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日本株

サイバリンクス Research Memo(10):中期経営計画の利益目標に対し売上高、定常収入は堅調に推移(2)


*15:10JST サイバリンクス Research Memo(10):中期経営計画の利益目標に対し売上高、定常収入は堅調に推移(2)
■サイバーリンクス
3683の中長期の展望と成長戦略

5. モバイルネットワーク事業
モバイルネットワーク事業では、ドコモショップ店舗の大型化による顧客利便性と集客力の向上、スマートライフ関連商材の取扱いを拡大するとしている。新たに加える商材には、体重計や血圧計などのメディカル・ヘルスケア、生命保険、電気・ガス小売、周辺機器、各コンテンツ、アクセサリ、ウェアラブル機器などを想定している。

現在では、家電をスマートフォンと連携させて使用すると利便性が高いと思われる機能が付加されていることが多いが、家電量販店では機能の存在すら他の商品に埋もれてしまう場合が多く、せっかくの商材及びスマートフォンの保有によって得られるはずである利便性を謳歌しているとは決して言えない。同社ショップでこれらの機能を積極的に提案することで、モバイルでより快適な生活を提案できるようになる。

6. 注目される展開・提携
同社はここ1年間ほどで、以下のような重要かつ注目すべき取り組みを発表している。即座に収益に影響を与えるわけではないものも含まれるが、同社の技術力・開発力を示す点では中長期的に大いに注目すべきものである。

(1) 「@rms」次期バージョン完成版をリリース
「@rms」次期バージョン完成版を2019年7月にリリースした。これにより、これまで対象としてきた小規模小売企業だけでなく、中・大規模小売企業も適用範囲となるため、中・大規模企業への展開も進める予定である。

(2) クラウドEDIサービスを大手食品メーカーに導入
クラウドEDIサービスは今まで卸売業向けが中心であったが、2019年10月に大手食品メーカーへ初めて導入された。今後もさらに新サービスを追加し、メーカーへの展開を進める予定である。

(3) C2Platform(商談プラットフォーム)が2020年中に稼働予定
メーカー、卸、小売を同一プラットフォームでつなぐ「C2Platform」を開発中であったが、いよいよこのシステムが2020年中に稼働する見込みだ。このシステムを利用することで、各メーカー、各卸、各小売業者が同一の商品コードで事業を展開することが可能になり、今後の動向が大いに注目される。

(4) 高槻市統合型校務支援システム導入事業に採用が決定
小中学校向け校務支援サービス「Clarinet」が2019年7月に川越市統合型校務支援システムとして採用され、2020年2月から利用開始されたが、これに続いて2020年8月に高槻市でも採用が決定し2021年には稼働予定となっている。なお、同システムは神戸市(2015年)、京都府(2018年)での実績はあったが、関東圏では川越市が初めての採用、大阪府では高槻市が初めての採用となる。今後も機能強化を進めることで、全国に展開していく予定である。

(5) 食品業界の卸売業−メーカー間の「商品取引情報連携サービス」を開始
商品基本情報のデータベースを有する(株)ジャパン・インフォレックスと提携し「商品取引情報連携サービス」を開始している。これは、サイバーリンクスの配信システムと通信インフラを介してそのデータを入手する食品卸売業に対し、取引先であるメーカーとの間で情報伝達される「商品マスタ情報」のうち、相対で決定する商品価格や発注単位などの取引条件を双方の担当者が同じプラットフォーム上で共有するものである。このサービスにより、食品卸売業及びメーカーは、情報の登録や収集にかける時間や手間を大幅に削減することが可能となる。既に九州地域においてサービス化しているが、今後、更なる展開を予定している。

(6) 「電子委任状取扱業務」の認定
政府による「デジタルファースト」の推進もあり、今後は、企業間で行われる電子契約・申込み等の手続、国及び地方公共団体の調達における電子入札等の手続、行政機関に対する電子申請等の手続などが、電子委任状によって行われることが想定される。同社でも、マイナンバーカード及び電子委任状の普及を推進するとともに、ペーパーレス・脱ハンコ等を促進させることで、行政・民間サービスのさらなる利便性の向上に取り組んでいく方針である。また、公的個人認証サービスにおけるプラットフォーム事業者として、電子委任状サービスに同社が提供するタイムスタンプサービス等を組み合わせることで、より付加価値の高いサービス提供の実現に向けて取組んでいくとしている。

7. 数値目標(中期経営計画)と次期中期経営計画
当初、同社では中期経営計画の最終年度である2020年12月期の数値目標として売上高10,750百万円、定常収入4,950百万円、定常収入比率46.1%、経常利益1,100百万円、償却前経常利益1,460百万円を目指していた。

売上高、定常収入はおおむね堅調に推移しているものの、利益面では、「@rms」次期バージョンの開発規模が拡大したことから償却負担が当初計画より増加したことなどから経常利益1,100百万円の達成は難しくなってきた。減価償却費の実績及び見込みは以下のようになっており、当初計画では2018年12月期に550百万円でピークの予定であったが実績は530百万円となった。その一方で、2019年12月期の当初計画は530百万円となり横ばいの予定であったが、開発規模が拡大したことから実際には670百万円と大幅に増加した。この減価償却費の大幅増加が、計画した経常利益達成が難しくなっている最大の要因となった。一方で償却前経常利益は2020年12月期に約1,460百万円の計画であったが、モバイルネットワーク事業の環境変化や、連結子会社の決算体制強化のための費用増などがあり、2020年12月期に1,323百万円が見込まれている。

以上から、同社は新たな中期経営計画の検討を進め、2021年春頃に発表する予定だ。したがって今後は、この新中期経営計画の内容・目標がどのようなものになるのかに注目が集まるだろう。

同社はもう1つの目標としてROEの改善を掲げている。同社のROEは2019年12月期(連結)で6.3%であったが、中期経営計画の当初目標では2020年12月期にはこれを15.0%以上に改善させる計画であった。一般的にROE改善のためには、当然のことだが株主資本の減少か親会社株主に帰属する当期純利益の増加が必要になるが、通常の企業では、前者(株主資本の減少)は考え難いので、ROE改善のためには親会社株主に帰属する当期純利益の増加が必要(必須)である。さらに親会社株主に帰属する当期純利益が増加したとしても、内部留保率(配当性向の反対)が高ければ株主資本も増加してしまうので、ROE改善のためには親会社株主に帰属する当期純利益の増加に加えて、配当性向の改善も必要となってくるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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