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芙蓉リース Research Memo(5):2021年3月期上期も上期ベースで過去最高業績を更新(2)


*15:45JST 芙蓉リース Research Memo(5):2021年3月期上期も上期ベースで過去最高業績を更新(2)
■芙蓉総合リース
8424の決算動向

(4) エネルギー・環境
2020年9月末の「営業資産残高」(太陽光発電事業)は、前期末比37.6%増の358億円と大きく拡大し、中期経営計画の目標値(2022年3月期の営業資産残高340億円)を既に上回っている。発電容量も大型サイトの稼働により200MWに到達し、こちらも中期経営計画の目標値を前倒しで達成した。なお、ROA が6.7%(前期は4.8%)となっているのは、季節要因(夏場は太陽光発電の稼働が高まる)によるものであり、通期では5.0% 前後の水準に落ち着くものと見られる。また、「ポストFIT」に向けた取り組みとしては、国内外におけるアライアンス先との共同出資案件に加え、コロナ禍での本業不振によるサイト売却案件が増加しており、太陽光発電事業の新たな機会として捉えているようだ。なお、共同出資案件に対するエクイティ残高については81億円(前期末比50億円増)と足元で大きく伸びている。また、アグリビジネスとして取り組んでいる大規模植物工場についても、2020年7月に計画通り稼働を開始しており、2021年夏のフル稼働を見込んでいる。社会課題の解決に向けた取り組みについても、PPAサービス※1や先端再エネ関連技術の開発※2などでも大きな進展があった。

※1 同社初のグリーン電力購入契約(PPAサービス)を盛岡セイコー工業(株)(セイコーホールディングス(株)のグループ会社)と締結(2020年12月サービス提供開始)した。PPAサービスに対する社会的ニーズの高まりを受け、案件ストック数も増加しているようだ。
※2 世界初となる「オンサイトアンモニア生産システム」の開発・商業化を進めている、つばめBHB(株)(ベンチャー企業)との資本業務協定を締結した。アンモニアは水素の運搬・貯蔵を容易にする「エネルギーキャリア」として、またエネルギーとして使用する時にCO2を排出しない「CO2フリー燃料」として注目されている。


(5) 医療・福祉
2020年9月末の「営業資産残高」(他事業分野との重複を含む)は、前期末比3.6%増の1,018億円に拡大した。プラットフォーム構想により事業者ごとのニーズに即したソリューション提供に取り組んでおり、その一環として、持続的かつ安定的な介護サービス実現のため、大手介護事業者及び金融機関と協働した介護事業者サポートプログラム※を構築中である。また、アクリーティブの診療・介護報酬債権ファクタリング(FPSメディカル)の残高についても、前期末比8.7%増の187億円に増加した。行政の緊急融資制度等による資金繰り支援により代替されたことから、残高増加ペースはこれまでよりも緩やかとなったが、着実な伸びを確保したと評価できる。また、「非対面・非接触」という社会的ニーズに応えるため、「FPSメディカル」専用Webサイト「Medicare in」を開設している。

※介護事業者に対して、金融機関と同社による資金面のサポートに加え、大手介護事業者による経営支援サービスと同社ソリューションを組み合わせたソフト面でのサービスを共同で提供予定である。


(6) BPOサービス事業(新領域)
2019年8月に連結化したNOCによる幅広いバックオフィスサービスや業務コンサルティングが上乗せ要因となった。BPOサービス事業を担う中核子会社の経常利益(上期ベース)は、インボイスが22億円、アクリーティブが7億円、NOCが1億円と堅調に推移した。withコロナにおける環境変化(働き方改革、DX拡大、規制改革・法制度改正等)が追い風となり、足元のBPOニーズは拡大傾向にあるようだ。グループ連携により新たなニーズ※への対応にも注力している。

※テレワークシフト時に残る人手のかかる業務(経理関連処理等)のアウトソーシングや、シェアードサービス子会社の総務業務の一括アウトソーシングなどに取り組んでいる。


(7) モビリティビジネス(新領域)
これまでのコア分野として展開してきたオートリース事業を成長性の見込めるモビリティビジネスに再定義。その一環として、2020年4月からはヤマトホールディングスの子会社であるヤマトリースの連結化を開始した。それに伴って、2020年9月末の「営業資産残高」は前期末比90.5%増の1,860億円に大きく拡大している。市場の大きな自動車カーシェア、運輸、倉庫などをターゲットとし、幅広いソリューション提供により、車両・物流業界の課題解決をサポートしていく戦略である。ヤマトリースは、中古トラックの取扱いや提案型営業、物流業界に特化した約3,000社の顧客基盤などに強みを有しており、同社にとっては新たなマーケットの獲得(裾野の大きな中小運送事業者へのアクセス)やBPOサービスなどとのクロスセルによるシナジー創出に大きなメリットが期待できる。なお、ヤマトリースはリース会社初となる自動車運送事業者を対象とする「働きやすい職場認証制度※」の推進機関に認定された。トラック運送事業者に対し、認証取得のサポートを含めた経営支援サービスを提供していく方針であり、コンサル型ビジネスの展開を通して、顧客ニーズの把握とソリューション提案にもつなげていく考えだ。

※運転者の労働条件や労働環境を改善するとともに必要となる運転者を確保・育成するために長時間労働の是正等の働き方改革に取り組む事業者を認証する制度。


4. コロナ禍による影響(まとめ)
コロナ禍による上期業績への影響をまとめると、不動産やベンダーリース、資金コストへの影響は限定的であり、期初想定した下振れ要因とはなっていない。一方、「航空機」事業は、航空需要の落ち込みや回復の遅れにより厳しい環境が継続している。したがって、未収リース料に対する貸倒引当金の計上など、貸倒関連費用は下期も一定程度の発生を見込むが、現時点で期初想定を超えるような状況にはないと言える。

5. 2021年3月期上期の総括
以上から、2021年3月期上期を総括すると、コロナ禍においても増収増益を確保し、計画に対しても順調に進捗しているところは評価すべき点と言える。ただ、その中身を見ると、好調な不動産リースなどによる営業資産の積み上げや、M&A効果を含めて新領域が伸びてきたところはプラスの材料となった一方、「航空機」事業がコロナ禍の影響を受けて落ち込み、依然として不透明な状況が継続しているところはマイナスの材料となっており、分野によって明暗が分かれているところが特徴的である。もっとも、マイナス材料についても想定内に抑えられており、現時点で下振れ要因とはなっていない。また、活動面においては、今後の成長性が見込める「エネルギー・環境」分野での新たな取り組みや新領域(BPOサービス、モビリティビジネス)の体制強化などに向けて様々な施策を打ち、一定の成果を残した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



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