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日本株

ヒトコムHD Research Memo(7):2020年8月期は、コロナ禍でもデジタルビジネスの伸長で増収


*15:47JST ヒトコムHD Research Memo(7):2020年8月期は、コロナ禍でもデジタルビジネスの伸長で増収
■業績動向

1. 2020年8月期の業績概要
ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス
4433の2020年8月期の連結業績は、売上高が前期比12.0%増の71,499百万円、営業利益が同5.3%増の3,149百万円、経常利益が同11.9%増の3,361百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同20.5%減の1,370百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益が減少したのは、コロナ禍における市場環境の見通しが不透明となったことからツーリズム関連のグループ企業ののれん(336百万円)や固定資産の一部(82百万円)を減損処理(419百万円)して特別損失に計上したことによる。

持株会社としての設立が2019年3月であるため、第2四半期累計(上期:2019年9月−2020年2月)に対する前年同期の実績値はない。ただし、ヒト・コミュニケーションズと連結の範囲で実質的な変更がないため、それと比較すると上期は売上高が前年同期比13.2%増、営業利益が同17.4%増であった。下期(3月−8月)は、前年同期比で売上高が10.9%増、営業利益が8.9%減となった。

上期と下期で、セクター間の業績が明暗を分けた。コロナ禍の影響により、政府は2020年4月7日に埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県を対象に緊急事態宣言を発令した。同月16日には対象を全国に拡大し、期間はゴールデンウィークまででとされていたが、5月4日の発表で5月31日まで延長された。その後の状況から、全国の緊急事態宣言は5月25日に解除された。感染拡大を抑制するため、従来の手洗い・うがいにソーシャルディスタンスが加わり、さらに「3密」(密閉空間・密集場所・密接場面)の回避と「人との接触8割減」「人の移動制限」が求められ、外出自粛要請も出された。訪日外客数の前年同月比の推移は、2020年1月が-1.1%とほぼ前年同月並みであったが、2月以降急激に減少した。2月が-58.3%、3月が-93.0%、4月から7月の各月が-99.9%、8月が-99.7%とインバウンド需要が蒸発してしまった。

セクター別売上高の上期・下期の前年同期比の増減率を見ると、デジタル営業支援が上期+7.3%:下期+37.2%、販売系営業支援が+16.5%:-3.7%、ホールセールが+2.9%:+7.9%、ツーリズム・スポーツが+79.1%:-59.1%、セールスビジネス支援が-58.9%:+3.5%、その他が-17.4%:+29.9%となった。デジタル営業支援が追い風を受ける一方、販売系営業支援及びツーリズム・スポーツが打撃を受けた。販売系営業支援は、5G需要の高まりの恩恵を受けたが、下期は一部クライアントに店舗休業や時短営業があった。

2020年8月期に、新たに2社が連結対象となった。2019年6月に子会社化したトライアングル(訪日客のランドオペレーター事業)と2018年12月にビービーエフの子会社となった(株)LOWCAL(システム開発及びインフラ構築事業)である。

2. 財務状況とキャッシュ・フロー計算書
(1) 財務状況
2020年8月期の資産合計は27,475百万円と前期末比2,945百万円増加した。現金及び預金の増加(2,002百万円)、受取手形及び売掛金の増加(1,959百万円)により、流動資産は3,712百万円増の18,679百万円となった。固定資産は、投資その他資産における関係会社株式の減少により、766百万円減少の8,795百万円となった。負債合計は、買掛金の増加などで1,959百万円増の15,066百万円であった。有利子負債は675百万円減の5,336百万円に縮小した。純資産は、親会社に帰属する当期純利益などの計上による利益剰余金の増加等により、985百万円増の12,408百万円となった。

財務の安全性の比率では、短期的な支払い能力を見る流動比率が177.2%、長期的指標の自己資本比率は42.4%であった。同社グループのファッション関連事業はOEM・ODMであり、在庫リスクを負っていない。

2020年8月期の経営の総合指標となるROE(自己資本当期純利益率)は12.2%と前期比5.0ポイント低下した。特別損失を計上したため、売上高当期純利益率が悪化した。ROA(総資産経常利益率)は、同0.8ポイント低下の12.9%であった。売上高経常利益率は前期並みの水準であったが、総資産回転率が低下した。ROE、ROAともに10%超の高水準を維持した。

(2) キャッシュ・フロー計算書
2020年8月期末の現金及び現金同等物残高は、前期末比1,938百万円増の8,734百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローが3,663百万円の収入であった。投資活動によるキャッシュ・フローの支出531百万円と借入金返済などにより1,297百万円の支出となった財務活動によるキャッシュ・フローを十分にカバーした。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)




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