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日本株

サカタインクス Research Memo(5):2020年12月期第2四半期累計は営業増益、経常・最終減益


*15:45JST サカタインクス Research Memo(5):2020年12月期第2四半期累計は営業増益、経常・最終減益
■業績動向

1. 2020年12月期第2四半期累計連結業績の概要
サカタインクス
4633の2020年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比4.4%減の79,472百万円、営業利益が同4.3%増の3,181百万円、経常利益が同30.5%減の2,583百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同37.2%減の1,497百万円となった。期中平均為替レートは1米ドル=108円27銭(前年同期は1米ドル=110円05銭)で、為替影響排除後ベースでは売上高が同2.4%減収、営業利益が同6.7%増益、経常利益が同34.5%減益、親会社株主に帰属する四半期純利益が同41.5%減益となった。

売上面では、米州と欧州で主力のパッケージ用インキの拡販が進展したが、日本、アジア、機能性材料がコロナ禍の影響を受けた。このため、全体として減収だった。円高による為替換算も影響した。

コロナ禍の影響は、売上面のプラス影響として、巣ごもり消費で食品や飲料のパッケージ需要、及び感染防止対策で衛生対策用品や医療関連のパッケージ需要が増加した。マイナス影響として、イベント中止や広告需要減少などでチラシ・カタログ・新聞広告・サインディスプレイ関連の新聞インキ、オフセットインキ、インクジェットインキが減少した。また、経済活動停滞で各種工業製品の生産量が減少したため段ボール需要が減少した。移動制限やインバウンド減少で観光産業が不振となったため土産物や紙袋などの需要も減少した。そのほか、テレワーク化でオフィスにおける文書出力機会が減少してトナーの需要が減少した。なおサプライチェーンへの影響としては、中国のロックダウンに伴うインキ材料調達不安があったが、中国の経済活動再開で解消した。また中国、インド、フィリピン等におけるロックダウンで工場が一時的に稼働停止となった。特にインドでは移動制限によって従業員の出勤、原材料の搬入、得意先への配送にも大きな影響があった。各国において経済活動が再開し、現在はほぼ回復している。

利益面では、営業利益はコスト削減(原油価格下落による石油由来原材料価格の下落、生産性向上など)効果、及び販売価格改定効果で減収影響を吸収し、小幅ながら増益を確保した。売上総利益は前年同期比1.1%減少したが、売上総利益率は21.9%で同0.7ポイント上昇した。販管費は同2.2%減少したが、販管費率は17.9%で同0.4ポイント上昇した。経常利益と親会社株主に帰属する四半期純利益は、ブラジルレアルなどの現地通貨安の進行による為替差損(616百万円)の計上、及び関連会社シークスの業績悪化に伴う持分法投資損益が悪化(前年同期は投資利益449百万円、2020年12月期第2四半期は投資損失249百万円で、差し引き698百万円の悪化)した。このため、いずれも大幅減益だった。

なお期初計画(売上高83,600百万円、営業利益3,100百万円、経常利益3,600百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益2,300百万円)に対しては、売上高はコロナ禍の影響で計画を下回った。特にアジアと機能性材料の事業環境が想定以上に悪化し、為替も影響したためである。営業利益は減収影響をコスト削減効果などで吸収して計画を小幅に上回った。経常利益と親会社株主に帰属する四半期純利益は営業外損益の悪化で、いずれも計画を下回った。


米州は拡販進展で増収増益。欧州も拡販施策が奏功
2. セグメント別動向
セグメント別(連結調整前、為替影響排除前)の動向は以下のとおりである。

印刷インキ・機材(日本)は、売上高が前年同期比7.2%減の23,802百万円、営業利益が同47.8%増の393百万円だった。売上面では、コロナ禍の影響で、巣ごもり消費関連の軟包材用グラビアインキが増加した。一方では、広告需要減少やデジタル化進展で新聞用・オフセット用インキ及び印刷製版用材料が減少、工業製品用途の需要減少で段ボール用フレキソインキが減少、インバウンド需要減少で紙袋用フレキソインキが減少した。このため、全体として減収だった。利益面では、価格改定効果や原材料価格下落を含むコスト削減効果で、減収影響を吸収して増益だった。

印刷インキ(アジア)は、売上高が前年同期比11.6%減の15,365百万円、営業利益が同24.4%減の861百万円だった。売上面では、インドネシアやベトナムにおいてグラビアインキの数量が増加した。しかし、コロナ禍の影響で中国やインドにおいて情報印刷関連オフセットインキが低迷した。特にインドの販売数量が想定以上の減少であった。また、生産活動の一時停止や移動制限、さらに中国における環境規制強化に伴う一部原材料の供給不足継続も影響し、全体として減収だった。利益面では、コスト削減に努めたものの、数量減少が大きく影響して減益だった。

印刷インキ(米州)は、売上高が前年同期比2.5%増の24,868百万円、営業利益が同58.9%増の1,481百万円だった。売上面では、情報印刷関連のオフセットインキが広告需要減少やデジタル化で減少した。一方で、旺盛な個人消費を背景に、顧客密着型のインプラントによる技術サービスも奏功した。これにより、パッケージ用インキ(フレキソインキ、グラビアインキ、缶用インキ、UVインキ)の販売数量が増加した。米州では金属缶用の売上比率が高く、コロナ禍の影響による家飲み需要で缶ビール等の需要が増加した。また、リサイクル機運の高まりでPETボトルからアルミ缶へのシフトが進行していることも寄与した。利益面では、増収効果に加えて、原油由来の材料やUVインキの材料など原材料費の抑制効果も寄与して大幅増益だった。

印刷インキ(欧州)は、売上高が前年同期比3.0%増の5,146百万円、営業損失が254百万円(前年同期は371百万円の損失)だった。売上面では、販売体制強化など拡販策の進展やコロナ禍によるプラス影響で、パッケージ用インキ(グラビアインキ、フレキソインキ、缶用インキ)の販売数量が増加した。利益面では、一部原材料価格(アルコール類)の上昇があったが、生産体制再構築と設備増強(不採算だったフランス工場の閉鎖、イギリスとスペインの設備増強による内製化進展で外注費削減)の効果で損失幅が縮小した。

機能性材料は、売上高が前年同期比9.1%減の5,744百万円、営業利益が同42.1%減の302百万円だった。コロナ禍の影響を大きく受けた。液晶パネルの供給過剰緩和でカラーフィルター用顔料分散液が堅調だったが、コロナ禍による広告需要減少でインキジェットインキ、オフィスにおける文書出力機会減少でトナーの販売が不振となり、全体として減収減益だった。

3. 財務状況
2020年12月期第2四半期末の資産合計は前期末比1,581百万円減少して146,710百万円、負債合計は同815百万円増加して67,668百万円、純資産合計は同2,396百万円減少して79,042百万円となった。特に大きな変動項目はないが、コロナ禍の影響に備えて手元資金を厚くしたため、借入金が増加して現金及び預金が増加した。自己資本比率は50.7%で前期末比1.0ポイント低下したが、財務健全性に問題はないだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)



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