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アイル Research Memo(5):リアルとWebの両面から複合提案するCROSS-OVERシナジー戦略(3)


*15:15JST アイル Research Memo(5):リアルとWebの両面から複合提案するCROSS-OVERシナジー戦略(3)
■アイル
3854の事業概要

5. 売上成長と利益拡大に向けた施策
売上成長と利益拡大に向けた施策として、既存製品のバージョンアップ、様々な分野のビジネスパートナーとのサービス連携などの戦略を推進している。

既存製品のバージョンアップとしては、2020年1月に「アラジンオフィス」に生産管理オプションを追加した。これにより、製造業の顧客は自社に必要な生産管理機能を効率的にシステム化できるようになる。また従来はカスタマイズで対応していた機能をオプションとして提供することで、同社にとってはSE工数削減と品質確保で粗利改善のメリットがある。

ビジネスパートナーとのサービス連携としては、「アラジンオフィス」がラクス
3923のWeb帳票発行システム「楽楽明細」と帳票データ連携(2019年11月)、「アラジンEC」がSBペイメントサービス(株)の決済サービスと連携(2019年11月)、さらにオービックビジネスコンサルタント(OBC)4733の「奉行クラウド」と連携(2020年8月)している。

「CROSS MALL」は、Amazon
AMZNのEC事業者向け商品在庫保管・配送代行サービス「FBAマルチチャネルサービス」に対応(2019年6月)、ロコンド3558の「LOCONDO.jp」、ストライプデパートメント(株)の「smarby」、ゼンマーケット(株)の「ZenPlus」、Qoo10 PTE.LTD(シンガポール)の「Qoo10.com」との在庫連携(全て2019年9月)、Zホールディングス4689のECモール「PayPayモール」と受注・在庫・商品連携(2019年11月)、(株)フューチャーショップの「futureshop」のCMS機能に対応(2020年3月)、BASE4477の「BASE」と連携(2020年6月)、(株)ブレインウェーブの「はぴロジ」と連携(2020年7月)している。

また2020年7月には、提供するITサービスが経済産業省「IT導入補助金2020」に認定された。

一方で、法改正に伴う人材派遣市場の縮小を見込み、求人・求職情報サイト「@ばる」のサービスを2019年11月に終了させた。

6. 方針の転換
同社は2017年7月期から利益重視の方針を打ち出し、開発・カスタマイズ時の品質管理強化や生産性向上、ストック型商材の売上拡大などを重点施策として推進している。この結果、全社ベースの売上総利益率は2016年7月期38.0%を直近ボトムとして上昇に転じ、2020年7月期には過去最高の44.7%まで上昇した。

開発・カスタマイズ時の品質管理強化や生産性向上としては、受注段階で営業と開発が連携を強化することでカスタマイズ工数を削減することや、トラブル未然防止に取り組むなど、総合的な品質・生産性向上策と売上総利益率上昇策を推進している。2020年7月期からは、組織変更によって営業とサポートを一体化(システム営業、システムサポート)し、連携を一段と強化している。また個別カスタマイズ対応を基本戦略とする一方で、カスタマイズの必要がない受注の拡大、品質・生産性向上によるリードタイム短縮などにより、更なる売上総利益率の上昇を推進する方針だ。

システムソリューション事業におけるシステム保守、Webソリューション事業における「CROSS MALL」及びト「CROSS POINT」など、ストック型商材の売上高が拡大基調であり、全社ベースの売上高及び売上総利益に占める比率も上昇基調である。

2020年7月期のストック型商材の売上高は前期比15%増の4,588百万円、売上総利益は同16%増の2,397百万円、売上総利益率は同0.2ポイント上昇して52.2%となった。2020年7月期は特需の影響でストック型商材の構成比が一時的に低下したものの、売上高は拡大基調であり、全社ベースの利益率向上に寄与する流れに変化はない。同社は、全社ベースの固定費のうち給与の大部分をストック型商材の売上総利益で賄える収益体制となったことから、さらに人件費・固定費を賄える体制を目指す方針としている。

7. リスク要因・収益特性と対策
システム開発関連企業においては開発案件ごとの採算性で利益率が変動しやすく、収益面の一般的なリスク要因として、案件大型化に伴う開発期間の長期化、人件費や外注費の増加、個別プロジェクトの不採算化などがある。ただし同社の場合はパッケージソフト開発・販売が主力のため、受託開発が主力のシステム開発会社に比べて個別プロジェクト不採算化のリスクは小さい。

同社の場合は、顧客に適合した柔軟なカスタマイズによって競合他社との差別化を図っていることが特徴のため、開発・カスタマイズにおける工数増加やバグ発生などが利益率低下要因となるが、この対策としては、既述のとおり利益重視の方針を打ち出し、営業と開発の連携強化によるカスタマイズ工数削減やトラブル未然防止への取り組みに加えて、職場環境改善による品質・生産性向上などにも取り組んでいる。

またシステム開発関連企業においては、大型案件の売上計上や顧客側の検収の時期によって四半期業績が変動しやすいという収益特性がある。同社(7月期決算)の場合も、上期(8月〜1月)よりも下期(2月〜7月)に売上高と利益が偏重する傾向がある。このような傾向に対して、受注の平準化及び継続的な保守サービス等の受注拡大により、売上計上時期の偏重の是正に取り組んでおり、徐々に平準化が進展する見込みだ。なお2020年7月期については、2019年10月の消費税率引き上げ・軽減税率導入、2020年1月のWindows7サポート終了に対応した受注の増加という一時的要因により、上期偏重となった。なお、販管費については、社員の入社やインセンティブなどの関係で第4四半期に増加する傾向がある。

なお、システム開発会社にとっては人材の確保が課題となるが、技術者の採用・育成については、働き方改革・職場環境改善の施策も奏功して概ね順調に推移している。そして技術者の技術水準を一定水準以上に保つべく、技術者の通年採用を積極的に行うことで、開発効率の変動を解消することに努めるとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)



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