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日本株

アエリア Research Memo(8):第2四半期はイベントなど中止・延期が響いた


*15:28JST アエリア Research Memo(8):第2四半期はイベントなど中止・延期が響いた
■業績動向

1. 2020年12月期第2四半期の業績動向
アエリア
3758の2020年12月期第2四半期の業績は、売上高14,077百万円(前年同期比2.3%減)、営業利益154百万円(同91.6%減)、経常利益97百万円(同94.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失4,311百万円(前年同期は1,044百万円の利益)となった。市場環境としては、IT市場がスマートフォンなど携帯端末の普及に伴うインターネット利用者の増加やEC(電子商取引)市場の拡大など背景に、引き続き成長を続けている。ゲームなどモバイルコンテンツの市場は、多様化と規模拡大が同時進行するなか、魅力的なコンテンツの開発が求められ、サービス内容が複雑化・高度化するとともに開発費や人件費などコストが増加、一方で企業間のユーザー獲得競争が一層激化している。不動産市場は、金融機関の与信姿勢が厳しくなる中、価格水準が高まり利回りが低下するなど、適正な投資案件が不足する状況となっている。

そのような環境のなか、ITサービス事業で安定した収益基盤の強化を図り、コンテンツ事業では、スマートフォン向けコンテンツの開発や配信・運営などを強化するとともに、ターゲット層を絞ったニッチ・マーケットでの基盤作りと周辺ビジネスの深耕を進めている。アセットマネージメント事業では、小規模で回転の速い収益不動産を中心に扱うことで、事業リスクをコントロールしながら慎重に運営している。しかし、2020年2月以降世界的大流行となった新型コロナウイルス感染症の影響は同社にも波及し、ITサービス事業やコンテンツ事業でテレワークやステイホームによる需要はあったものの、コンテンツ事業やアセットマネージメント事業では自粛による需要減退により、連結で減収減益となった。これに伴い、業績見通しや回収見込みが厳しくなった子会社ののれんや固定資産などを減損処理し、特別損失として4,211百万円を計上した。

なお同社は、M&Aを活用した事業基盤の強化や拡大を目指していることから、収益性を示す経営指標としてキャッシュの健全性を表すEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)を用いている。2020年3月期第2四半期ののれん償却前四半期純損失(親会社株主に帰属する四半期純損失+のれん償却額)は4,063百万円(前年同期は1,401百万円の利益)となったが、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)は864百万円(前年同期比63.8%減)、減損損失前のれん償却前四半期純利益(親会社株主に帰属する四半期純損失+のれん償却額+減損損失)も148百万円と、新型コロナウイルス感染症の影響下にありながら、投資余力を残した状況と言える。

2020年12月期第2四半期のセグメント別業績は、ITサービス事業が売上高1,978百万円(前年同期比26.4%減)、営業利益220百万円(同15.2%減)、コンテンツ事業が売上高7,532百万円(同12.8%減)、営業損失113百万円(同1,603百万円減)、アセットマネージメント事業が売上高4,619百万円(同46.4%増)、営業利益44百万円(同56.8%減少)となった。

ITサービス事業は、データサービス事業を行うエアネットの収益は安定していたが、ある程度想定内だったとはいえ、ファーストペンギンでアフィリエイト広告収益が減少したことにより、減収減益となった。コンテンツ事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大によりイベントやプロモーションの中止や延期が発生、一部にゲームに対するユーザーの意欲の減退も見られたようだ。加えて、新規コンテンツの開発費や償却費が増加したこと、新規タイトルのリリースに向けた初期プロモーションコストが固定費用のため削減しきれなかったことから、減収かつセグメント損失を計上した。アセットマネージメント事業は、物件引渡期の売上は増えたが、自粛などにより新規案件の獲得ができなかったことで費用が先行し、金融機関の融資姿勢の厳格化から優良物件不足になったこともあり減益となった。


第2四半期に続いて通期でも営業利益を確保へ
2. 2020年12月期の業績見通し
同社は2020年12月期業績見通しを、売上高26,000百万円(前期比8.3%減)、営業利益500百万円(同77.9%減)、経常利益300百万円(同86.4%減)、親会社株主に帰属する当期純損失4,200百万円(同5,714百万円減)を見込んでいる。下期の経営方針は前述したとおりで、選択と集中では、低採算タイトルの早期中止・撤退やIPビジネス展開が可能なコンテンツの優先的開発、採算性の改善では、内部人員の活用による外注費削減や投資単位の細分化による仮説検証の強化を推進する方針である。これにより通期での営業利益の確保を図る。

下期の事業別の具体的な施策として、ITサービス事業では、アフィリエイト広告収益の減少に対して、戦略セミナーをオンライン開催するなどアフィリエーター向けのプロモーションを強化する方針である。これによりユーザーに訴求しやすい動画の導入や、やや過渡期にある低単価商材の拡販を進める考えである。

コンテンツ事業は、新型コロナウイルス感染症に伴う巣ごもり需要はゲームにとって今後もポジティブに作用することが予想されるが、イベントの中止・延期は、2.5次元舞台など強みのIPビジネスをフルに展開できないだけでなく、コミックマーケットなどビッグイベントの中止により下期へ向けたプロモーションが不完全になったことも痛かった。このため、特に新規ユーザーの獲得にやや支障が出そうだ。しかし、翌シーズンへ向けては秋のイベント開催がポイントとなるため、同社は、ガイドライン策定や動員(キャパシティ)のコントロールによって感染リスクを回避しつつ、徐々に再開~拡大を探っていくことになりそうだ。また、コンテンツがなじみやすいオンラインを併用したプロモーションも積極化すると思われる。一部ゲームショーやAGF※で同様の動きが始まっていることや、徐々にではあるがイベントに対する規制緩和が見込まれることも追い風となるだろう。このため下期には、同社のIPビジネスやプロモーションも、新しい生活様式のなか、フル展開へ向けて動き出していくことになると考える。

※AGF(Animate Girls' Festival):池袋で行われる女性向けのアニメやゲームなどのグッズの販売イベント。2020年は11月開催予定。


アセットマネージメント事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により第2四半期を中心に新規案件を獲得できなかったが、与信状況も含めて足元で徐々に回復基調にあるようだ。コストコントロールや人材の最適配置により収益を確保する方針だが、不動産の運用状況の見える化など不動産テックを利用したサービスも提供しユーザーの利便性を高めていく考えである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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