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日本株

ケネディクス Research Memo(4):コロナ禍に伴う一過性要因により、不動産売却益の獲得に大幅な遅れ(1)


*15:04JST ケネディクス Research Memo(4):コロナ禍に伴う一過性要因により、不動産売却益の獲得に大幅な遅れ(1)
■ケネディクス
4321の業績動向

1. 業績を見るためのポイント
一般の事業会社の売上高に当たるものが「営業収益」であり、保有物件を運用するREIT・ファンドなどに売却することにより得られる売却収入が大部分を占めている。ただ、売却収入は売却するタイミングにより大きく増減する上、必ずしも利益の伸びと連動するものではないため、業績を見る指標としては適切とは言えない。本業(主に手数料収入で稼ぐ不動産ファンドビジネス)における業績指標としては、「営業総利益」に注目するのが妥当である。ただ、不動産投資事業における損益は、営業総利益として計上されるもののほかに、特別損益(有形固定資産の売却に伴う損益)として計上されるものがあるため、資金調達にかかる支払金利(営業外費用)も合わせて総合的に判断することが必要となる。したがって、総合的な収益力を示す「親会社株主に帰属する当期純利益」の動きも重要であることは言うまでもない。

なお、同社では、アセットマネジメント事業と不動産関連事業の営業総利益を足し合わせたものから、販管費を控除したものを「ベース利益」として重視しており、同社の安定的な収益力を示す指標となっている。また、不動産投資事業についても、関連する損益を合算した「不動産投資損益」を指標としている。したがって、大まかな捉え方をすれば、同社の親会社株主に帰属する当期純利益は、「ベース利益」と「不動産投資損益」によって構成されており、「ベース利益」はAUMに連動して着実に積み上がる一方、「不動産投資損益」は単体株主資本(約900億円程度)の10%を目標投資リターンとする運用の成果とみなすことができる。

2. 収益体系
(1) アセットマネジメント事業
アセットマネジメント事業は4つの手数料が収益源となっている。特に、AUMに対して毎期、安定的な収益が期待できるアセットマネジメントフィーが同社の収益基盤を支えている。

(2) 不動産関連事業
不動産関連事業は、不動産管理業務(プロパティマネジメント等)や不動産を利用した運営業務(サービスオフィス等)による手数料収入が収益源となっている。

(3) 不動産投資事業
自己勘定投資による賃貸事業損益や不動産売却損益のほか、匿名組合分配損益などが収益源となっている。特に、不動産売却損益は不動産市況の影響を直接受けやすいところに特徴がある。また、前述のとおり、不動産投資事業における損益は、営業総利益として計上されるもののほかに、特別損益として計上されるものがあるため、資金調達にかかる支払金利と合わせて総合的に判断する必要がある。

3. 2020年12月期上期業績の概要
2020年12月期上期の業績は、営業収益が前年同期比55.0%減の15,407百万円、営業利益が同22.7%減の5,355百万円、経常利益が同17.2%減の5,993百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同15.8%減の4,177百万円と低調に推移した。コロナ禍に伴う活動制限が不動産取引の一時的な停滞を招いたことが響いた。一方、2020年12月期第2四半期末のAUMについては、好調な私募ファンドを軸に2兆4,931億円(前期末比1,009億円増)と着実に積み上げている。

営業総利益については、AUMの成長とともにアセットマネジメントフィーが伸びたものの、コロナ禍に伴う不動産取引の一時的な停滞(ファンド組成の遅れを含む)により不動産売却益の獲得が大きく出遅れた。また、マスターリース損益等(ホテル及びサービスアパートメントの運用)についても、コロナ禍や東京オリンピック・パラリンピック延期に伴う稼働率の低下等により大きく下振れている。

損益状況の全体を俯瞰してみると、重視する利益指標である「安定収益」は前年同期比5.3%増の4,667百万円と順調に伸びた一方、「ベース利益」はマスターリース損益等の悪化により同5.8%減の2,556百万円に減少。また、「不動産投資損益」は、不動産取引の一時的な停滞により同28.5%減の3,225百万円と大きく出遅れている。

AUMについては、前述のとおり、前期末比1,009億円増の2兆4,931億円(同4.2%増)と着実に積み上げた。そのうち、ベースAUMについても、私募ファンドやメインスポンサーREITの伸びにより同1,122億円増の1兆8,893億円(同6.3%増)に増加した。特に、私募ファンドの伸びが著しいのは、国内外の投資家からの旺盛な投資需要により、引き続きコアファンドが好調であったほか、コロナ禍においてオポファンドの受託が増えてきたことが要因である。

財務面では、手許資金の確保に加え、不動産売却のタイミングの遅れ等を反映して、総資産は前期末比2.8%増の1,767億円に増加。一方、自己資本については同0.3%増の983億円と微増にとどまったことから、自己資本比率は55.6%(前期末は57.0%)と若干低下したが、キャッシュポジションを含めて財務基盤の安全性に懸念はない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



《YM》

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