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ケアネット Research Memo(6):医療業界向けの各種教育コンテンツサービスの成長にも期待


*15:46JST ケアネット Research Memo(6):医療業界向けの各種教育コンテンツサービスの成長にも期待
■ケアネット
2150の今後の見通し

2. 今後の成長戦略
(1) 医薬営業支援サービス
医薬営業支援サービス事業では、製薬業界におけるプロモーション案件の主軸が生活習慣病薬からスペシャリティ医薬品へ移行するなかで、スペシャリティ医薬品領域でのサービス拡充に注力していく方針を打ち出している。がん領域など専門性の高い分野において質の高い情報メディアを確立し、より多くの専門医を集めることで競合他社との差別化を図り、成長を加速していく戦略だ。

製薬企業側でも、生活習慣病領域についてはMRによる人海戦術的な営業施策が有効であったが、スペシャリティ領域ではターゲットとなる医師が少なく、面談時間を取ることも難しくなるため、今まで以上のeディテーリングの活用が重要になってくると見ている。加えて、コロナ禍においてMRによる営業制限がかかるなかで、その動きは2021年に向けてさらに加速していくことになると見られ、同社にとってもここ1~2年が収益を大きく伸ばす好機となる。市場環境の追い風が続くなかにおいて、前述した差別化戦略を推進していくことで確実に需要を取り込んでいく方針だ。

また、「がん@魅せ技」と「CareNet.com」の連携については、2019年秋に乳がん領域における手術手技動画コンテンツと、同社が保有する関連情報(検査や薬物療法、再建術やその他関連情報等)及び医師へのインタビュー動画等のコンテンツを融合した共同サイト「乳がん診療 Front line」をオープンしており、媒体価値の向上に取り組んでいる。今後は、そのほかのがん種(食道がん、胃がん、大腸がん、肝胆膵がん、泌尿器がん、肺がん等)の手技動画チャンネルについても、同様に共同サイトをオープンしていく予定にしている。内科医、外科医の両方がアクセスする医療情報メディアとして育成していくことで、がん領域における新薬等のeプロモーション受注拡大につながるものと期待される。

(2) 医療コンテンツサービス
医療コンテンツサービスでは、より多くのニーズに応えるため、販売方式やコンテンツの多様化に取り組んでいく。販売方式については「CareNeTV」で2018年11月より、プレミアムプラン(月額定額プラン)に加えて、コンテンツごとに課金するPPV方式を導入し、今後、売上げの最大化を実現していくため、販売対象を拡大していく予定にしている。

また、コンテンツの多様化ではVR技術を活用したコンテンツを様々な医療現場で活用していく考えだ。従来は手術室における医療スタッフの動きや手技動画コンテンツだけであったが、今後は救急医療や在宅医療現場における医療スタッフの動きをVRで撮影し、教育コンテンツとして制作していく予定にしている。

医療コンテンツサービス事業が全体業績に占める比率は低いものの、販売対象やコンテンツを拡げていくことによる成長ポテンシャルは大きく、医師向け教育コンテンツサービスのトップ企業として、もう一段の収益成長が期待される。

(3) 新規事業
中長期的な視点に立った事業展開として、ヘルスケア領域におけるスタートアップ企業との協業・連携を進めている。2019年3月に「脂肪細胞※」を用いた再生医療製品の開発を進めるセルジェンテック(株)と資本業務提携を締結したほか、ゲノム編集技術を開発するモダリス
4883(旧エディジーン(株))に出資した。また、VR技術を用いたリハビリテーション用医療機器の開発販売を行う(株)mediVRと、VRソリューションの全国展開に関する協業を柱とした業務提携契約を締結している。2020年2月には椎間板組織の再生医療に関する米国のスタートアップ企業であるDiscGenicsに出資したことを発表している。DiscGenicsが現在日本で実施している「椎間板細胞治療用注入剤IDCT(Injectable Disc Cell Therapy)の臨床第1/2相試験」の治験患者組み入れに関する支援業務の契約を併せて締結している。

※患者自身の脂肪細胞を抽出して治療タンパク質を分泌する遺伝子を導入・加工した細胞のことで、同細胞を患者に投与して治療を行う。対象疾患としては、酸素欠乏症等による難病(LCAT欠損症、ライソゾーム病)や血友病等の希少疾患となり、遺伝的欠損遺伝子を補う治療法として期待されている。


また、同社はこれら出資企業に対して、臨床開発から上市後のプロモーションに至るまで、様々な支援サービスを行っていく予定で、これらの取り組みは2018年5月に設立したコンソーシアム「SSI(Successful Support for Innovator)」をベースに、プロジェクトのプロセスごとに参加企業がサービスを提供していくことになる。同社は臨床開発における治験施設や患者を紹介するリクルーティングサービス、販売前及び販売後のマーケティング支援サービスを提供していく。臨床開発から販売までのプロセスを「SSI」の参加企業で連携して進めることで、従来よりもスピーディかつ効率的なプロジェクトの推進が可能となる。なお、プロジェクトを受託する窓口として同社は子会社ヘルスケア・イニシアチブ(出資比率51%)を2018年11月に新設している。

2018年に資本業務提携を締結したサンバイオとは、外傷性脳挫傷を対象とした再生医療製品に関する販売プロモーションを支援する予定となっている。2020年内の承認申請を目標としているようで、各種支援サービスの売上げが貢献してくるのは2021年以降となる見通しだ。

同社では、スタートアップ企業への新規出資に関して、市場環境も不透明なことから当面は手控える意向で、既存の出資企業への支援を中心に取り組んでいく方針だ。出資先のうち、モダリスについては2020年8月に東証マザーズ市場に上場を果たしている。ロックアップ期間(6ヶ月)後の株価状況を次第では、保有株(10万株)の一部を売却するものと思われる。なお、同社は2020年夏頃に中期経営計画の発表を予定していたが、コロナ禍により市場環境が不安定となったことから見送っている。市場環境が落ち着いた段階で改めて発表する意向だが、時期に関しては未定としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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