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日本株

Shinwa Research Memo(2):美術品オークション業界におけるパイオニア


*15:02JST Shinwa Research Memo(2):美術品オークション業界におけるパイオニア
■会社概要

1. 事業概要
Shinwa Wise Holdings
2437は、国内最大級の美術品オークション会社を傘下に持つ純粋持株会社である。1989年の創業以来、業界のパイオニアとして国内のオークション市場をリードするとともに、業界唯一の上場会社でもある。日本の近代美術を中心として、近代陶芸やブランド雑貨、時計、宝飾品なども手掛けている。特に、同社は2,000万円以上の高額落札作品を得意として扱っている。

美術品に対する専門性の高さや富裕層マーケティングによる人的ネットワーク、実績に裏打ちされた信用力やブランド力などを強みとして、業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立してきた。

2017年12月1日には、ホールディングス体制へと移行し、シンワアートオークション(株)からShinwa Wise Holdings(シンワワイズホールディングス)(株)へと社名変更。各事業の強化や連携、新規事業の育成などを通じて、Shinwa Wiseグループとして富裕層向けビジネスの更なる発展と、ひいては国内美術品市場の活性化に貢献するところに狙いがある。

事業セグメントは、創業以来の主力となる「オークション関連事業」のほか、太陽光発電施設の販売やバイオマス発電所向けPKSの販売などを手掛ける「エネルギー関連事業」の大きく2つに区分される。

各事業の概要は以下のとおりである。

(1) オークション関連事業
「オークション関連事業」は、大きく「オークション事業」と「オークション関連その他事業」に分けられる。

a) オークション事業
オークション事業は、取扱作品・価格帯により、近代美術オークション、近代陶芸オークション、近代美術Part IIオークションを定期的に開催するほか、ワイン・西洋美術・戦後美術&コンテンポラリーアートオークション・ブランド雑貨・時計・宝飾品等のオークションも随時開催する。「オークション関連事業」の売上高は、主に落札価額によって異なり、落札価格に対する手数料収入(落札手数料及び出品手数料)で構成されるほか、カタログ収入や会費収入なども含まれる。

b) オークション関連その他事業
オークション以外の相対取引であるプライベートセールを中心に構成されている。オークション取引と同様に、販売価格をベースに販売委託者及び購入者から手数料を徴収する場合と、同社が作品を買い取り、その在庫商品を購入希望者に販売する場合とがある。

同社は、美術品市場全体の安定化と規模の拡大を目的として、いわゆる近代美術の巨匠と言われる作家の名品(マスターピース)クラスの作品を数点購入し、戦略在庫として保有するとともに、作品ごとに販売時期、価格及び販売先などを含め、最も合理的な販売を実現することにより、販売益の獲得や効果的なマーケットメイクを目指している。また、2018年9月には子会社Shinwa Prive(シンワ プリヴェ)(株)が新たに画廊スペースを設け、顧客のニーズに細やかに対応できる体制を整えた。さらには富裕層向けビジネスの一環として、資産防衛を目的としたダイヤモンド販売※にも注力している。

※富裕層向けビジネスの一環として、資産防衛を目的とした「シンワダイヤモンド倶楽部」を展開している。資産防衛の手段として最適(価値の安定性をはじめ、持ち運びや換金が容易な現物資産)と言われるダイヤモンド取引の最大の課題は、購入価格の透明性にあるが、同社グループでは、これまで15年以上の宝石オークションとダイヤモンド取引で培った世界のネットワークを活用し、ダイヤモンドホルダーとなる富裕層が、適正な価格で購入できる仕組みを提供している。


なお、手数料収入と商品売上高は、売上高に対する量的なインパクトが異なるため注意が必要である。「オークション関連事業」の業績を判断するためには、取扱高及びセグメント利益を見るのが妥当と言える。

(2) エネルギー関連事業
2014年5月期より開始した(低圧型)太陽光発電施設の販売を主に富裕層向けに行うとともに、(高圧型)太陽光発電施設※1を自社保有することによる売電事業も展開している。ただ、これまで約400基の実績を上げてきた(低圧型)太陽光発電施設の販売については、優遇税制措置が終了したことや政府による電力買取価格(FIT)の継続的な引き下げにより収束の方向性である。一方、2017年4月には、マレーシアから日本へのPKS輸出販売※2を開始しているが、本格的な収益化については、国内のバイオマス発電所の完工ラッシュが始まる2021年頃から2023年となる見込みである。

※1 兵庫県西脇市(800kW級)と埼玉県秩父市(約2,300kW級)に大型太陽光発電施設を保有してきたが、埼玉県秩父市については2021年5月期上期に売却済み。
※2 2017年4月に、「エネルギー関連事業」の収益の柱の1つとして、マレーシアにおいて、バイオマス発電の燃料となるPKSの日本への輸出販売事業を開始した。連結子会社Shinwa ARTEX(株)の100%子会社(SHINWA APEC MALAYSIA)が展開している。バイオマス発電は、政府の長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)でも重要な電源として位置付けられているが、その燃料としてPKSへの注目度は高く、取扱量もここ数年で急速に伸びてきた。今後、バイオマス発電所の建設が急速に進むものと予想されており、PKS需要の拡大余地は大きい。


2. 企業グループの状況
2017年12月1日からホールディングス体制へと移行し、連結子会社7社(孫会社3社を含む)、非連結子会社2社及び持分法適用関連会社1社により構成されている。特に、Shinwa Auction(株)(オークション事業)、Shinwa Prive(アートディーリング、画廊業)、新規事業を束ねる戦略子会社Shinwa ARTEXの3社を中核とする体制となっており、各事業の強化と連携、新規事業の育成に取り組んでいる。

3. 企業特長
同社の主力事業である美術品オークションには、安定的な価値付けが不可欠である。したがって、取扱商品に対する専門性の高さや実績に裏打ちされた信頼性のほか、オークション開催に関わるノウハウ(作品の預かりから、査定、カタログ作製、下見会、オークション会場運営、作品の発送等の業務プロセス)などが参入障壁となっている。特に、同社が業界のリーディングカンパニーとしての地位を確保することが可能であったのは、近代美術を得意分野として実績を積み上げてきたこと、富裕層マーケティングの積み重ねにより人的ネットワークを構築してきたことが挙げられる。また、今後さらに他社との連携等により、ブロックチェーンを活用した美術品認証やスマート取引をはじめ、新たなコレクターの育成や一般投資家を呼び込むための仕組みづくりにも取り組んでおり、新たなプラットフォーム構築により市場の活性化を図り、同社自身の優位性や成長にもつなげていく方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



《YM》

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