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日本株

TKP Research Memo(1):新たな需要の取り込み等により足元業績は回復傾向


*15:01JST TKP Research Memo(1):新たな需要の取り込み等により足元業績は回復傾向
■要約

ティーケーピー
3479は、貸会議室ビジネスを起点とした「空間再生流通事業」を展開している。不動産オーナーから遊休不動産等を大口(割安)で仕入れ、会議室や宴会場などに「空間」を「再生」し、それを法人に小口で販売・シェアリングを行う独自のビジネスモデルに特徴がある。遊休不動産の有効活用を図りたい不動産オーナーと、低コストで効率的に会議室を利用したい法人のニーズを結び付けるところに新たな市場を創出し、高い成長性を実現してきた。国内外の主要都市に244拠点・2,087室と幅広く展開。年間利用企業数は約35,000社に上る。

2019年5月にはレンタルオフィス「Regus」等を展開する日本リージャス社を買収し、同年6月から連結開始したことにより、貸会議室ビジネスとの親和性の高い短中期オフィス事業へ本格参入。時間貸しから短中期のオフィス利用へサービス領域の拡充により、今後、拡大が見込まれているフレキシブルオフィス市場をけん引し、成長を加速する戦略である。さらに2019年9月には台湾リージャス社を買収し、同年12月から連結開始したことにより、アジアを中心とした海外展開へ向けても足掛かりを築いた。リージャス施設としては、日本国内164施設、台湾13施設を展開している。

上期業績は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けて大きく後退したものの、リージャス事業は堅調に推移しているうえ、コロナ禍に伴う新たな需要の取り込みにより足元業績は回復傾向にある。

1. 2021年2月期上期決算の概要
2021年2月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比15.4%減の205.44億円、営業損失が20.13億円(前年同期は35.04億円の利益)とコロナ禍の影響により大幅な減収となり、営業損失を計上した。ただ、重視するEBITDAは黒字を維持するとともに、足元の受注も回復傾向にある。売上高はコロナ禍の影響によりTKP本体が大きく落ち込んだ。ただ、緊急事態宣言解除以降は回復傾向にあり、8月の貸会議室事業の売上高は前年を上回っている。特に試験会場利用やウェビナー案件※に加え、コロナ対策用備品のオプション需要が好調のようだ。一方、コロナ禍の影響をほとんど受けていないリージャス事業は日本及び台湾ともに堅調に推移している。損益面でも、TKP本体については新規出店の抑制や全社的な費用削減に取り組んだものの、急激な売上高の減少に伴って約22.47億円の営業損失を計上した。一方、日本リージャス社は4.37億円の営業利益、EBITDAでも19.75億円の利益を確保した。

※ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を組み合わせた造語であり、Webセミナーやオンラインセミナーとも呼ばれる。


2. 新型コロナウイルス感染症拡大における経営方針と進捗
同社は、1)十分な運転資金の確保と固定費の圧縮(現金及び預金・調達枠を含め約350億円超を確保)、2)事業の選択と集中(コア事業であるフレキシブルオフィス事業に注力)、3)需要の変化への対応(オプション需要や利用形態の変化、長期貸し案件の増加等)により、業績の早期回復はもちろん、withコロナを意識した事業変革にも取り組んでおり、それぞれに一定の成果をあげている。また、コロナ禍によるオフィス環境の変化が追い風となっているなかで、当面はリージャス中心、またはTKP本体との共同出店とする方針であり、TKP本体の単独出店は抑制したうえで、提携による他社施設の活用により初期費用をかけずにスペースを拡大していく戦略である。

3. 業績見通しと中長期的な方向性
2021年2月期の業績予想について同社は、コロナ禍による先行き不透明な状況が続いていることを踏まえ、引き続き未定としている。ただ、主軸のTKP会議室売上が足元回復基調であることやリージャスのサテライトオフィスの需要も旺盛であること、多くの周辺事業が復調傾向にあることから、第3四半期以降は改善に向かい、下期は営業黒字への回復を見込んでいるようだ。2021年2月期の業績はコロナ禍の影響を受けて一旦大きく落ち込むものの、中長期的な方向性に大幅な変更はないとみられる。すなわち、コロナ収束後のオフィス市場の変化を見据え、リージャスとの連携強化やアライアンス戦略の推進により、拡大が見込まれるフレキシブルオフィス市場での圧倒的なポジションを確立するとともに、将来的には事業モデルを海外へ展開することによって成長を加速する戦略を描いている。

■Key Points
・2021年2月期上期はコロナ禍の影響により減収及び損失計上。しかしながら、リージャス事業は堅調に推移しているほか、TKP本体も新たな需要を取り込み、足元業績は回復傾向
・2021年2月期の通期業績予想については、コロナ禍による先行き不透明な状況が続いていることを踏まえ、引き続き未定
・コロナ収束後のオフィス環境の変化を見据え、リージャスとの連携強化やアライアンス戦略の推進により、フレキシブルオフィス市場での圧倒的なポジションを確立していく方向性

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



《YM》

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