランドの基盤確立は着実に進展(1)


*15:07JST 三和HD Research Memo(7):「グローバル・メジャー」としてのトップブランドの基盤確立は着実に進展(1)
■中長期の成長戦略と進捗状況

1. 中長期の成長戦略の全体像
三和ホールディングス
5929の中長期の成長戦略は、10年単位の長期ビジョンと、その実現に向けた具体的アクションプランと言える3ヵ年中期経営計画の2段構成となっている。現在は2014年3月期に策定した『三和グローバルビジョン2020』が長期ビジョンとなっており、その仕上げとして第三次中期経営計画(2020年3月期〜2021年3月期)を推進している。

国内市場においてはトップブランドの地位を確立した同社だが、成熟が進んだ国内市場での成長余地は限定的だ。そこで同社は2000年代に入ると欧米でM&Aを重ねて海外事業の業容拡大を急いだ。当時の同社は、2002年3月期から2013年3月期までの『2010ビジョン』を策定し、グローバル経営の初期段階という位置付けのもと、グローバル化と製品の多品種化に取り組んだ。欧米での事業基盤の確立や国内の商品ラインアップ拡充において成果を上げる一方、アジア事業やサービス事業のグローバル展開、グローバルシナジーなどの面では課題が残った。

現長期ビジョン『三和グローバルビジョン2020』では、「動く建材」のグローバル・メジャーとして、世界中の顧客に安全・安心・快適な商品とサービスを提供することを目指す。その中で、現在推進中の第三次中期経営計画は“「グローバル・メジャー」としてのトップブランドの基盤を確立する2ヵ年”という位置づけであり、「コア事業」として(1)日・米・欧のコアビジネスの事業領域拡大と強化を、「成長事業」として(2)サービス分野の強化とビジネスモデルの拡大、(3)アジア事業の基盤拡充を、そして「基盤強化」として(4)働き方改革と生産性向上、(5)ESGを推進し社会からより信頼される企業体質へ、の5つの基本戦略を推進している。

同社では、これら5つの基本戦略を推進することで、2021年3月期の売上高4,500億円、営業利益375億円、営業利益率8.3%、ROE14.1%などの数値目標達成に向けて、2020年3月期までは順調に推移していた。しかし、2021年3月期は世界的に感染症拡大の影響が大きく、数値目標の達成は困難な状況にある。2021年3月期の業績予想では、売上高は3,900億円に落ち込み、営業利益率は5.6%に低下する見通しである。売上高では、国内売上高が2019年3月期比6.7%減に対して、海外売上高が同15.1%減、海外売上高比率も43.5%に低下する影響が大きい。ただ、後述するとおり、同社では5つの基本戦略を着実に推進しており、その成果がグループの次の成長の原動力になると弊社では考える。

2. 基本戦略(1):コアビジネスの事業領域拡大と強化
グループの中核である日本では、各事業分野でのポジション確立による、動く建材企業としての成長を目指している。そのために、基幹事業では顧客戦略の推進、競合先の追随を許さない商品力、成長事業では競合メーカーとのシェア競争に打ち勝つための戦略、国内グループでは連携によるシナジー強化や国内グループ会社の事業最適化、メンテ・サービス事業では防火設備の検査法制化拡大をテコにした修理・メンテ事業の拡大などを目標とした。併せて、持続的成長のために事業拡大に向けた体制の強化を図る。計画初年度(2020年3月期)は、コア事業としてシャッター、ドアの収益性確保、多品種化事業として間仕切、エントランス、防水などグループ連携による拡大、サービス事業として点検法制化の受注拡大と災害復旧対応、供給力強化として繁忙期での生産、物流、施工力確保などに取り組んだ。また、点検の法制化に伴いサービス事業も順調だった。以上から、日本では、過去最大の物量をこなし、コストを価格転嫁するなど、着実な成果として表れている。

ODC(米国)では、コア事業の維持・拡大と共に、周辺事業分野への参入を目指して、既存事業では品質及び顧客満足度向上による住宅・商業用ドアのシェア拡大、大都市圏への拠点追加などチャネル強化、製造・販売における西海岸戦略の実行、川下事業戦略の再構築を目指す。また、新規事業では、セキュリティに対応したアクセス制御の導入や周辺事業分野への参入を計画する。計画初年度は、ドア事業は市場低迷により目標未達であったが、開閉機事業は新商品投入、リテール戦略、メキシコへの製造の移行などが奏功し、これらの既存事業が米国事業を支えた。

NF(欧州)では、産業用製品のさらなる強化と、NF4.0によるデジタル化推進している。産業用製品事業ではトータルソリューションプロバイダーとしての拡販、ヒンジドア事業では製品群拡充による欧州全体への販売拡大、ガレージドア事業ではブランド力強化や販路拡大による欧州全体でのシェア拡大、業務プロセス改革では販売・サービス・生産・物流など各プロセスのデジタル化推進などを掲げる。計画初年度は、産業用製品事業で、アルファ(オランダ)工場拡張により生産性が改善し、欧州の業績をけん引した。ヒンジドア事業でも、Robust買収により、スウェーデン及び英国での拡販を実現した。

3. 基本戦略(2):サービス分野の強化とビジネスモデルの拡大
サービス分野とは、現場での取付工事や検査、保守・メンテナンスなどを扱う事業であり、三和シヤッター工業が同事業の半分以上を占めている。同事業では、売上を2016年3月期の325億円、2019年3月期の476億円から、2021年3月期には550億円を目標に掲げている。そのために、国内では法定検査のシェア拡大や 一般修理・サービス事業の拡大、ODCではCDSなど直販部門の事業拡大やフィールドサービスシステム導入、NFでは産業用ドア事業を中心に事業拡大し、フィールドサービスシステム導入などを戦略項目として推進している。

計画初年度では、各地域において顧客ニーズに合わせたサービス事業を提供し、新たな顧客開拓やビジネスモデルを拡大したことなどにより、2020年3月期のサービス売上は542億円まで順調に拡大している。特に、国内事業が好調で、三和シヤッター工業を中心に、迅速な災害復旧対応、顧客の増大と法定検査受注拡大が奏功した上、鈴木シャッターのグループ化に伴う増収効果も大きかった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



《YM》

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