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日本株

すららネット Research Memo(5):2020年12月期の営業利益は738.0%増と過去最高売上・最高益を記録


*15:15JST すららネット Research Memo(5):2020年12月期の営業利益は738.0%増と過去最高売上・最高益を記録
■業績動向

● 2020年12月期業績の概要
(1) 損益状況
すららネット
3998の2020年12月期の業績は、売上高1,649百万円(前期比44.5%増)、営業利益540百万円(同738.0%増)、経常利益548百万円(同734.6%増)、当期純利益379百万円(同764.2%増)となった。

コロナ禍により、オンライン学習への関心・需要が政府による後押しもあり進捗し、導入校数(2020年12月期末)は2,432(前期末比1,376増)、ID数(同)は373,783(同303,816増)と大幅に増加したことで、売上高は大幅に増加し、過去最高を記録した。売上総利益率は78.3%(前期は78.8%)と若干低下したものの、これは理科・社会をリリースしたこと、開発投資やサーバー費用の増加、BtoC売上高の増加に伴う「すらら」コーチへの支払いが増加したことなどによる。一方で、緊急事態宣言や外出自粛要請等を受けたことによる出張費用の減少、前期に実施したTVCMを実施しなかったことなどから販管費は751百万円(前期比9.9%減)となった。この結果、営業利益は前期の64百万円から540百万円へと大幅に改善した。なお、同社自体へのコロナ禍の影響はほとんどなかった。

営業利益の増減要因は、増収により508百万円増、売上原価の増加(主にBtoC売上増による「すらら」コーチへの支払い増加、サーバー利用料の増加、償却負担増加)により115百万円減、広告宣伝費の減少(主にBtoC向けTVCM)により120百万円増、コロナ禍の影響による活動自粛や残業減などにより給与及び手当が24百万円減、また賞与(繰入含む)も20百万円減、コロナ禍による旅費交通費の減少により20百万円増、その他経費の増加による12百万円減であった。

(2) マーケット別動向
a) 学習塾マーケット
2020年12月期末の導入校数は1,075(前期末比244増)、同ID数は24,866(同6,717増)、売上高は719百万円(前期比15.8%増)となった。コロナ禍の影響もあり、既存導入塾及び新規導入塾でのオンライン学習需要が拡大し、同社の「すらら」の活用が拡大した。また「IT補助金2020」の導入支援事業者として認定されたことも追い風となり、中堅ローカル塾の大型契約を獲得したこと、放課後等デイサービス施設が伸長したことも増収に寄与した。一方で、独立開業市場は自粛要請で減速傾向となり、小規模の塾では廃業するところもあった。

b) 学校マーケット
2020年12月期末の導入校数は1,302(前期末比1,119増)、同ID数は343,151(同296,571増)、売上高は615百万円(前期比82.9%増)となった。ID数の内訳は、ID課金が334,566(前期末比301,090増)、校舎課金が8,585(同4,519減)であった。なお、校舎課金に対しては営業活動を行っていないため、今後も減少が続く見込みである。

コロナ禍で臨時休校していた小中高校への支援として、同社は2020年3月からGW明けまでの期間に、国公立・私立学校等369校で約15万IDを無償で発行した。これにより同社サービスが各地・各学校で見直され、無償期間終了後も一定数が有償契約へ切り替えた。また、2020年8月には経済産業省によるEdTech導入補助金の交付が決定したことに加え、文部科学省が進めるGIGAスクール構想に伴い、自治体・公立学校からの引き合いが大きく増加した。

この結果、2020年12月期末の契約公立学校数は861、ID課金数は289,576となった。このうち、EdTech導入補助金を利用している公立学校数は616、ID数は217,473となっている。これまで同社の契約先は主に私立学校であったため、公立学校との契約が増えたことは同社にとって新たな市場が開拓されたと言える。

c) BtoCマーケット
2020年12月期末のID数は3,416(前期末比1,067増)、売上高(海外市場含む)は314百万円(前期比71.6%増)となった。コロナ禍により、同社が提供する在宅学習やオンライン学習の需要が拡大し、新規申し込みが大幅に増加した。また在宅学習向けオンライン学習教材として多数のメディアに掲載されたことにより、知名度も上がった。

d) 海外マーケット
2020年12月期末の導入校数は55(前期末比13増)と増加したが、同ID数は1,936(同465減)と前期末比では減少した。コロナ禍により、スリランカ、インドネシアでは休校が続いたことなどからID数は減少した。しかし海外でも在宅オンライン学習需要が高まる兆しがあり、コロナ禍収束後には成長が期待できる。特に同社の場合、現地語で授業を行っていることから、主に英語で授業を行っている他社との競争力は強い。各国で自宅のインターネット環境、ノートPC・タブレットなどの整備・普及が進むにつれて同社教材に対する需要も徐々に拡大するものと思われる。なお、コロナ禍の影響でJICAプロジェクト(エジプト)は休止状態が続いているが、経済産業省「未来の教室」海外展開実証事業などオンラインで実施する新しいプロジェクトを実施した。

(3) 財務状況とキャッシュ・フローの状況
2020年12月期末の財務状況は以下のようになった。資産合計は前期末比747百万円増の1,780百万円となったが、主に現金及び預金の増加419百万円、売掛金の増加229百万円、ソフトウェア開発に伴う無形固定資産の増加101百万円などによる。負債合計は同354百万円増の496百万円となったが主に未払法人税等の増加184百万円、未払消費税等の増加55百万円などによる。純資産合計は同392百万円増の1,284百万円となったが、主に当期純利益の計上による利益剰余金の増加379百万円による。

また、2020年12月期の営業活動によるキャッシュ・フローは600百万円の収入となったが、主な収入は税引前当期純利益548百万円、減価償却費105百万円、仕入債務の増加59百万円、未払消費税等の増加55百万円などで、主な支出は売上債権の増加229百万円などによる。投資活動によるキャッシュ・フローは187百万円の支出であったが、主にソフトウェアを中心とした無形固定資産の取得による支出187百万円による。財務活動によるキャッシュ・フローは7百万円の収入であったが、主に新株予約権の行使による株式の発行による収入7百万円であった。

この結果、2020年12月期の現金及び現金同等物は419百万円の増加となり、期末残高は953百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



《YM》

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