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日本株

芙蓉リース Research Memo(8):事業拡大やフロンティアへの挑戦で営業資産積み上げとROA向上を目指す(2)


*15:48JST 芙蓉リース Research Memo(8):事業拡大やフロンティアへの挑戦で営業資産積み上げとROA向上を目指す(2)
■成長戦略

3. 各戦略分野の方向性
(1) 不動産
最終年度の営業資産残高を5,300億円に積み上げ、ROAは2.2%の水準を維持していく方針である。引き続き、アライアンス先の拡大を図るほか、豊富な不動産情報(年間4,000件)を活用した芙蓉総合リース
8424主導型案件を推進していく。また、不動産事業の領域拡大を見据え、保有不動産管理体制の強化(モニタリングを含む)にも取り組む。

(2) 航空機
足元では、コロナ禍の影響を踏まえ慎重な営業姿勢を継続しており、自社保有機体数は横ばいで推移している。今後は、コロナ禍の収束を前提として、自社保有型リースに加え、JOL※1を始めとした回転型ビジネスの一部取入れにより収益拡大を図るほか、足元でのマーケットの変化※2を捉えた機体数の積み上げにも取り組むとともに、周辺事業への領域拡大も進めていく。

※1 日本型オペレーティングリース。
※2 コロナ禍の影響等により、航空会社においては手元流動性の確保を目的として自社保有機をリースへ切り替える動きが出てきている。優良エアラインからの引き合いも増加傾向にあるが、同社では、良質案件を選別し、慎重に対応していく方針である。


(3) 海外
最終年度の営業資産残高1,100億円、ROA1.6%を目指している。これまではインオーガニック(出資、買収、提携等)戦略を中心に事業拡大を進めてきたが、今後はオーガニックな収益拡大を目指す方針であり、同社が強みを持つ分野(不動産、エネルギー・環境等)を中心として、顧客と連携した海外案件を推進していく。また、タイでのリース事業強化や台湾拠点設立など、海外ネットワークの更なる拡大にも取り組む。

(4) エネルギー・環境
主力の太陽光発電事業は、最終年度の発電容量を202MW、営業資産残高を340億円に拡大するとともに、ROAも6.0%と高水準を維持していく方針である。前述のとおり、既に発電容量及び営業資産残高は最終目標を前倒しで達成している。今後は、「ポストFIT」に向け、PPA(電力販売契約)サービスの提供や新たに参画した植物工場の運営などへ展開し、持続可能な社会構築にも貢献していく方針である。

(5) 医療・福祉
最終年度の営業資産残高(他事業分野との重複あり)として950億円を目指していく。引き続き、専門性の高いプレーヤーとの協業による事業領域拡大やアドバイザリー機能の更なる展開に取り組む。また、これとは別に、アクリーティブの診療・介護報酬債権ファクタリング(FPSメディカル)の営業資産残高300億円も目指しており、地域金融機関及び医療コンサル等との連携をさらに深めていく方針である。

(6) 新領域(BPOサービス)
新領域は、新規事業やビジネス領域の拡大など「新しい取り組みとなるビジネス」の総称であり、ノンアセットビジネスを中心としたフロンティア拡大により、最終年度の経常利益40億円程度を計画している。今後は、幅広いバックオフィスサービスを展開しているNOCとの連携を本格化させ、ウィズコロナに伴ってニーズが拡大しているBPOサービスの更なる強化(ポジション確立)に取り組む。

(7) その他の取り組み(モビリティビジネス)
2020年4月からヤマトリースの連結化により新たな戦略軸として追加された。ヤマトリースとのシナジー創出やヤマトホールディングスとの連携などを通じて、ポテンシャルの大きな車両・物流業界へのソリューション提供により、足元利益水準(約30億円)を将来的には倍増させ、事業ポートフォリオの一角を担う水準にまで成長させる方針である。

4. 弊社アナリストの注目点
弊社でも、コロナ禍による影響は気になるものの、戦略分野における外部環境やこれまでの実績、同社の優位性から判断して、営業資産残高の拡大は残り1年半で十分達成できると評価している。また、最大の注目点であるROAの向上についても、1)「不動産」「エネルギー・環境」などROAの高い事業の拡大や、2)資産効率の高いBPOサービス事業の伸びにより大きく良化する傾向にあり、ほぼ戦略シナリオどおりに進捗していると評価しても良いだろう。したがって、今後もコロナ禍の影響(ポストコロナ)による環境変化にも柔軟に対応しながら、これまでの戦略をさらに推し進めることが重要となるだろう。また、モビリティビジネスの強化にも見られるように、次の中期経営計画に向けて、新たな戦略軸(収益の柱)を育てていくことも重要なテーマと言える。特に、「エネルギー・環境」分野など、社会的課題の解決に向けた取り組みをいかに特定し、同社自身の持続的な成長に結び付けていくのか、具体的な動きにも注目していきたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



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