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日本株

富士ソフト Research Memo(5):順調なフロー業績を背景に財務体質の強化と積極的な先行投資を両立


*15:15JST 富士ソフト Research Memo(5):順調なフロー業績を背景に財務体質の強化と積極的な先行投資を両立
■業績動向

富士ソフト
9749の連結業績は順調に推移している。2019年12月期の営業利益は13,266百万円(前期比16.4%増)とリーマン・ショック前の過去最高営業利益(2006年3月期12,078百万円)を13期ぶりに更新(売上高については2017年12月期に過去最高を更新済み)。続く2020年12月期上期についても、売上高が前年同期比7.9%増の122,568百万円、営業利益が同26.2%増の8,446百万円、経常利益が同27.1%増の8,677百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同3.5%増の3,868百万円と上期としては5期連続での増収増益となった。

この実績を、2020年2月公表の期初会社計画と比較すると、上期計画(売上高116,500百万円、営業利益6,700百万円、経常利益6,850百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益3,850百万円)に対する達成率は、売上高が105.2%、営業利益が126.1%、経常利益が126.7%、親会社株主に帰属する四半期純利益が100.5%となった。上期としては5期連続での超過達成であり、とりわけ営業利益の2020年12月期上期達成率は直近5年において最も高い値を示している。

このように、2019年12月期に過去最高業績を完全更新し、2020年12月期も順調な滑り出しを実現しているわけだが、その間にフロー利益の回復だけでなく、財務体質の強化と成長ポテンシャルの増強が図られていることは高く評価できる。

まず、財務体質の安全性を図る代表的な指標の推移を見ると、自己資本比率が2006年3月期末47.3%→2015年12月期末60.3%→2020年12月期上期末51.4%、流動比率が同96.4%→同199.7%→同161.5%、純有利子負債(有利子負債−現金及び預金)が同21,295百万円→2016年12月期3,000百万円のキャッシュ超過→同13,737百万円など、いずれも大幅な良化を経て、健全な水準を維持している。なお、直近期の数値悪化は新型コロナウイルス感染症拡大を受けて短期借入による現金及び預金の積み増し図ったためであり、問題視する動きではない。

また、2015年12月期以降の大量採用により、従業員数は2006年3月期末9,415人→2020年6月末15,240人と1.6倍にまで拡大、その一方で、単体ベースの認定技術者比率(同社制度に基づく認定スペシャリストと認定プロジェクトマネージャーの合計数が全従業員数に占める比率)は2014年12月期末22.8%→2020年6月末28.3%と上昇しており、大量採用と新人材・若手人材の早期育成・成長の両立を実現している。

加えて、設備投資額は2014年12月期3,028百万円→2018年12月期22,608百万円→2019年12月期8,952百万円、研究開発費は2013年12月期488百万円→2017年12月期1,011百万円→2019年12月期831百万円と先行投資も拡大させており、人材投資ともあいまって「挑戦と創造」に向けて成長ポテンシャルの増強が図られている。

ここで、財務指標と経営戦略の関係を見ると、大量採用と先行投資の拡大に踏み切った2015年12月期は、自己資本比率が60%台乗せを達成、流動比率が200%目前まで改善、純有利子負債は2016年12月期と2017年12月期にキャッシュ超過水準まで削減と、強固な財務体質を実現したタイミングであったことが読み取れる。

創業者を含む強いリーダーシップによる迅速な経営判断・実行力が同社の強みと言えるだろうが、躊躇せず「攻めの経営(先行投資の積極化)」に転じられたのも、業績低迷局面において「守りの経営(財務体質の強化)」を推進したからこそであり、事業環境の変化を的確に捉えた同社の冷静沈着な経営判断を高く評価したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)





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