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1stコーポ Research Memo(4):土地の手当が引き続き課題に


*15:14JST 1stコーポ Research Memo(4):土地の手当が引き続き課題に
■今後の展開

マンション開発において「土地を制する者がすべてを制する」(中村利秋(なかむらとしあき)代表取締役社長)と言われるなかで、ファーストコーポレーション
1430は本格的に土地開発の専任部隊を置き、良質な土地を確保している。そこにデベロッパーと協調しながら良い建物を建てていく──そうした形で事業を進めているが、現実に造注方式の大元となる建設用地の確保が着実に進んでいる。

最近の収益動向の一服は、コロナ禍による一時的な悪化要因のほか、用地確保が厳しかったことが理由として大きい。ホテルとの競争激化が沈静化しながらも、なお、地権者は強気な状況にあり、この面での環境は引き続き厳しいものとなっている。

ただ、土地取引に関しては、かつてがそうだったように、潮目が変わるとがらりと様相が変化する特徴があり、それを待っている段階だ。用地確保がスムーズになるとともに、造注方式の案件がさらなる増加が見込めるようになれば、収益が再び上向くことが期待できるようになる。その意味でも、良質な土地がいかに手当てできるかが、当面の課題となるのは語るまでもない。

また、今後の成長を考えるうえで注目できるのが、健常シニア用のマンション、いわゆるアクティブシニア向けのマンションだ。高齢者向けのマンションというと、多くの業者が介護付きのサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)で展開し、アクティブシニア向けを手掛ける業者は少ないが、同社はこの分野で先行している。

シニア向けは、そもそも通勤仕様ではないため、駅前立地でなくて良い。さらに、温泉やジムなど付帯設備の建設で単価がアップできるなど、利益面でも期待できる案件だ。大型の案件である東京都八王子市のプロジェクトも、アクティブシニア層を主要ターゲットとしたマンションとして共同事業で行う。

大型案件のなかには、デベロッパーと共同事業で行うケースもある。これまでもいくつか実績があるものの、今後もデベロッパーと組む案件が多くなっていくものと見られる。これらは収益の下支え効果をもたらしそうだ。

顧客となる取引先も増加した。2020年5月期は31社だったのが、この上半期には三菱地所レジデンス(株)が加わり32社に増加している。さらに、2021年5月期には、大手著名デベロッパーからの受注が見込まれ、33社に拡大する見通しだ。具体的な取引先としては、(株)アーネストワン、東京建物(株)、日本土地建物(株)、日鉄興和不動産(株)、三井不動産レジデンシャル(株)、阪急阪神不動産(株)、東急不動産(株)(東急不動産ホールディングス
3289)、(株)中央住宅といった大手の著名デベロッパーが多く名を連ねている。今後も取引先が拡大するとともに、ビジネスの幅も広がっていきそうだ。


再開発事業が開花すれば収益は再び上昇基調に
さらに、同社は、再開発事業に注力している。この分野では、現在、JR前橋駅北口地区第一種市街地再開発事業に事業施行者として参画している。また、工事の入札にも参加し落札した。ここでは、地上27階建の施設を建設するなど、同社にとって大きな案件となる。2020年に着工し、いよいよ収益に貢献し始める。このプロジェクトで高層建築の実績を構築でき、今後のタワーマンションへの展開に強力な武器となるだろう。新たな収益源として貢献することが期待できそうだ。

前橋駅のプロジェクトについては、2023年10月の工事完了を見込んでいる。また、再開発に関しては、横浜エリアにも再開発予定用地の一部を取得。そのほかにも地方都市の再開発事業に参画するための布石を打っており、将来的にこれらの再開発ビジネスが開花すれば、同社の収益は上昇基調を確実なものにすると思われる。その意味で、前橋のプロジェクトに対する期待は大きい。


コロナ禍における新しい生活様式への対応
同社でもコロナ禍の影響は少なからずあった。とりわけ、前述したモデルルームでの商談ができなかったことが、販売に大きく影響した。対策としてはバーチャルリアリティーによる商談が考えられるが、販売会社が対応していない。というのも、マンション購入というのは、一般消費者にとって「一生に一度の買い物」である。それをオンライン取引で完結するのはどうにも無理が生じる。現地で、モデルルームを観る、実際に物件を直接チェックして初めて、購入に踏み切るものであろう。そうした意味において、コロナ禍の終息が1日も早く待たれるところだ。

一方で、コロナ禍による新しい生活様式は、マンション販売動向にも微妙な影響を及ぼしている。マンション販売は、都心部の高価格帯物件と郊外のリーズナブルな物件の二極化が進んでいるが、昨今ではテレワーク化の推進によって、郊外型の案件に住居ニーズが移りつつあるという。それに合わせ、同社も郊外の案件に目を向けており、実際に商談を進めている。今後も郊外型の物件に注力する考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)




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