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ファンペップ Research Memo(1):高額な抗体医薬品の代替を目指す抗体誘導ペプチドを開発するバイオベンチャー


*15:21JST ファンペップ Research Memo(1):高額な抗体医薬品の代替を目指す抗体誘導ペプチドを開発するバイオベンチャー
■要約

ファンペップ
4881は大阪大学大学院医学系研究科の機能性ペプチドの研究成果を実用化する目的で、2013年に設立されたバイオベンチャー。独自開発した機能性ペプチドをベースとした抗体誘導ペプチド技術により、高額な抗体医薬品の代替となる医薬品の開発を目指している。また、機能性ペプチドに関しては、化粧品向け等にも少量だが販売している。社名のファンペップの由来は、機能(function)を持つペプチド(peptide)の可能性を追求し、新たな医薬品等の開発によって社会に貢献する企業になるとの想いを込めて名付けられた。

1. 抗体誘導ペプチドの特徴と優位性
同社独自の技術である抗体誘導ペプチドは、キャリア※となる機能性ペプチド「AJP001」に標的タンパク質(自己タンパク質)のエピトープを組み合わせることで、標的タンパク質の動きをを阻害する抗体産生を生み出すことができるのが特徴となっている。生物由来のキャリアを用いる他の抗体誘導ペプチドは、反復投与時に効果が減弱する可能性があることや、製造上の品質管理が難しいこと、副作用を引き起こす懸念があるなどの課題があったが、同社の抗体誘導ペプチドはこれらの課題を解消できるといった優位性がある。また、抗体医薬品と比較すると製造コストが1割程度の水準と大幅に低減できる可能性があり、患者アクセスの促進や医療財政の問題に対する改善効果も期待できる。このため、抗体医薬品の代替薬になることが期待される。

※キャリアは自己タンパク質に対して抗体を産生させる役割を果たす。


2. 主要開発パイプラインの動向
同社の開発パイプラインで最も進んでいるのは、皮膚潰瘍(褥瘡、糖尿病性潰瘍)を適応症とする「SR-0379」となる。塩野義製薬
4507と2015年に全世界を対象としたライセンス契約を締結(契約総額は100億円)しており、現在は国内で第3相臨床試験に向けたPMDAとの協議を終え、2021年12月期第2四半期の臨床試験入りを目指している。主要評価項目については、「植皮等の簡便な外科的措置までの期間」に決定している。「SR-0379」は創傷治癒促進効果と抗菌活性の両方の効果があり、これまでにない治療法として患者のQOLの大幅な向上につながる治療薬として期待されている。弊社では2024年の上市を見込んでいる。国内での対象患者数が約100万人で、潜在市場規模は100億円程度と弊社では見ている。また、国内での臨床試験の結果が良好であれば、塩野義製薬が海外でも開発を進めていくか判断していくことになる。抗体誘導ペプチドでは乾癬を適応症とした「FPP003」(大日本住友製薬4506と北米におけるオプション契約を締結)の第1/2a相臨床試験が、2019年4月よりオーストラリアで進められている。新型コロナウイルス感染症の状況次第ではあるものの、2021年内には臨床試験終了と結果発表を行いたい考えだ。その他、花粉症を適応症とした「FPP004」、乾癬を適応症とした「FPP005」については前臨床試験段階となっている。「FPP005」については今後、潰瘍性大腸炎等の消化器系疾患に広がっていく可能性がある。

3. 業績動向
2020年12月期の業績は、事業収益で2百万円(前期比298百万円減)、営業損失で564百万円(前期は285百万円の損失)となった。前期に計上した開発マイルストーン及び研究開発協力金がなくなったことが減収並びに損失拡大要因となった。2021年12月期は、事業収益で129百万円、営業損失で1,244百万円となる見通しである。事業収益は「SR-0379」の開発マイルストーン125百万円を見込んでいる。一方、費用面では「SR-0379」の第3相臨床試験費用及び抗体誘導ペプチドプロジェクトの開発強化による研究開発費の増加(前期比803百万円増の1,166百万円)が損失拡大要因となる。なお、研究開発費については2022年12月期以降も年間10億円台のペースが続くものと予想される。2020年12月期末の現金及び預金の残高は3,616百万円となっており、当面の事業活動資金は確保されている。

4. 成長戦略
同社では、今後も独自技術である抗体誘導ペプチドの優位性を生かして、抗体医薬品がすでに発売されている「炎症領域」の開発パイプラインを拡充していく戦略となっている。標的となるタンパク質はすでに上市されている抗体医薬品と同じであるため、リード化合物を特定する時間が通常よりも大幅に短縮できるほか、有効性や安全性についてもすでに抗体医薬品で確認されていることから、開発リスクも小さい。同社では既存パイプラインの開発を進めると同時に、今後も2年に1本のペースでパイプラインを拡充していくことを目指している。当面は開発ステージとなるため、営業損失が続く見込みだが、抗体誘導ペプチドの開発対象となる領域における抗体医薬品の2019年の世界市場規模は主要製品だけで約475億米ドルとなっており、中長期的な成長ポテンシャルは大きいと弊社では見ている。

■Key Points
・大阪大学発のバイオベンチャーで、独自開発した抗体誘導ペプチド技術を用いて抗体医薬品の代替医薬品の開発に取り組む
・皮膚潰瘍向け治療薬「SR-0379」は国内で第3相臨床試験の実施を決定、2024年頃の上市を弊社では見込む
・乾癬治療薬「FPP003」はオーストラリアで第1/2a相臨床試験を実施中で、2021年内の終了を目標とする
・抗体誘導ペプチドの開発対象となる領域における抗体医薬品の世界市場規模は約475億米ドルで中長期的な成長ポテンシャルは膨大

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)





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