for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up
日本株

アルプス技研 Research Memo(1):2020年12月期は計画を上回る経常増益。半導体などの稼働率も回復傾向


*15:51JST アルプス技研 Research Memo(1):2020年12月期は計画を上回る経常増益。半導体などの稼働率も回復傾向
■要約

1. 会社概要
アルプス技研
4641は、機械、電気・電子、ソフト・IT、化学などの分野において、大手製造業各社に高度技術サービスを提供する総合エンジニアリングアウトソーシング企業である。経営理念である“Heart to Heart”「人と人との心のつながり」を大切にしており、技術者としてのみならず社会人としても一流であるべしとの思いから、創業以来一貫して、技術力の強化に加え、ヒューマン教育にも注力している。これが同社の強みである人材を生み出す源泉となる企業組織文化となっている。同社グループは同社及び子会社7社、関連会社1社から構成され、2016年12月期より、アウトソーシングサービス事業とグローバル事業の2つの事業セグメントとなった。2018年7月には創業50周年を迎えるとともに、第2創業期をスタート。新規事業分野参入(農業及び介護関連分野)を含め、SDGs(持続可能な開発目標)にも取り組みながら、次世代に向けた強みの創出(経営基盤の強化)を目指している。

2. 2020年12月期の業績
2020年12月期の連結業績は、売上高が前期比1.7%減の35,753百万円、営業利益が同9.3%減の3,640百万円、経常利益が同12.1%増の4,595百万円と微減収及び営業減益となったものの、経常損益段階では増益を確保した。売上高は、2020年7月1日に連結化した(株)デジタル・スパイスや新規事業(農業・介護関連分野)を手掛ける(株)アグリ&ケアの伸びが寄与したものの、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による「稼働工数」の減少(休業増、残業抑制等)やグローバル事業の売上減により計画を下回る減収となった。また、コロナ禍による稼働率の一時下振れも計画を下回る要因となったが、足元では徐々に回復傾向にある。損益面では、減収による収益の下押しがあったものの、販管費の削減や「雇用調整助成金」を雇用維持のために原価に充当したことから、経常損益段階では計画を上回る増益を確保した。特に、積極的なコスト削減や感染対策の影響(研修・イベントの未執行等)による費用減が増益に大きく寄与しており、経常利益率は12.9%(前期は11.3%)に大きく改善した。配当についても、計画に対し5.0円増配の1株当たり75.0円(年間)を実施した。

3. 2021年12月期の業績予想
2021年12月期の業績予想について同社は、売上高を前期比11.9%増の40,000百万円、営業利益を同9.9%増の4,000百万円と大幅な増収及び営業増益を見込んでいる。コロナ禍の影響を受けた2020年12月期からの回復により、中期的な成長軌道に回帰させる方針である。売上高は、先端技術や次世代車等、堅調な顧客ニーズを背景として大きく伸びる見通しである。ただ、景気減速懸念についても保守的に見積もり、工数については抑制傾向を想定しているようだ。また、2020年を上回る2021年新卒採用に加え、グローバルエンジニアを含む通年採用による技術者の積み増しを継続していく。新規事業(農業関連分野)についても、全国規模で需要が拡大しているアグリテック(農業先端技術)及びアグリ(就農)人材の育成・採用を計画的に進めるとともに、派遣先開拓にも取り組む方針である。

4. 中長期の成長戦略
同社は中長期成長ビジョンとして、1)最先端技術への対応、2)新規事業の推進、3)グローバル展開、4)高技術サービスの提供、5)先行者メリット享受の5つの戦略テーマを打ち出している。特に第11次5ヵ年計画の定性目標で、「新産業革命時代に向けた経営資源の再投資」を推進する方針である。また社会的課題の解決に向けても、引き続き高度技術の提供をはじめ、人手不足が深刻な農業及び介護関連分野への貢献を通じて、企業価値の更なる向上へつなげていく方針である。3ヵ年の中期経営計画(ローリング方式)では、2023年12月期の目標として売上高45,660百万円、営業利益4,900百万円、ROE20%以上を目指している。

弊社でも、同社の事業展開の方向性は、国内人口の減少や経済のグローバル化が進展するなかで、今後の産業構造の変化を見据えた合理的な戦略であると評価している。コロナ禍の影響により、売上高の伸びは一旦足踏みしたものの、同社の中長期的な成長性の評価に変化はない。今後は新規事業の進捗を含め、需要が拡大している新たな先端技術分野への対応を図り、いかに持続的な成長に結び付けていくのかが今後の注目点となるだろう。また、引き続き強固な財務基盤を生かしたM&Aも注視する必要がある。

■Key Points
・2020年12月期はコロナ禍の影響を受けて微減収となるも、コスト削減により経常増益を確保
・半導体や医療系、ソフト開発など好調分野を中心に、稼働率は足元で回復傾向にある
・2021年12月期の業績予想については大幅な増収増益により、中期的な成長軌道に回帰する見通し
・第11次5ヵ年計画の定性目標では、「新産業革命時代に向けた経営資源の再投資」を推進。時代に先駆けた外国人材活躍推進により、農業・介護関連分野などのSDGs(持続可能な開発目標)にも積極的に取り組む方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



《EY》

当コンテンツはFISCOから情報の提供を受けています。掲載情報の著作権は情報提供元に帰属します。記事の無断転載を禁じます。当コンテンツにおけるニュース、取引価格、データなどの情報はあくまでも利用者の個人使用のために提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。当コンテンツの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。提供されたいかなる見解又は意見はFISCOの見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。情報内容には万全を期しておりますが、保証されるものではありませんので、万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、弊社および情報提供元は一切の責任を負いません。 【FISCO】
for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up