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日本株

シュッピン Research Memo(5):上期は減収減益も、主軸のEC売上が順調に伸長(2)


*15:15JST シュッピン Research Memo(5):上期は減収減益も、主軸のEC売上が順調に伸長(2)
■シュッピン
3179の決算概要

2. 事業別の業績
(1) カメラ事業
売上高は前年同期比12.1%減の10,355百万円、セグメント利益は同27.3%減の917百万円と減収減益となった。店舗売上がコロナ禍の影響により前年同期比62.2%減の1,249百万円と大きく落ち込んだ一方、EC売上は同7.5%増の9,106百万円と増収を確保した。店舗売上は、緊急事態宣言発令による臨時休業や営業再開後の時短営業による影響のほか、インバウンド売上の落ち込みにより大きく後退した。一方、EC売上は、6月末までキャッシュレスポイント還元政策の影響によりモール出店分(他社ショッピングサイト)が苦戦したものの、第2四半期以降はコロナ禍に伴う「巣ごもり需要」や新製品効果が追い風となるなかで、これまでのEC強化策※が奏功し、自社サイトが大きく拡大した(自社サイト比率は80.4%に向上)。利益面では、減収による収益の下押しのほか、自社ポイント強化に伴う販管費の増加により減益となり、セグメント利益率も8.9%(前年同期は10.7%)に低下した。もっとも、中古カメラ粗利益率の改善や新品粗利の貢献も大きかったことから計画に対しては上振れる進捗となっている。

※自社サイトのコンテンツの拡充、独自機能やサービスを活用したOne To One マーケティング、当社フォトシェアリングサイト「EVERYBODY × PHOTOGRAPHER.com」と連動したフォトコンテストの実施、中古品の商品紹介コメントの強化など。


(2) 時計事業
売上高は前年同期比38.2%減の3,422百万円、セグメント利益は同66.4%減の111百万円と減収減益となった。コロナ禍の下、少人数完全予約制による営業を実施したことや、海外からの渡航者の入国制限によりインバウンド需要が減少したことから、店舗売上が前年同期比57.1%減と大きく落ち込んだ。一方、EC売上は、各種販売施策が奏功したほか、購入単価の増加等により前年同期とほぼ同水準を維持することができた。利益面でも、減収による収益の下押しや店舗移転リニューアルに関わる費用等により減益となり、セグメント利益率も3.2%(前年同期は6.0%)に低下した。

(3) 筆記具事業
売上高は前年同期比15.7%減の211百万円、セグメント損失は15百万円(前年同期は13百万円の利益)と減収減益となり、セグメント損失を計上した。EC売上は、前年同期とほぼ同水準を維持することができたものの、店舗売上が臨時休業の影響等により前年同期比60.6%減の26百万円に大きく落ち込んだ。利益面でも、減収による収益の下押しや店舗移転リニューアルに関わる費用等により減益となり、セグメント損失に陥った。

(4) 自転車事業
売上高は前年同期比41.4%増の407百万円、セグメント利益は同208.9%増の18百万円と増収増益となった。他の事業と同様、店舗への来店者が大きく減少し、店舗売上は前年同期比42.2%減の26百万円に落ち込んだものの、EC売上が認知度向上に伴う集客力強化により、トレーニング器具や各種パーツを含めて、自社サイト及びモール売上(他社ショッピングサイト)ともに好調に推移し、業績の伸びに寄与した。

3. 四半期業績とKPIの推移
(1) 四半期業績の推移
四半期売上高の推移を見ると、前期(2020年3月期)の第2四半期に過去2番目の水準を達成した後、同第3四半期は消費増税、同第4四半期はコロナ禍の影響を受けて伸び悩み、さらに今期に入ってからは、緊急事態宣言発令に伴う店舗休業等により第1四半期に大きく落ち込んだ。ただ、2021年3月期第2四半期からは、EC売上(自社サイト)の伸びにより、コロナ前の水準に戻ってきた。特に、2021年3月期第2四半期のEC売上だけでみると、過去最高水準を更新している。

(2) Web会員数
2020年9月末のWeb会員数は前年同期比12.1%増の484,121名と順調に伸びた。特に、7月以降の月間当たりの新規会員獲得は月5,000名台(前期は4,131名)が継続しており、これまでのEC強化策が軌道に乗ってきたことでギアが一段上がってきたと言える。世代別の構成比を見ると、年齢層は幅広いが、10代~30代の割合は42.0%を占め、インスタグラムなどのSNS普及により、10代~30代の女性比率は22.2%と高く、新たなターゲット層となっている。また、若い世代が構成比で増加しているなかでも、利用平均単価は維持されているところも特筆すべき傾向と言える。

(3) 購入会員数とアクティブ率
購入会員数とアクティブ率についても、第1四半期に落ち込んだものの、第2四半期はEC強化策(人員リソースのシフト、商品掲載数やコンテンツの拡充等)やカメラ新製品の効果もあり、過去最高を大きく更新した。欲しいリスト登録数や入荷お知らせメール登録数も順調に伸びており、それらのOne to Oneマーケティング施策もアクティブ率を高める要因になっているものと考えられる。

(4) 中古カメラ買取額
一方、中古カメラ買取額についても、第2四半期において前年同期比121.4%と大きく拡大した。これまで取り組んできた「先取交換」などの施策に加え、6月には「AIによる顔認証本人確認サービス」を開始したことや、新製品効果が相互に作用し合っているものと考えられる。特に、下取交換件数及び先取交換件数は、EC強化やフルサイズミラーレス一眼の新製品効果により大きく増加している。

4. 2021年3月期上期業績の総括
以上から、2021年3月期上期業績を総括すると、1)コロナ禍により店舗売上が大きく落ち込んだことと、2)主軸のEC売上がこれまでの施策の効果により順調に伸びてきたこと、の明暗がわかれた状況をいかに評価すべきかがポイントと言える。弊社では、1)はコロナ禍収束までの一過性の要因である一方、2)は戦略の進展に伴う構造的な変化と見ており、今後の成長性を占ううえでは、2)に目を向けるべきと判断している。したがって、業績全体では減収減益となったものの、第2四半期以降の業績の中身を見ると、ECに関わるKPIが順調に拡大していることから、同社は新たな成長ステージに入ってきたものと評価しても良いであろう。また、後述するように、コロナ禍においても、将来に向けた活動をしっかりと進めているところは一定の成果として捉えることができる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)





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