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平和RE Research Memo(6):「運用資産の着実な成長」と「中長期的な安定収益の確保」を推進(1)


*15:06JST 平和RE Research Memo(6):「運用資産の着実な成長」と「中長期的な安定収益の確保」を推進(1)
■中長期の成長戦略

1. 中期目標
平和不動産リート投資法人
8966では2019年11月期決算発表時に掲げた中期目標として、今後3~5年内に1口当たり分配金2,750円、資産規模2,000億円の達成を目指す。2020年11月期には1口当たり分配金を2,680円にまで増やしているが、今後も、外部成長で31円以上、内部成長で165円~214円、費用削減で38円を計画している。外部成長戦略では、スポンサーパイプラインの活用により継続的に物件を取得するほか、資産入替を継続することで将来の分配金の拡大・安定化を図る。また、内部成長戦略では、大きく膨らんだ賃料ギャップを背景に賃料の増額改定や、LED・空調更新など省エネ対応工事による水光熱費削減などを図る。さらに、費用削減では、引き続き金利費用の低減や継続的な販管費の削減を図る。資産入替を通じた収益力強化とともに、実現益を通じた内部留保の維持・拡充を図る方針であり、潤沢な内部留保やフリーキャッシュの活用もあって、2021年5月期には分配金の中期目標を達成する見通しである。なお、2021年5月期決算発表時には、新たな中期目標を発表すると見られる。

2. 外部成長戦略
外部成長戦略としては、幅広い物件情報ルートをもとに、今後も継続的な資産規模の拡大を図る一方で、資産入替の検討等も行い、中長期的なポートフォリオの質の向上を図り、着実な投資主価値の極大化を目指す方針だ。そのために、第1に着実かつ健全な外部成長戦略を継続する。すなわち、過熱したマーケットに振り回されず、ポートフォリオの質と収益性の向上に資する物件に厳選投資を行う。また、スポンサーと協働し、開発等、多様な手法による取得機会の拡大を図る。さらに、借入余力を活用した機動的な物件取得を行う。第2に入替戦略の継続的な取り組みも行う方針で、低収益物件、地方エリアに立地する小規模レジデンスを優良なオフィスやレジデンスに入れ替え、ポートフォリオの収益力改善を図る。第3に用途・エリアを厳選する方針で、優良なオフィスとレジデンスの双方への厳選投資や、東京都区部をメインエリアとし、スポンサー・サポートが得られる地方大都市にも厳選投資をする。

スポンサー変更以降、資産の入替戦略を積極的に進めてポートフォリオの再構築を図るとともに、稼働率の上昇や賃料改定などにより収益力強化を図った結果、次第に含み益が拡大し、NOI利回りも上昇するなど、ポートフォリオの質が大幅に改善している。今後も同戦略を推進することで、ポートフォリオの更なる改善を図る方針である。

また、同REITとスポンサーである平和不動産は、スポンサー・サポートを活用したレジデンス開発を積極的に展開している。2015年に竣工のHF田端レジデンスを皮切りに合計8プロジェクトを立ち上げ、現在までにそのうち6物件が竣工、3物件を取得している。 残りの2プロジェクトについても順調に進行しており、同REITの将来のパイプラインを支えることになる。合わせて、オフィス物件として東京都品川区大崎の物件がパイプラインに加わった。

3. 内部成長戦略
内部成長戦略としては、平和不動産グループが培ったデータベースや情報ネットワークを活用することにより、賃貸マーケットの動向を迅速に把握し、きめ細かなプロパティ・マネジメントを行うことで、運用資産の稼働率及び賃料水準の維持・向上を図るなど、積極的かつ効率的な運営管理により、着実な内部成長を目指す。すなわち、第1に高稼働率の維持・向上を図り、スポンサー、PM(プロパティ・マネジメント)会社と連携し適切かつタイムリーなリーシング施策の実施によるテナント需要の取込み、良質な運営・管理、CS(顧客満足度)対応施策の実施によるテナント退去の防止、ダウンタイム(空室期間)の短縮などを掲げる。第2に賃料増額による賃貸収益の向上を目指し、テナント入替時及び契約更改時における賃料増額(是正)を推進する。第3に戦略的な資本投下を行い、物件競争力、収益性及びCS向上につながるバリューアップ工事を計画的に実施する。第4には付帯収入の増加と各種費用の削減を継続する。

現状、オフィスでは2020年11月期中の平均稼働率が98.7%と、前期比では若干低下したものの依然として高水準を維持している。また賃料指数(物件売買の影響を排除したポートフォリオの賃料変動の方向性を示す指標)も回復トレンドを継続している。時間の経過とともに損益計算書上の賃料単価は契約賃料単価に収斂することで、今後も分配金の自立的な回復につながると予想される。なお、上昇を続けている賃料指数は、上場時の2005年を100とすると現在は93.7であり、依然として十分な増加余地があると考えられる。コロナ禍で一時停滞していたテナントの動きが徐々に回復してきており、特に同REITの主要顧客は中小事業者が中心であることから、テレワーク促進等による退去の動きは見られないようだ。また、一時中断していた既存テナントとの賃料交渉は2020年8月以降緩やかに再開している。この結果、改定件数は前期比で減少したものの、改定率は従前水準を維持している。今後はコロナ禍の収束に伴い、従来の状況に回復する可能性が高いと弊社では見ている。

また、レジデンスにおいても、2020年11月期中の平均稼働率は94.6%と、コロナ禍の影響を受けながら非繁忙期としては高水準を維持した。コロナ禍に伴い、一時都心部を中心に稼働率が低下し、リーシング期間が長期化したものの、期末に向けて各種リーシング施策(インターネット無料化、家具家電の設置、募集条件の緩和など)を実施したことで、期末稼働率は急速に回復しており、2021年5月期に向けて好スタートを切っている。一方賃料指数は、期末のリーシング施策実施で新規募集賃料を減額し、通常月の3倍の入居を決定したことから低下したものの、基調としては拡大傾向を持続している。今後も、外壁・共用部分の改修工事などのニューアル工事の実施によって、物件競争力強化と資産価値の維持向上を図ることで、賃料水準の改善と収益力の拡大を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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