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アルプス技研 Research Memo(5):2020年12月期は微減収となるも、コスト削減等により経常増益を実現


*15:55JST アルプス技研 Research Memo(5):2020年12月期は微減収となるも、コスト削減等により経常増益を実現
■業績推移

2. 2020年12月期業績の概要
アルプス技研
4641の2020年12月期の連結業績は、売上高が前期比1.7%減の35,753百万円、営業利益が同9.3%減の3,640百万円、経常利益が同12.1%増の4,595百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.1%増の3,057百万円と微減収及び営業減益となったものの、経常損益段階では増益を確保した。

売上高は、2020年7月に連結化したデジタル・スパイスの上乗せ効果※や新規事業を手掛けるアグリ&ケアの伸びが寄与したものの、コロナ禍の影響による稼働工数の減少(休業増、残業抑制等)やグローバル事業の売上減により計画を下回る減収となった。また、コロナ禍の影響に伴う稼働の一時下振れにより稼働人数の伸びが想定に届かなかったことも計画を下回る要因となった。ただ、稼働率は足元で回復傾向にある。

※弊社推定では5億円弱の上乗せ要因となったと見られる。


損益面では、減収による収益の下押しがあったものの販管費の削減や雇用調整助成金を雇用維持のために原価に充当したことから、経常損益段階では計画を上回る増益を確保した。特に、積極的なコスト削減やコロナ禍の影響(研修・イベントの未執行等)による費用減が増益に大きく寄与したと言え、経常利益率は12.9%(前期は11.3%)に大きく改善した。

財務的では、現金及び預金の増加等により総資産が前期末比7.8%増の20,996百万円に拡大した一方、自己資本も内部留保の積み増し等により同5.0%増の12,746百万円に増加したことから、自己資本比率は60.7%(前期は62.4%)と60%を超える水準を維持した。

各事業における概要は以下のとおりである。

(1) アウトソーシングサービス事業
売上高は前期比2.4%増の34,715百万円、セグメント利益は同10.5%減の3,430百万円となった。2020年7月に連結化したデジタル・スパイスによる上乗せや新規事業を手掛けるアグリ&ケアの伸びが増収に寄与した。ただ同社単体で見ると、コロナ禍の影響を受けた稼働工数の減少(休業増、残業抑制等)により前期比0.2%減とわずかに減収となっている。

重視する業績指標(単体)である技術社員数(期末)は3,897人(前期末比114人増)、稼働人数(平均)は3,555人(同49人増)、契約単価(平均)が4,066円(同39円増)とそれぞれ伸びたものの、1人当たりの稼働工数(平均)は162時間(前期比3時間減)に減少した。もっとも稼働工数の減少は、1)ここ数年の働き方改革による趨勢的な構造要因と、2)コロナ禍による一過性の特殊要因の2つの理由が挙げられるが、今回は2)の影響が大きかったことから、コロナ禍の収束とともに減少傾向には歯止めがかかるものと考えられる。また、稼働人数(平均)の伸びが前期比49人増にとどまったのも、コロナ禍の影響により新卒採用者(合計233人)の稼働決定に遅れが生じたことが理由である。ただ、一時下振れた稼働率も徐々に回復傾向にあるようだ※。業種別では、コロナ禍のもと、需要が拡大している半導体、医療系、ソフト開発など好調分野の構成比が高まっている。

※年間の平均稼働率は92.1%(前期は95.4%)に低下した。特に、第2四半期平均が89.2%に落ち込んだが、第4四半期平均では92.2%にまで回復してきた。


またグループ会社については、アルプスビジネスサービス及びパナR&Dがおよそ堅調に推移するとともに、新規事業を手掛けるアグリ&ケアについては、先に立ち上がってきた農業関連分野が、全国規模で需要が拡大している就農人材の派遣により着実に伸びてきた。

損益面では、コロナ禍に伴う稼働率の下振れ等により減益となっているが、販管費の削減や雇用調整助成金を雇用維持のために原価に充当したことから、トータルでは増益を確保したと言える。

(2) グローバル事業
売上高は前期比57.8%減の1,038百万円、セグメント利益は同15.1%増の207百万円と減収ながら増益となった。売上高は、エンジニアリング事業における大型案件があった2019年12月期と比べて減収となったが、損益面では利益率の高い人材サービスの寄与などにより増益を確保した。

3. 2020年12月期の総括
2020年12月期を総括すると、コロナ禍においても積極的な採用継続により「技術社員数」を増やしたうえ、販管費の削減等により経常増益を確保したところは評価できるポイントである。また、半導体、医療系、ソフト開発など好調分野の需要が拡大しているなかで、一時下振れた稼働も徐々に回復してきたこと、新規事業分野(特に、農業関連分野)も着実に立ち上がってきたことも、今後に向けてプラスの材料と言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



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