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新日本製薬 Research Memo(4):直営店舗・卸売販売が減収要因なるも新商品堅調。若年層へのブランド戦略も進捗


*15:54JST 新日本製薬 Research Memo(4):直営店舗・卸売販売が減収要因なるも新商品堅調。若年層へのブランド戦略も進捗
■業績動向

1. 2021年9月期第1四半期業績
新日本製薬
4931の2021年9月期第1四半期(2020年10月~12月)の業績は売上高8,489百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益828百万円(同20.8%増)、経常利益859百万円(同22.6%増)、四半期純利益590百万円(同33.2%増)となった。同期間においては新型コロナウイルス感染者が過去最多を記録する状況下だったこともあり、購買志向の変化に加えて不要不急の外出自粛要請による来店客数減少により、化粧品は直営店舗販売・卸売販売が影響を受けて減収要因となった。直営店舗はおおむね想定した計画値に近い進捗であったが、卸売販売においては総合スーパー等への来店客数の減少のほか、コロナ禍により商談を控えたことで、出店数が当初の計画どおり進まなかった影響がある。

一方で主力とする通信販売における化粧品売上高は、前年同期を上回った。前年下期において、コロナ禍による消費マインドの変化を踏まえて広告投資を一時的に抑制した影響はあったものの、主力商品であるパーフェクトワン オールインワン美容液ジェルシリーズから新たに発売した「パーフェクトワン 薬用リンクルストレッチジェル」の販売が堅調であったことによる。また、新たな顧客層獲得のためのブランド戦略として男性タレントをCMキャラクターに起用したブランドCMの放送やSNSと連動した販促施策等に取り組み、ミニマムライフ世代(30代以下)へのブランド認知度が高まり顧客獲得が好調に進捗した。また、効率化施策の進展によるFFコストの低減とコールセンターコストの減少により、オペレーションコストは前年同期を大きく下回り、増益に貢献した。そのため、各段階利益は前年同期を大きく上回った。

チャネル別売上高では、通信販売の売上高は7,850百万円(前年同期比1.3%減)となった。全体として、広告投資を控えていた影響からヘルスケア商品の売上が落ち込み、売上高は前年同期を下回った。しかし、化粧品において、CMで起用した男性タレントのグッズ等が当たるプレゼントキャンペーンの販促施策や、定期購入顧客に対する「パーフェクトワン 薬用リンクルストレッチジェル」のアップセルの取り組みが想定を上回って進捗した。また、アップセルの効果もあり、通信販売における化粧品売上高は前年同期を上回った。

国内外ECは引き続き好調に推移しており、売上高は948百万円(同11.6%増)と前年同期を上回り2ケタ伸長した。直営店舗販売・卸売販売においては、コロナ禍の影響により売上高は426百万円(同24.7%減)となったが、原宿に期間限定で出店したポップアップイベントでは、来店客数と期間中の売上高が想定を大きく上回る結果となり、ミニマムライフ世代へのブランド認知度の拡大が進んだ。

海外販売においては、売上高は211百万円(同1.8%増)となった。SNSや人気のインフルエンサーを活用したプロモーションによる認知度向上と売上拡大に継続して取り組んでおり、中国では、独身の日(毎年11月11日)に行われるショッピングイベント「ダブルイレブン」での売上高が前年同期を上回った。同業他社がコロナ禍の影響を受け在庫処分等の目的からディスカウント戦略を強めるなか、同社ではその戦略は行っていない。海外販売では20代~30代をターゲットにブランド戦略を推進しており、認知度は着実に拡大していると見られる。そのため、ディスカウントを行わなくても先行きの利益成長が十分に見込めると弊社では考えている。また、米国でのパーフェクトワンブランド販売に向けたテストマーケティングを開始しており、グローバルスタンダードブランドへの成長に向けた取り組みを着実に進めている。

そのほか、2021年9月期第1四半期より「スマートヘルスケア事業」を新たにスタートしている。2020年10月には第一弾として強く美しい身体づくりのための「美活プロテイン」を発売した。2021年1月には第二弾として、これからの健康管理に必要な自分を防御する力(自己防衛力)をサポートするサプリメント「BODY AURA」を発売した。コロナ禍を経て、自分自身で健康を管理する「セルフディフェンス」が注目を集めているなか、スマートヘルスケア事業では、“Evidence”(ドクター監修による確かな品質の商品)、“Lifestyle”(自律的でスマートな価値観と行動)、“Smart Tech”(身体と効果の見える化)をコンセプトとした商品やサービスを順次展開していく予定である。

2. 営業利益増減要因
2021年9月期第1四半期の営業利益では、新商品投入効果等による通信販売の売上高上振れに対して、直営店舗・卸売販売及びヘルスケアによる減収要因(-2.0億円)となったが、広告宣伝費はおおむね計画通りに実施(+1.0億円)、販売促進費の減少(+0.2億円)、送料有料化施策による発送配達費の削減と決済方法の切り替え誘導による代行手数料の削減といったFFコストの効率化効果(+0.8億円)があった。その他販管費ではコールセンターコストが減少し(+1.3億円)、大幅増益に貢献した。

同社において化粧品の売上拡大は当然のことながら、このFFコストの効率化が成長要因の一つとして注目しておきたい分野であると弊社では考えている。2019年4月より送料有料化施策を進めたことにより、これまで自社負担であった発送配達費の削減につながっている。これによる消費者の買い控えは起こっておらず、2ヶ月分の商品をまとめて1度に配送する「おまとめ配送」の促進によって送料負担の増加を和らげている。そのほか、決済方法の切り替え誘導においても代引き払いからクレジットによる後払いにシフトさせることにより、同社の決済手数料を削減させている。ただ、支払いを代引き払いで行う顧客は依然高い比率であると弊社では見ており、FFコストの効率化余地は大きいと考えている。また、コールセンターコストにおいては、リピーターなどの優良顧客も多く、顧客の意見などを商品に反映させるため専門的な顧客対応が必要となり、自社で一定の人員を置くことは必要である。一方で、コールセンター業務を従来の6割程度を外部にアウトソーシングすることにより、受注状況等によってコミュニケーターの配置状態を変更することが可能となり、コストコントロールを行っている。

3. 財務状況
2021年9月期第1四半期末における総資産は19,729百万円となり、前期末比226百万円減少した。主に、現金及び預金の減少698百万円、たな卸資産の増加251百万円、売掛債権の増加255百万円等によるものである。負債は4,815百万円となり、前期末比873百万円減少した。主に、未払法人税等の減少349百万円のほか、未払金の減少313百万円、買入債務の減少119百万円によるものである。純資産は14,914百万円と、前期末比647百万円増加した。主に、新株発行による増加664百万円、四半期純利益の計上590百万円、配当金の支払いによる減少642百万円によるものである。自己資本比率は75.1%となり、前期末の71.2%から3.9ポイント上昇している。

同社は2020年12月に第三者割当増資を実施した。増資に係る手取概算額 649百万円については、ヘルスケア新規事業に充当する。これまで同社の主要事業はスキンケア商品をはじめとする化粧品であったが、近年の世界的な健康ブームやパーソナルヘルスケアへの関心の高まりを受け、第二の事業の柱としてヘルスケア事業を強化・拡大する方針である。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)



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